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谷口雅宣先生著『生長の家ってどんな教え?―問答有用、生長の家講習会』
谷口純子先生著『平和のレシピ』
子育てをしながらでも、キャリアを積み重ねたり、父母会や地域の役員、ボランティアなど勢力的に活動をしながら、輝いている女性もいますね。あれもこれも完璧にやらなくてはと思うと身動きがとれなくなってしまいますが、何を大切にするかということが明確であれば、自分自身も楽しみながら、時間をやりくりして大切なものを生かしていけるのではないかと思います。
働くことは、収入を得る、人や社会のお役に立つ仕事をしたいなど、さまざまな理由によって働きますが、働くというのは「はた(他)を楽にする」こと、「他のためになり、喜んでもらえる」ことですね。また、職場の中で自分に与えられた役割や人間関係を通して能力は開発され、心も磨かれ、魂も成長します。ですが、仕事となると時間的な制約をうけることも確かです。“心のゆとり”を失って、家庭での役割がおろそかになりがちですが、当たり前の「暮らし」の中にある、子育て、家事、家族の世話など今、目の前にあることに感謝の気持ちを込めて行うことも尊い仕事です。
特に子育ては、今の一瞬一瞬が大切な時間です。母親はその役割として、家庭という環境の中でしか表現できない神様の愛を家族一人一人に表現する役割もあります。女性として、妻として、母として、様々な立場をとりながら、生きていきますが、どんなときも感謝の心を忘れずに表現していくことが大切なことだと思います。今月は、「仕事と子育てをいきいきと」、「向上し続けて生きる」ためのヒントをお伝えできたらと思います。
「ありがとう」の気持ちを伝える
生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、御著書『平和のレシピ』に、次のようにお書きくださっています。(53頁)
私たちは普通、他人から何かしてもらった時、丁寧に感謝の言葉を述べる。ところが、家族――特に夫婦の間では、「してくれるのが当然」と思って感謝するのを忘れがちだ。それは一種の傲慢(ごうまん)なのである。夫婦関係がどんなに険悪な場合でも、感謝と讃嘆の言葉だけで、二人の心の膠着(こうちゃく)状態は春の日差しを浴びるように解けていく。そのためにはやはり意識して、言葉を使うことが肝要だ。
忙しいとついつい、相手に対する不足の思いやマイナスの感情でいっぱいになることがありますが、仕事を持ちながらも夫婦や家族と協力していくためには、お互いに相手に対する感謝の思いや子供には「愛している」ことを言葉に出して表現することが大切ですね。
「ありがとう」「おつかれさまでした」「いってらっしゃい」「おかえりなさい」「おはよう」「おやすみなさい」そんなあたり前の言葉の中にも、ねぎらいや感謝の気持ちを添えて伝えましょう。いくら心の中で思っていても、表現しなければ、相手には伝わりません。特に幼い子供は「愛されている」という思いに満たされるとき、幸せを感じるものです。忙しい中でも、子供を抱きしめたり、ニッコリ笑って「あなたは大切な宝物」という思いを伝えることはできますね。また、一週間に一回は、家族で楽しく食事をするとか、工夫して子供の心に向き合うことも大切なことです。
「ありがとう」のたったひとことでも、心からの感謝をこめれば、その言葉は祈りとなり、光のエネルギーとなって、相手にも伝わり、周りの世界も変わっていくことでしょう。
心の向きを整える大切な時間
子育て中は、仕事、家事、育児とめまぐるしい日常を送る中で、どうしても目に見える子供や家族のすがたに心は動き、右往左往してしまいます。うまくいかないときは、一日中イライラしたり落ち込むこともありますね。
生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、御著書『平和のレシピ』に次のようにお書きくださっています
その要(かなめ)になるのが「朝の時間」である。特に、朝の目覚め直後の時間は、その日の方向を決めるといっていい。だから、その時間に行う瞑想は、私たちの人生に大きな影響を及ぼす。目覚めた直後は、意識は現実世界の様々な煩(わずら)いに比較的左右されないから、人間のいのちの奥にある〝善〟を導き出すには、大変有効である。瞑想は、その善なるものを、意識の道しるべとして据(す)える働きをする。
清々しい朝の時間に、世界と自分との好ましい姿を心にしっかり描くことにより、進むべき人生の方向が見えてくる。その人の心の傾向も変化するだろう。そういう〝進路確認〟の作業を集積していくことで、私たちの人生は正しい軌道に乗っていくのである。(『平和のレシピ』18頁)
私達は、どうかすると目の前の出来事を通して、心配したり、不安になったりしますが、神さまが創造された「ほんとの世界は、善のみ、善きことのみの世界」ですから、神さまの善なるほんとの世界にある明るい善いコトバを使う習慣を身につけていくと、周囲の環境も明るい善きものがあらわれてきます。
そのために、家族が起きてくる前にちょっと早起きをして、一日の初めにお母さん自身が心の方向を善なる神様に合わせる時間を持つことをおすすめします。テレビのチャンネルを合わせるように自分の望ましい状態、善きこと、好ましいこと、喜ばしいことに心のチャンネルを合わせるのです。生長の家では、神想観という瞑想法がありますが、神様のお創りになった善のみの世界に素直に心を合わせる練習をして、清々しい朝の時間にお母さんの心の向きをしっかりと光の方向にむけるのです。
