テキスト
谷口雅宣先生著 『日々の祈り-神・自然・人間の大調和を祈る』
谷口純子先生著 『46億年のいのち』
谷口清超先生著 『父と母のために』
大地に種を蒔くと、蒔いた種の芽がでるように、私達が日常の中で使うコトバは種となって、やがて芽を出します。
今月は「コトバ」の大切さとコトバには運命を創り出す力があることを学びます。
「コトバ」というと口に出す言葉のことだけだと思われるかもしれませんが、生長の家では、コトバとは、宇宙大生命の振動・波動であり、実生活においては思念(心の思い)、発声音(口に出す言葉)、表情(行動)で表現され、この三つをコトバの力といい、そのコトバ通りに創り出す実現力があると説きます。そのコトバの力を活用して子供の中に宿っている無限の素晴らしさを引き出し育て伸ばします。
明るいコトバを家庭に響かせましょう
生長の家総裁・谷口雅宣先生はご著書『日々の祈り-神・自然・人間の大調和を祈る』に次のようにお説きくださっています。(211~212頁)
神さま、私は神の子であります。神の子は、神さまの創られた実在世界にあるものをコトバの力によって表現することに喜びを感じます。それが、コトバの力の正しい使い方です。コトバとは、身(しん)・口(く)・意(い)の三業(さんごう)を指します。身体(からだ)によって、口によって、意(おもい)によって心を表現することです。一回の「行為」ではコトバの力は小さくとも、それが同方向に繰り返されることで、「行」は「業」となって大きな力を発揮します。善い行為、善い言葉、善い想念を繰り返して表現することによって、「善行(ぜんこう)」は「善業(ぜんごう)」となって私の運命を形成します。
コトバは文字や言葉だけでなく、このように身体の表現(身)や口でいう言葉(口)や心の思い(意)も全てが「業」だというので、仏教ではこれらを「身・口・意の三業」と教えています。これは、悪業が悪果を作り出し、善業が善果をもたらすという業のことで、「コトバが人生をつくる」ということになります。
コトバに、このような力があることを、普段は意識しないで過ごしているのではないかと思いますが、子供に対して繰り返されるお母さんのコトバ(身・口・意)は、毎日知らず知らずに、子供の心に蓄積されていきます。生長の家では、人間は神の子であって、無限の可能性を宿していると教えていますが、お母さんの言葉の使い方、心の持ち方、表情や行いが善かれ悪しかれ子供の運命を左右するコトバの力になりますから、そのコトバの力を正しく使って、その子の中にある無限の可能性を引き出していきたいですね。
✤心の中の思い (意)
その子のそのままを無条件に受け入れ、神の完全円満ないのちが自分のいのちであり、子供のいのちであり、すべてのいのちであると神様との一体感を観つめる神想観の練習をして、お母さんの心の思いを明るいものとしましょう。
✤表情・行い(身)
お母さんの優しい表情と眼差しは、子供の心を落ち着かせ、明るく楽しい気分にさせます。にっこりと微笑みかけましょう。そして、何か他のためになる良い行いをしましょう。
✤発声音 (口)
明るい優しい口調で、よきことを語りましょう。愛語と讃嘆の言葉は、家族を勇気づけます。明るいよい言葉は人の心を元気に明るくします。
「おはようございます」「おやすみなさい」そんな挨拶をするときにも、(身)体や表情でニッコリと笑顔で、(口)言葉に出してきちんといい、(意)心で素晴しい神の子という思いを込めて表現します。この身・口・意を同じ方向に合わせることが大切です。
心で子供を「神の子」と信じていても、表情や言葉に出さなければ伝わりませんし、口先でどんなに讃嘆しても心の思いが伴っていなければ、子供には通じません。特に幼児期には、明るい響きとともににっこりと微笑み「あなたがいてくれて嬉しい」という気持ちで抱きしめてあげるといいですね。
よい言葉、明るい表情などの明るい雰囲気が家中にただよっていると、子供も心に明るいものをつかむことができます。
みんな神の子素晴しい
前生長の家総裁・谷口清超先生は、ご著書『父と母のために』に次のようにお示しくださっています。(169~170頁)
「うちの子はよく出来るすばらしい子だ」と信じたり、現状を肯定していると、その通りすばらしくやってくれますが、「うちの子は懶(なま)け癖がついて困る」などと思っていると、その「思い」の通り益々懶けて勉強しなくなる。いや出来なくなるのです。又もし自分の子が「よく勉強する」と思っておれば「勉強、勉強」とやかましく言い立てるでしょうか。多分「あなたはすばらしい、本当によくやるね」と讃嘆するでしょう。
すると子供はよくやるし、益々すばらしくなるのです。だからこの世はただ「願望する」だけでは駄目なのです。心の中で子供を「出来の悪い子だ」などと思っていて、口先でいくらやかましく「勉強、勉強」と言いつのっても、言えば言うほど逆効果になるものです。
皆さんは毎日、毎日子供さんをどんな子だと心で思っていますか?
「この子はなんでもやれば出来る子」「この子は丈夫な子」「この子は運がいい」と思っているでしょうか?それとも、反対ですか?
