テキスト 谷口純子先生著 『平和のレシピ』
寒さの厳しい季節ですが、暦の上では春。
ふきのとうや樹木の冬芽を発見すると、春の予感を感じて嬉しくなりますね。
さて、今月は、「親の願いと子の願い」、「父母の役割」というテーマです。
子供は様々な姿をみせながら、成長していきますが、反抗しているように見えるときも、それはきっと親を信じているからに違いありません。
子供の成長の場を整えるために、子供が健やかに育つぬくもりのある家庭をつくります。
子のねがい
この世に生まれて、夫となり、妻となる魂の関係は、地上に生まれてからできるのではなく、魂の上では深い関係にあり、表面的には違っていても、魂的には似ているからこそ、お互いに引き合い結ばれます。そして、地上に家庭や家族といった「個」を超えた「結び合い」「生かし合い」の姿を具体的に表現するための掛け替えのないパートナーとして、お互いの知恵や愛や生命力を与え合うのです。そればかりではなく、そうして結び合った魂は、子供の魂を引き寄せますから、父と母との心が不調和になったり、争い合うということになると、子供の魂は、安らかではなくなります。ですから、お父さんとお母さんが仲がよいということほど、子供にとってしあわせなことはありません。
白鳩会総裁・谷口純子先生は、御著書『平和のレシピ』の中で、次ぎのようにお書きくださっています。(75頁)
結婚を望む誰もが仲の良い夫婦関係を期待するが、その実現のためには、自分の夫または妻となる人が、自分にとって今、一番ふさわしい人だと知ることが重要である。夫婦は性格が違うことが多いが、それは、お互い相手から影響を受け、自分の足りない部分を成長させ、過大な部分を削り取る絶好の機会であるからだ。こうして、結婚生活は、夫婦それぞれが〝人格の完成〟に向かって手を携(たずさ)えて進む道程だとわかれば、相手を素直に受け入れて互いに感謝することができるだろう。
夫婦の争いは、お互いの生まれ育った環境の違いを理解できなかったり、自分と同じものを要求したり、強制するところからはじまるのではないでしょうか。自分を大切にするには、相手を大切にすることによって自分も大切にされるものです。それぞれが自分を大切にしながら、妻は夫を大切に、夫は妻を大切にするために何ができるかを考えて、相手への思いやりと、ねぎらいや感謝の言葉を表現していくことで、温かい夫婦関係が育っていきます。そのためには、夫婦互いに、相手の欠点ではなく、美点を認め合うことが大切ですね。相手の美点をみて、讃嘆し感謝のコトバを表現していると、こちらの感謝の心が、相手の感謝の心を呼び出して、お互いに成長できるものだと思います。夫婦の仲のよい姿は、ただそれだけで、子供にとって嬉しく、そのような両親の温かい雰囲気の中で子供は安心して育っていきます。
また、夫婦にはいろいろな形があるかもしれませんが、様々な理由で、父親がいない場合でも悲しんだり、相手を憎んだりするのではなく、その相手は、人生の貴重なレッスンのパートナーだったのですから、子供の心の中にいる父親像として、子供が父親に対して、感謝し尊敬できるように話していくと、子供の心も明るく力強く成長していくことでしょう。子供にとっては、父も母も、両方とも大切な存在なのです。
豊かな人間形成のために
最近では、子供をかわいいと思わないとか、母性を感じないとかいうお母さんもいるようです。どうして、そういう気持ちになってしまうのか、悲しいニュースを聞く度に思いますが、多くの場合、お母さん自身の親との関係や生い立ち、夫婦関係に関係しているといえるようです。でも、どんな親でも心の奥底では、子供をかわいいと思っているに違いありません。
お母さん自体も、理想の母親像があって、こうでなくてはと思っていると、それができないとき、母親として不安になってしまうのかもしれません。そんなとき、「大丈夫よ」といってくれる誰かが、そばにいてくれるだけで安心するものですが、今は核家族がほとんどで、お母さん自身が孤独であったり、子供の数も少なく親と子が一対一で、疲れてしまっているというケースも多いのかもしれません。
母親といっても、子供とともに成長するものです。是非、お近くの生長の家の母親教室に参加してみてください。先輩ママや人生の先輩の子育て体験談、なにより「だいじょうぶ!」という安心感を得られると思います。
本来は、母性的なもの、父性的なものは女性の中にも、男性の中にもあるといわれますが、特に母性は女性の中に豊かにあるものですね。
母性は、子供に安らぎやくつろぎを与えます。基本的に無条件の愛に満ちた、優しく温かい心で子供の神性を引き出していきます。子供のありのままを受け入れる気持ちです。