お母さん自身が「私は神の子」の思いを深くし、自分の善なる姿、夫の善なる姿、子供の善なる姿、職場の善なる姿をしっかりと心に描き、常に神様の大いなる愛の中にあることを信じ、「素晴らしい今日をありがとうございます」と感謝する一日から始めると心も明るく、家族にかける言葉もきっと優しく明るいものになるでしょう。
この世界には「類を以て集まる」「認めたものが現れる」という心の法則がありますから、そのような「明るい心」は、明るい事物を引き寄せ、健康や幸福や繁栄を持ち来すことでしょう。
『日時計日記』を活用して、喜びの心を満たしていく
日常の生活の中で、何を大切にして生きるか、仕事では何を大切に優先するか、毎日やることなど、ふだん言葉にすることや意識することはないかもしれませんが、そんな日常で大切にしていることや、家族への感謝の言葉、大切に思っている子供への思いや、守っていきたいこと、嬉しいこと、自分が気持ちよく暮らしていくためのスケジュールや夢や希望なども、『日時計日記』に書いてみることで、心にはっきりと目標ができ、やるべきことを知り、やったことなどを確かめることができます。そして、できたことのひとつひとつの自分を認め喜ぶ毎日を過ごしていくと、喜びが心の中に満ちてきます。なんとなく過ごしていた日々の時間を大切に丁寧に生きることで、しあわせな気持ちを味わいますし、心に余裕ができますね。
生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、御著書『平和のレシピ』に次のようにお書きくださっています。
人格は普段の生活がどうであるかという、小さな行いの積み重ねによって作られていく。人に親切をし、社会のためになることをしようと心がけ、実際にそれを行い、また、すべてのものに感謝する生活を続けていると、やがて人の雰囲気に変化を及ぼし、しだいに高貴な人格が形成されていく。日々の生活をおろそかにしないことが基本である。このような生活法を、生長の家では「日時計主義」と呼ぶ。(『平和のレシピ』33~34頁)
「向上したい」「こうなりたいな」という思いが、ただ漠然とあるだけでは、向上し続けて生きるのは難しいかもしれません。自分が人生の主人公となって、めんどうなことでも小さなよい行いを積み重ねたり、相手のことを思い、思い切って行動に移してみたとき、不思議と「嬉しい思い」が湧いてきたり、たとえ「思い」がともなっていなくても、それを乗り越えてやり続けていくと、新しい自分を発見して「できた」という嬉しい思いがわいてきます。たとえ失敗することがあっても、その経験を生かして自分や、社会のためになることを積み重ねていくことで、より豊かな成長した自分に出会えるでしょう。
生長の家総裁・谷口雅宣先生は、御著書『生長の家ってどんな教え?』の中にこのようにお書きくださっています。
特別なことをしなくても、少しものの見方を変えてみる。人生のもっと積極的な面に注意を向けてみる。物事を得よう得ようと思わずに、与えてみようと思う‥‥‥そうすると、人生にはこのままでもいろいろな善いもの、素晴らしいものがいたるところに転がっている。それが見えてくるし、感じられる。(85頁)
夫や子供がいること、仕事があること、生きていること、有り難いことや、恵まれていることを探しだしてみると、善いものは私たちの周りにたくさんあることに気がつきます。仕事ができるということは、自分が健康であればこそ、家族が健康であればこそできることです。その思いを『日時計日記』に書き込み、感謝に変えて、お互いに支え合い、与え合いながら、どんな場合でも、どんな小さなことの中にも、「楽しみ」や「よろこび」をみつけながら生活していくと、いきいきとした気持ちのよい毎日を送ることができるのではないかと思います。
生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生ご監修の2019年版『日時計日記』が発刊されました。とても素敵な表紙です。2018年版『日時計日記』とともに、楽しくご活用ください。
毎朝 『私は最高にしあわせです』と鏡の前でニッコリほほえみましょう
お母さんの笑顔は家族を元気にします!鏡の前で「私はしあわせ!」「私って素敵!」誰も代わることのできない、かけがえのないあなたは、素晴らしいのです。『日時計日記』にお母さん自身の讃嘆の言葉を書いてください。自分の心がふさいでいるようなときにこそ、ニッコリほほえんで、心を切り替えましょう。
おやつを手作りしてみる
お菓子やジュースを毎日買って食べるとなると、けっこう高くつきますし、添加物も気になります。少し、手間もかかるかもしれませんがお母さんの手作りのおやつは子供にとってしあわせで嬉しいものです。小さなお子さんとは、簡単なおやつを一緒につくって楽しさや喜びを味わうのもいいですね。さつまいもやかぼちゃでも家にあるものを使って、簡単なおやつをつくってみてはどうでしょう。
《 ♫さつまいも(1本)ゆでてつぶす。片栗粉(さつまいもの半分ぐらいの量)をまぜて、耳たぶぐらいのかたさになったら、小判形にまるめ、フライパンに少量のバター(または、油)を溶かし、両面を焼いたら出来上がり。黒糖やきび砂糖をふりかけても。塩味もおいしいです♫ 》
そう、お母さんの愛情もそえてくださいね!
さて、今月の普及誌「白鳩No.104」も大変参考になりますので、あわせてご覧ください。また、全国で開催されています生長の家の「母親教室」へのご参加を心よりお待ちしています。