・親の願いと子の願い
・父母の役割
テキスト 谷口雅宣先生著 『生長の家ってどんな教え?-問答有用生長の家講習会』
谷口純子先生著 『平和のレシピ』
まだまだ寒い日が続きますが、立春を過ぎると、なんとなく光の春を感じます。寒い冬に耐える樹木にも冬芽を発見し、いのちのぬくもりを感じますね。
さて、今月は、親の願いと子の願い、父母の役割というテーマです。
子供は様々な姿をみせながら、成長していきますが、特に自立心が起こる成長期には、反抗的な態度をとることもありますね。父と母は役割も表現も違いますが子供にとってなによりも嬉しいことは、父と母が仲がよいということです。子供の成長の場を整えるために、子供が健やかに育つぬくもりのある家庭をつくります。
父と母が仲のよいこと
夫婦の仲が悪くて喧嘩ばかりしている家庭か、仲がよい家庭かどうかで、子供の様子はすっかり変わります。幸福な仲のよい夫婦生活を送るにはどうしたらいいでしょう。
生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、御著書『平和のレシピ』の中で、次ぎのようにお書きくださっています。(68~69頁)
「環境が悪い」「相手が悪い」と考えるのは簡単だ。しかし、自分では「相手のため」と考えてした行為でも、自分本位の「相手のため」ということが、人間にはよくある。親の子供に対する愛情にも〝執着の愛〟があるように、夫婦関係でも、自分の尺度で相手を縛っていることは珍しくないのである。
結婚生活の幸せは結局、自分の立場よりも、相手のことを考えるときに生まれると言えるだろう。
夫婦となる魂の関係は、この地上に生まれてからできるのではなく、前世から深い関係にありますから、お互いに似たもの夫婦ということになります。表面的には、全く違っているように見えても魂的には、似ているからこそ、お互いに引き合い結ばれるのです。
そして、結び合った魂は、共同で子供の魂を引き寄せますから、その父と母が不和であると、子供は安らかに暮らすことができません。ですから、父母は何よりも仲良く暮らすことが大切なことになります。でも、忙しいとついつい、「仕事が忙しくて〇〇できない」「育児も家事も私ばかり」「子供がいるから〇〇できない」などストレスがたまると、相手を思いやることもできなくなりますね。
夫婦生活においても、何を大切にするか、どうありたいかを考えると、どうすればいいのかということも見えてくるのではないかと思いますが、どんな理由があっても、両親が争っている雰囲気は子供にとって、悲しく辛いことです。夫婦の争いはお互いの生まれ育った環境の違いを理解できなかったり、自分と同じものを要求したり、強制するところからはじまります。相手に対して、自分と同じものを要求するのではなく、相手のために何ができるかを考え、相手への思いやりと、ねぎらいや感謝の言葉を表現していくことで、温かい関係が生まれるのではないかと思います。夫婦や親子が互いに相手によって生かされているという喜びや感謝の気持ちをもって、母親は、父親を大切に尊敬し、父親は母親を愛し感謝して一つ心になるとき、家庭に秩序が生まれ、調和して、子供は親を尊敬し信頼して成長できると思います。
様々な理由で、父親がいない場合でも悲しんだり、相手を憎んだりするのではなく、子供の心の中にいる父親像として、感謝し尊敬できるように話していくと、子供の心も明るく力強く成長していくことでしょう。子供にとっては、父も母も、両方とも大切な存在です。
自己肯定感を持たせる
人間は「神の子」ですから、どの子も一人一人が素晴らしい力を持っていますが、親の立場から、子供の理想像を描いて、こうでなければいけないという思いがあると、子供の本来の素晴らしさが現れてきません。
子供は色々な姿を見せながら成長していきますが、自立心が起こる成長期においては、親のこうあって欲しいという願いが強いあまり、子供はその思いを束縛と感じ、反抗的な言動をとることもあります。子供を愛しているからこそと「あそこが悪い、ここが悪い」と良くしよう良くしようと思いますが、それでは、劣等感を潜在意識に植えつけるばかりで、子供は本来の良い姿を現すことができなくなります。親は愛しているからこそと思いますが、お説教や口先で欠点ばかりを指摘されると子供は愛されていないと思ってしまい、自信もなくしてしまいます。そんな悲しみや愛されたい思いが反抗的な態度となって現れてくることがあるのです。
生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、御著書『平和のレシピ』の中で、次ぎのようにお書きくださっています。(102頁)