父性は、社会的なルールや生き方の基本的なルールを身につけられるように導くなど理性的なものですが、幼少期はしっかりとお母さんの愛情を感じるということが子供にとって何より嬉しく、自己肯定感に繋がっていきます。
生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生著『平和のレシピ』に次のようにお書きくださっています。(77頁)
親が自分の子に向ける愛情について、〝無我の愛〟と言われることがよくある。特に母親の愛は、自分の幸福など顧みず、家族のために、あるいは子供のために心を尽くすと考えられることが多い。そのような母親の愛は、子供に安心感とともに勇気や希望を与え、その子の成長過程において豊かな人間形成に役立つから、社会に貢献する人を生む、などとも言われる。
父母から受ける愛情をもとにして、子供は人格を形成し成長していきます。
特に母親は小さい頃はしっかりと抱きしめて、「あなたは大切でかわいい。」ということを意識して、表現してあげると、お母さんの愛情を感じます。
そして、お父さんは「これには、こういう意味があるんだよ」と愛情をもって教えてあげると、子供もお父さんをきっと尊敬するでしょう。そうして、母性的な愛と父性的な愛に包まれて、子供の人格の土台ができていきます。
また、子供は成長するにつれて、母親の父親に対する態度を通して、父親を理解していきますから、「母親の役割」は大切ですね。母親が父親を軽蔑したり、悪口を言ったりすると、子供は母親に同調して、父親を嫌いになる傾向があり、やがて、そのような母親も軽蔑するようになって、勉強に力が入らなくなったり、反抗するような姿をみせるものです。
子供の頃の両親に対する関係性は、将来社会人になったときの人間関係にも関係してきますから、父親がいないときも、子供の心に父親を尊敬できるように語りかけてあげることです。子供は、そんな母親を心から尊敬するものです。
子供の成長と自立
生長の家総裁・谷口純子先生は、『平和のレシピ』に〝無限の可能性〟を開かせるための条件として、次のようにお書きくださっています。(102頁)
その条件の第一は、まず本人が自分の可能性を認め自信をもつことである。現状が自分のすべてだと考えずに、努力によって現状はいくらでも変えられ、自分は必ず進歩する、と信じることだ。そうすれば意欲がもりもりと湧き、自分の目標に一所懸命に集中できる。それに加えて、周りの人々の応援も大きな条件となる。特に本人の親が、その人をどう見るかは重要だ。
特に思春期は、自分さがしの時期ですし、いろんなことに挑戦できる時期でもあります。目標や目指すものもどんどん変わっていく時期でもありますね。そんなときも、親の希望を押しつけたり、兄弟姉妹と比較するのではなく、その子の良さを認め、自分に自信を持たせてあげるように、応援して、あたたかく見守ってあげられる親でありたいですね。
安心して甘えられる、受け止めてもらっている、認めてもらっているという信頼できる親がいるということは、また、自分も人も信頼することができ、認めることができることにつながるものだと思います。
「ありがとう」と感謝できる親がいることは、しあわせなことですし、また「ありがとう」と感謝される人になることは、さらに大きな喜びや自信に繋がるものです。
自立というと自分一人で生きていけることというのが一般的な考え方だと思いますが、自分だけが向上したり、何かができるというだけでなく、人と協力して何かのために役にたったり、周囲の人と感動を分かちあいながら、感謝の人間関係の中で生きていけることではないかと思います。
生ゴミを堆肥にしてみる 「ダンボールコンポスト」
水分を多く含んだ生ゴミの処理は、たくさんのエネルギーを使い、多くの二酸化炭素が排出されます。家庭の生ゴミも、水分をしっかり絞って出すことや生ゴミを堆肥にする「ダンボールコンポスト」を作ってみてはいかがでしょう。ゴミも減り、生ゴミも栄養豊富な肥料になり、家庭菜園にも使えますね。
大きめのダンボールの底を2重に補強する。ダンボールにピートモスと籾殻くん炭を
3:2の割合で混ぜ、その中に毎日でる生ゴミ(小さくするほど分解が早まります)を入れてよく混ぜる。混ぜ終わったら虫除けのカバーをかけてひもで綴じる。
生ゴミを入れない日もなるべく混ぜ、いっぱいになったら、フタをして密封し、2カ月程度軒下などに置いておくと、栄養豊富な堆肥が出来上がります。
家族と握手をしましょう。笑顔と讃嘆のコトバをそえましょう。
ニッコリ笑って、「いってらっしゃい!」「おかえりなさい!」も当たり前の言葉にも思いをこめて、家族と触れあってみてください。しあわせな気持ちになりますよ。
今月の普及誌『白鳩No.107』も大変参考になりますので、合わせてご覧ください。また、全国で開催されています生長の家の「母親教室」へのご参加を心よりお待ちしています。