テキスト
谷口雅宣先生著『生長の家ってどんな教え?-問答有用、生長の家講習会』
『神さまと自然とともにある祈り』
谷口純子先生著『平和のレシピ』
今日、青い空を見上げてみましたか?美しい月をみましたか?
今は、速いこと、効率の良いことがよいとされている世の中の傾向の中で、子育てにおいても速くから教育をして、お稽古事をしてと、あふれる情報の中でもっとはやく、他より良いものをと大人だけではなく、子供まで忙しくなって、空を見上げることもないかもしれませんね。自然の恵みに感謝しながら季節のしるしを子供の心に残し、ゆっくりと子供との時間を味わってみるのもいいですね。今月のテーマは、「子供はみんな天才」「どんどん伸びる子育て」です。
どの子の中にも無限に伸びる素晴らしさがある
生長の家では、人間は本来「神の子」であって、一人ひとりがその子ならではの個性ある無限の可能性を持って生まれた尊い存在であると考えます。「天才」というと、ごく限られた人だけに与えられている才能だと思われるかもしれませんが、神様は、人と比べる事の出来ない天賦の才能を一人一人の中にその子の個性として与えてくださっています。その天賦の才能が、どの方向に伸びるかはその子の個性を通して発揮されますから、花の種類や花を咲かせる時期がそれぞれ違うようにみんな違います。ですから、今の目の前の子供の状態を見て、成績が悪いとか、身体が弱いようであっても、その子の内に宿っている「かけがえのない世界でたった一つのその子の善さ」天賦の才能を疑わずに信じつづけ、よいところを認め讃嘆していくと、子供は自信を持つようになり、心も明るくなってきますから、よいところがどんどん伸びていきます。
生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生はご著書『平和のレシピ』に次のようにお書き下さっています。
その条件の第一は、まず本人が自分の可能性を認め自信をもつことである。現状が自分のすべてだと考えずに、努力によって現状はいくらでも変えられ、自分は必ず進歩する、と信じることだ。そうすれば意欲がもりもりと湧き、自分の目標に一所懸命に集中できる。それに加えて、周りの人々の応援も大きな条件となる。特に本人の親が、その人をどう見るかは重要だ。(102頁)
自分でも、子供でも、だれでも、自分のなかに「無限の可能性」がすでにあっても、それを自覚しないと出てこないし、使うこともできません。それはちょうど、ポケットの中にお金が入っていると知らなかったら、使えないのと同じですね。どの子の中にも神の子としての、無限の可能性があることを信じることから、教育は始まります。
無限の可能性を引き出すコトバの力
どの子にも一人の例外もなく神の子の素晴らしさがあることを、親が信じきってコトバの力で認めてほめて引き出し伸ばすのが生長の家の教育法ですが、心の中で「出来ないダメな子だ」と信じて、よくしようと思って「素晴らしいね」といくらほめてみても子供には通じません。ですから、子供をどう認めているかというお母さんの「心の想い」はとても大切になります。
善い子、悪い子、勉強をしない子、子供の姿は、親が心で認め、「この子はこういう子だ」と心に強く信じているとおりに現れます。ですから、悪いところを認めながら、悪いところを良くしようと思っても、お母さんが悪いところを認めている限り、それはよくなりません。目の前にいる子の姿がたとえ「悪い」ように見えていても、子供の本当の姿は神の子であり、素晴らしいのであると信じて心の目でほんとの子供の相(すがた)を観る練習をするのです。「信じよう」と思っても簡単に信じることはできませんが、生長の家では、神想観という生長の家の瞑想法がありますますので、「神様から授かった、素晴らしい神の子である」と実相のほんとのすがたを、心の目で観る練習を重ね、信念を深めることです。
(生長の家前総裁・谷口清超先生著『神想観はすばらしい』などご参考ください。)
そして、やさしい言葉で、その子の善い点をほめたたえて、「あなたにはこんないいことがあるね」とその子の善さに気づかせ、自覚させてあげると、子供自身も心が明るくなって、善い点がどんどん引き出されてきます。当たり前と思っているところも、もっともっと意識して、遠慮なく、どんどんほめることです。
子供の美点を見出してほめ讃え、自信を持たせる言葉をどんどん使っていますと、自己肯定感が生まれ、「私には(子供には)、素晴らしい力がある!できる!!」という信念ができ、明るい心で進んで努力するようになります。
特に幼い子供は、お母さんの表情をよく見ています。よい表情と一緒に讃嘆の言葉を与えると子供は嬉しくなり、ほめる方向にどんどん伸びていきます。