その条件の第一は、まず本人が自分の可能性を認め自信をもつことである。現状が自分のすべてだと考えずに、努力によって現状はいくらでも変えられ、自分は必ず進歩する、と信じることだ。そうすれば意欲がもりもりと湧き、自分の目標に一所懸命に集中できる。それに加えて、周りの人々の応援も大きな条件となる。特に本人の親が、その人をどう見るかは重要だ。
どんなに、不完全に見えてもその子の本質は素晴らしい「神の子」です。子供の言動をとがめることをやめて、どこまでも子供の神性を信じて、「祈り」と「愛語」と「讃嘆」の言葉と温かな家庭生活を営むことによって、やがて反抗心も消えていくことでしょう。
親は自分の思いを相手に押しつけるのではなく、我が子を「神の子」と信じ、その子の個性を尊重して、愛情ある思いと言葉と表情で、その子が持っているいい点を気づかせてあげるように、自分を好きになれるように、自分に自信をもてるように、大きく応援してあげる親でありたいですね。
子供への愛は平等に
子供は、アッという間に成長しますが、小さい頃の教育や育て方は、後々までも影響するものです。子供には、明るく素直であってほしいと、親なら思いますが、そのために一つ大切にしていただきたいことがあります。
それは、兄弟を比較したり、差別しないことです。子供たちには、それぞれの個性がありますから、学校の成績やその他の表面的な能力には差があり、全然違います。お兄ちゃんはこうだったのに、〇〇ちゃんは」「お姉ちゃんはこうだったのに、〇〇ちゃんは」という言葉は、あまり良い結果をうみません。その違いを、「よい」「悪い」として見るのではなく、それぞれがかけがえのない「神の子」の個性として現れている良い点が必ずどの子にもあります。その子のいのちを礼拝し、その子の「かけがえなさ」を、同じように愛し育ていきます。家庭の中で、子供がありのままの自分を無条件に愛してくれる人がいるということは、子供にとって何より嬉しく、努力する勇気が湧いてくるものです。
生長の家総裁・谷口雅宣先生は、御著書『生長の家ってどんな教え?』に次のようにお書きくださっています。(111~112頁)
本当にあるものは実相世界で、それはすでに完全円満なんだから、「偽象」に注目するのではなくて「真象」に注目していけば、それが徐々に表現されていく―そう考えます。人々の良い点や社会の良い方面に心を向けるのです。失敗しているところではなく、成功している点を認める。(中略)悪は「善の非存在」の状態だから、何かがそこに存在するのではない。だから、「悪い、悪い」といってそれを攻撃しても、何かがなくなるのではなく、別の悪い状態が現れるだけだ。そうではなくて、そこにある善を引き出し、別のところにある善も拡大していったら、そのうち悪はなくなっていってしまうというのが生長の家の考え方なんですね。
日常の中では、ついついキツイ言葉をかけて、寝顔に向かって謝ったことも、度々あるのではないかと思います。でも、夫婦としても親子としても練習中です。いつもいつもうまくいくとは限りませんが、夫婦関係や家族の中で色々なことを経験しながら、学び合い、成長させていただきます。そのことは、とても有り難いことなのです。
お母さんの心の焦点を善なるものに合わせるために、三正行(神想観・聖経読誦や生長の家の本を読む・愛行)を続け、『日時計日記』に、自分自身やその子の善さをみつけて書いてみてください。毎日続けることによって、お母さんが「わが子は神の子」という信念が深まり、心が明るくなり、その子の良さに気づき、その子にふさわしい言葉をかけられるようになります。
何よりも「生まれてきてくれてありがとう」「お母さんにしてくれてありがとう」という感謝の気持ちで、しあわせな子育ての時間を大切に過ごしていきたいですね。
生ゴミを堆肥にしてみる 「ダンボールコンポスト」
水分を多く含んだ生ゴミの処理には、たくさんのエネルギーを使い、二酸化炭素が排出されます。家庭の生ゴミも、「ダンボールコンポスト」によって、栄養豊富な肥料になり、ゴミも減ります。家庭菜園にも使えますね。
大きめのダンボールの底を2重に補強する。ダンボールにピートモスと籾殻くん炭を
3:2の割合で混ぜ、その中に毎日でる生ゴミ(小さくするほど分解が早まります)を入れてよく混ぜる。混ぜ終わったら虫除けのカバーをかけてひもで綴じる。
生ゴミを入れない日もなるべく混ぜ、いっぱいになったら、フタをして密封し、2カ月程度軒下などに置いておくと、栄養豊富な堆肥が出来上がります。
家族と握手をしましょう。笑顔と讃嘆のコトバをそえましょう。
ニッコリ笑って、「いってらっしゃい!」「おかえりなさい!」の言葉を気持ちよく交わして、家族と触れあってみてください。しあわせな気持ちになりますよ。
今月の普及誌『白鳩No.95』も大変参考になりますので、合わせてご覧ください。また、全国で開催されています生長の家の「母親教室」へのご参加を心よりお待ちしています。