お母さんがいつも、この子は〝こんな子〟そう思っている通りに、子供に対して思い、語り、表情に表現されているはずです。私たちの心には、現在意識(自分でわかる心)と潜在意識(自分でもわからない奥底に潜んでいる心)がありますが、その潜在意識は、心の大部分を占め私達の人生に影響を与えます。
一回のコトバの力は小さくても、それが毎日、毎日同じ方向に繰り返し表現されることによって、潜在意識にまで浸透して大きな力となって、その子の運命を形成していきますから、お母さんが心の深いところで子供をどう思っているかということは、とても大切だということになります。自分の愛する子供達に、「私は神の子、自分には素晴しい力がある。」というような信念を与えることは、子供にとって素晴しい財産となります。
習慣の力
親のものの考え方や言葉の使い方や表情、家庭の雰囲気がその子の心的傾向を決定する大切なコトバの力となりますが、思いのクセは自分でも気づかないほど習慣となって心の奥底に染み込んでいます。そこで、お母さんのものの見方、受け取り方、心の習慣を見つめ直してみましょう。
生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は御著書『46億年のいのち』に次のようにお書きくださっています。(107~108頁)
良い情報よりも悪い情報の影響をより多く受けている生活を改善するためには、瞑想をすることがとても有効だ。私は朝五時に起きる習慣で、起きるとすぐ神想観という生長の家式の瞑想をする。神想観は座禅的瞑想法であるが、座禅との大きな違いは、無念無想になるのではなく、善なる世界を心の目でしっかり見つめ、潜在意識に働きかけて、心の傾向を変えていくところにある。(中略)
心で何を思うか、何を信じるかが現実の世界を成り立たせているから、心がどうであるかということはとても大切だ。先入観念を捨てて世界を見渡せば、全てのものがお互いに支え合い、生かし合っている世界の真実が見えてくる。そして私たち人間はその中で生かされている存在だから、悪現象を超えて、全てを生かそうとする大いなる力に目を向けることだ。善一元の世界を心に描くことが習慣を変える根本になるのである。
私たちのこの世界は、「唯心所現(ゆいしんしょげん)」で、心で思うことは、形に現れるもとです。
心で何を思うか、何を信じるかが大切ですが、情報の多い現代社会の中で、他と比較し
て駄目だと思ってみたり、ほんとに必要な情報を見極める力、また過去の経験からくる心の習慣は簡単には変えられないものです。悪いことや不安の思い、心配の思いは、心でしっかりつかんで、それを良くしようと思えば思うほど不安は増します。そして、その暗い思いを心の中で何度も繰り返し思い出して心を乱してしまいます。そのような目の前に現れている現象にとらわれないで、実相(ほんと)の世界を心の目でしっかりと見つめる生長の家の瞑想法(メディテーション)をして、どんなときも善なる神様を信じる力、神の子の我が子を信じる力を身につけましょう。
〈「神想観」については、谷口雅春先生著『新版 詳説 神想観』などを参考に実修ください」〉
そして、自分や家族の良いところ、嬉しいこと、感動したことなど、明るい良いことだ
けを書く『日時計日記』をつけましょう。家族や周囲の「よいこと」のみを書き、印象し、記録し、思い出すことによって、「善が満ちている」という実感がわいてきます。心も訓練することで、良いところを見つけることが上手になり、あたり前の中にどんなに尊い“しあわせ”や“すばらしさ”がたくさん満ちているかに気づくことでしょう。
目に見えない子供の中の無限の可能性を掘り出す道具は、お母さんのコトバです。兄弟や他の子と比較するのではなく、その子ならではの善さを「祈りと愛語と讃嘆」のコトバの力で引き出し育て伸ばしましょう。
●倫理的な生活・子育ての中の「食」の大切さを伝える
✤ゴミを減らす工夫4Rを意識してみる
4Rとは、Refuse(リフューズ)不要なものは断ること、Reduce(リデュース)ごみを減らすこと、Reuse(リユース)繰り返し使うこと、Recycle(リサイクル)資源として再利用することです。
リフューズ…マイバックを持参して、レジ袋は断りましょう。
リデュース…洗剤など、詰め替えのできる商品を選びましょう。
リユース…まだ使えるものは、フリーマーケットやクラフトに。
リサイクル…分別のルールを守って、資源を大切にしましょう。
子供たちによりよい未来をしめしていけるように4Rを意識してみましょう!
✤食品ロスを減らす
食品の廃棄も大きな問題であり、食べられるものの三分の一から四分の一が棄てられているのが、日本の現状である。スーパーやデパートの地下食料品売り場も、食べ物であふれている。このアンバランスは、何処から来ているのだろうと疑問に思わずにはいられない社会状況だ。(中略)国際化も進んでいる現代、外国の安価なものが市場を占めている。「足るを知る」という言葉があるがこれくらいで十分、これ以上は求めないという基準があってもいいのではないかと思う。
(白鳩会総裁・谷口純子先生著『46億年のいのち』34~35頁)
「足るを知る」ということを意識してみましょう。
さて、今月の普及誌「白鳩No123」も大変参考になりますので、併せてごらんください。また、全国で開催されています生長の家の「母親教室」へのご参加を心よりお待ちしています。