ですが、その子の才能がすぐに出てくるとは限りませんし、失敗することもあるかもしれません。すぐに結果がでることだけを求めすぎないように、どんな失敗も成長する過程であると努力する過程を大切にしてあげましょう。
生長の家総裁・谷口雅宣先生は御著書『生長の家ってどんな教え?』に、次のようにお示しくださっています。
これは、人生の失敗を見るのではなくて、成功しているところを見る。悪ではなく善に注目する生き方のことです。それを通じて、この自分の本質が仏であり神の子であるという自覚に近づくのです。さらには自分だけでなくて、他の人もすべての人々が皆、仏であり、神の子であるという〝観の転換〟を図るのです。そうすることで、この現象世界は「唯心所現」の原理が働いて、善の方向へと表現が進行していくことになります。もちろん、善を表現するときには、うまくいかないときもあります。しかし、生長の家ではそういう場合、「実相」と「現象」をはっきり分けるものの見方によって、どんな困難に遭遇しても絶望しないで生きていくことができる。なぜなら、人間は皆、実相においてはすでに〝仏〟であり〝神の子〟だからです。(49~50頁)
現象的には今、目の前の子供の姿の中に、素晴しさが現れていなくても、その奥にある実相のほんとの姿を信じることができると、明るい希望をもって子供を応援していくことができますね。「人間は神の子であり、この子には素晴しい力がある」という親の厚い信頼と愛情が、子供の頑張る力、努力する力につながり、内在している、無限の可能性を引き出していきます。成長の過程では、どんなに〝絶望的〟と思うことがあっても、〝希望〟は常にあります。何故なら、「人間は神の子である」ということほど、素晴らしい〝希望の種〟はないからです。
この、自分には「無限の可能性」があり、「自分ですばらしい、幸福な人生を、きずきあげる力がある」という、信念を与えることは、子供にとって何を与えるよりもしあわせで大きな財産となることでしょう。
子供の想像力を養う
親にとっては何でもないことでも、子供は不思議に思ったり、おもしろいと思ったり、ビックリしています。「そんなこと当たり前でしょ」「うるさいわね」などと云わずに、せっかく、芽生えた子供の芽を摘み取らないように子供の想像力を伸ばしてあげる母親でありたいですね。芸術、科学、文学、技術そのようなものはすべて驚異する心から生まれてくるのです。
生長の家総裁・谷口雅宣先生は、『神さまと自然とともにある祈り』にこのようにお書きくださっています。
神さま、私は鳥やけものの愛らしさ、俊敏さ、美しさ、力強さを讃嘆の思いをもって感じます。彼らの存在に荘厳な意義を感じ、彼らとともに地上に生きることを誇りに思います。彼らはそれぞれ人間のおよばない美点を備え、私に神さまの無限の命と知恵がそこにあることを教えてくれます。(26~27頁)
自然界は、美しく、多様性に満ち、神さまの無限のアイデアで満ち満ちていて、ワクワクとした喜びを与えてくれます。
私たちは、常に「神の子」として神さまと自然ともにあることを思い出して、大いなる大宇宙の叡智と一体であることを知ると、そこから無限のアイデアを受け取ることができます。子供の感受性や想像力を大切に、どんな小さなことでも、興味あることや好きなことは自分で満足するまで、見たり聞いたり調べたり努力するようにあたたかく励まして、自然に触れる喜びを味あわせてあげましょう。
子供の持って生まれた個性、能力を見出し、その方向に伸ばしていくには、他の子と比較して、良いとか悪いというのではなく、その子の本来の善さ、特に「好きなこと」は可能性を大きく広げますから、興味関心を応援し、その子の中での進歩を心の底から認めて「あなたにはこんな素晴らしいところがあるね」「今日はこれだけ進歩できたね」と励ましていくと、喜びを持ちながら、努力していけるものだと思います。
季節の行事食を楽しむ
実りの秋は収穫の季節です。その恵みに感謝し、その家庭で受け継がれてきた季節の料理を作ってみてはいかがでしょうか。自然界の大きな営みの中で、いのちが受け継がれ、その季節、その土地でとれるものをいただき、それらのいのちとともに、受け継がれてきた行事食や郷土料理を見直してみましょう。人間の生活が、自然とともにあったことを実感し、生活に潤いやメリハリが生まれます。
あたり前と思っている、家族の良いところをどんどんコトバに出してほめましょう。
『日時計日記』にも、自分や家族のよいところをみつけて書いてみましょう!
書き続けているうちに、心の底から感謝の気持ちがあふれてきます。
その思いをまた、言葉に出して表現してみましょうね。
さて、今月の普及誌「白鳩No102」も大変参考になりますので、併せてごらんください。また、全国で開催されています生長の家の「母親教室」へのご参加を心よりお待ちしています。