WEB版母親教室,夫婦のために,幸せな子供の育て方

2020.08「親子、夫婦の絆を育てる」「親と子のコミュニケーション」

2020年8月9日  

テキスト 

   谷口雅宣先生著『日々の祈り-神・自然・人間の大調和を祈る』

   谷口純子先生著『46億年のいのち』

   谷口清超先生著『父と母のために』

夫婦でも親子でもよい人間関係を築くことは、子供の成長にとっては大切なことです。子供は父母の間に生まれてくるのですから、この父と母を中心にした家庭が、子供の育つ苗床のようなものです。家族仲良く、和気あいあいとした雰囲気の中で子供は安心して成長していくことができます。

子供のしあわせ

夫婦となり、親子となり、人生の多くの時間を共に過ごす家庭は、夫婦や親子がより豊かに愛を表現し合い、人間性を養っていくための練習場です。

縁あって夫婦、親子となって出会う魂は、偶然にそうなったわけではありません。

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、『46億年のいのち』に次のようにお示しくださっています。(70~71頁)

私たちの周りに現れる環境は、みな自分の心と深く関係している。私たち一人一人の人生は、自分の心によってつくられる。だからどんな人と結婚するかということも、自分が選び、自分が決めるのである。結果として、自分の心にふさわしい人と結婚するのだ。そんな結婚生活を幸せなものにするためには、相手の長所を認め、相手のために何ができるかを考えることである。そして、相手の長所を本当に認めるためには、まず自分自身を認めなくてはならない。

夫婦は合わせ鏡のようなものである。だからこそ、尊敬と信頼の気持ちがあれば、お互いに良い影響を与え合い、実りある人生を送ることができる。それはやがて社会へもよい影響を及ぼすだろう。

結婚するときは、きっと誰もが「この人と結婚したら幸せになる」そう思って結婚されたにちがいありません。しかし、もしかしたら自分の〝理想〟とした結婚生活、相手とは程遠いということを知って、「こんなはずではなかった」と思われている方もいるかもしれません。そうなると相手に不満や要求ばかりが大きくなってしまい、心穏やかではなくなりますね。ですが、まず第一に、夫婦となる男性と女性は、偶然夫婦となったのではないということを知っておいてください。

縁あって夫婦となった魂は、単に不足だけを補う便利な手段ではなく、自分にはない良さを持っているからこそお互いに〝魂の半身〟として魅かれ合い、知恵を与え合い、愛を与え合い、生命力を与え合って、結び合い、生かし合って、地上に家庭や家族を築いていく、掛け替えのないパートナーなのです。

現象においてはお互い欠点が見えることもありますが、欠点ばかり見つめていると更にそれは大きくなるばかりです。眼に見える現象の奥に相手のほんとのすがたを見つめ、今ある美点を見出し、相手を喜ばす言葉や態度で表現していくと、夫婦は合わせ鏡のようなものですから、そこから、まだ表現されていない自分や相手の素晴らしさがどんどん引き出されてくるものです。自分自身の魂の向上をさせていただく相手として“感謝の心”で お互いによい影響を与え合っていきたいですね。

生長の家前総裁・谷口清超先生はご著書『父と母のために』に次のようにお示しくださっています。(100~101頁)

 魂の関係は、この地上に生まれてからできるのではなく、前世から深い関係にあるわけですから、当然この世に生まれてきても、ごく限られた人だけが夫婦となる。それはお互いに「似たもの夫婦」なのであって、表面的にはいくら違っていても、魂的には同質です。だからお互いに引き合い、やがて固く結びつくということになるのです。

 こうして結びあった魂は、そればかりでなく子供を、つまり子供の魂を引き寄せます。子供も亦(また)魂的には父母とその業が似ていますから、まず最初は父母の家に生まれてくる。こうして父母は共同で子供の魂を呼びよせるものですから、その父と母との心が不調和となり、争い合うということとなると、子供の魂は安住の地を失います。だからどうしても不和な父母の下では子供は安らかに暮らすことができません。

夫婦がいつもお互いの〝行動〟を監視し合って、相手の悪い所を指摘し合っているような家庭では、子供は安心して過ごすことはできませんし「温かい家庭」とはなりませんね。子供はまず最初に出会う父母への信頼感が自分への信頼感や自信につながり、自己肯定感につながっていきますから、この父母のもとに生まれてよかったと思うことができることはほんとに幸せなことです。そしてその思いは子供がこれから出会ういろいろな人とのよい人間関係を築いていく基(もと)となります。

様々な理由で、父親がいない場合でも、子供の心の中にいる父親に対して、感謝の気持ちを持てるように話していくと、子供の心も明るく成長していくことができるものです。父母が仲がよいということは、子供にとって、本当にしあわせなことなのです。

愛と信頼のコミュニケーション

家族の親しい中では、「ありがとう」「すばらしいね」「ごめんなさい」「うれしい」そんな言葉も言わなくてもわかっていると省略されがちですが、子供はいくつになっても親からの温かい言葉がけを待っています。

人間には「愛されたい」「認められたい」「ほめられたい」「お役にたちたい」「自由でありたい」という5つの願いがあります。親がそのままの自分を受け入れてくれるという愛と信頼のコミュニケーションは、自己肯定感を生み、子供の自信にもつながります。

生長の家総裁・谷口雅宣先生はご著書『日々の祈り-神・自然・人間の大調和を祈る』に次のようにお示しくださっています。(169~170頁)

神の子・人間よ、貴方が他人の進む方向へ行けなかったとて悲観するな。貴方が社会のエリートの道へ進めないと落胆するな。他と同じ生き方ができないことを「失敗」と言うなかれ。神の世界の無限の多様性の中では、他人と同じ生き方はありえない。神の世界の多様性の中には、〝エリート〟は存在しない。神の御心に沿う者には〝失敗〟はありえない。神の御心を体現したものは、誰でも〝エリート〟であり、〝成功者〟である。(中略)

そのことに気がつけば、自分の人生行路が他人と違うと悩むのは愚かなことである。神の無限の多様性を体現する人間には、それぞれ独自の、掛け替えのない、異なった行程の人生がある。他人と異なる道を歩んでこそ、他が思いつかない独自のアイディアを得るののである。世間から見て〝失敗〟と思われるコースを歩んで、他より抜きん出た業績を残した人は数多い。

子供が成長すればするほど、親との意見の相違がでてくるものですが、そんなとき親は自分の長い経験から、「こうすることが正しい」「この道を進めば成功する」という自分の考えや思いを押しつけて、子供がそれに従わないとき、心配したり、悩んだりします。でも、子供の人生は、子供自身が体験を通して学んでいくものです。たとえ失敗のように見えても、そこから学びとることも大きいのです。子供自身が、信じて選び取った環境で、さらに人格を磨き、自分で歩む力をつけていくことができることを信じて、子供が常に前向きな自己のイメージを持てるように応援できる親でありたいものです。

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、『46億年のいのち』に次のようにお示しくださっています。(83~84頁)

子供は親に認めてもらいたいという願いがある。そのため、親の期待に応えようとするが、親の理想とは違う自らの願いが出てくると、そこに葛藤が生じる。自分の人生を自立して生きるためには、親に対する甘えを断ち切る必要がある。一旦は気持ちの上で、親を捨てるのだ。そこがあやふやになると、親の干渉から逃れられず重荷に思う。

一方の親は子供に期待するところが多いので、自分の価値観を押し付けようとする。親の気持ちとして、自分の理想を子供が生きれば、幸せになると思うのだ。けれどもそれは自分勝手な願いで、子供には子供の人生がある。私は三人の子育てで、そのことを学んだ。子供を自由に生かすこと、子供に対する執着を放つことが、親の務めであり最大のレッスンだと私は思っている。

生長の家では、「神の子は神が育て給う」と説いていますが、目の前の子供への不安が心に残るときは、善し悪しにとらわれないで『日時計日記』(生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生ご監修)に、「子供の天分に叶った、ふさわしい道に進むことができました。ありがとうございます。」と書き続けてみましょう。

そのような祈りと愛語と讃嘆の言葉で、お母さんの心を満たしていくとコトバの力によって執着がなくなり「我が子は、神の子!無限の可能性をもった素晴しい子だ!」と子供に宿る神性を信じられるようになるでしょう。親は子供を信じてあげることがなによりの愛情です。

●倫理的な生活・子育ての中の「食」の大切さを伝える

 買いすぎない、持ち過ぎないを心がけ、食べ物を大切にしましょう

今は、お金で何でも買える時代ですが、安いからといって無駄に買わず、本当に必要なのか考えて、「持ち過ぎない」「買いすぎない」買った食品は最後まで使い切る、「捨てない」という“三ない生活”を心がけてみましょう。

身の回りに物を多くため込むこと、多く消費すること、多く捨てることで、すでに進んでいる地球の自然はさらに劣化します。

日々の暮らしの中に「もったいない」「すべては神のいのちの現れである」ということを意識して感謝の心で使わせていただきましょう。

私たち一人ひとりの行動の積み重ねが、社会を動かす大きな力になり、自然環境の回復にも貢献することができます。

 さて、今月の普及誌「白鳩No.125」も大変参考になりますので、併せてごらんください。また、全国で開催されています生長の家の「母親教室」へのご参加を心よりお待ちしています。