WEB版母親教室

2017.12 「○子供の心を豊かに育てる  ○子供の感性を育む」

2017年12月27日  

テキスト

『生長の家ってどんな教え?』谷口雅宣先生著

『平和のレシピ』      谷口純子先生著

都会では、クリスマスのイルミネーションが町を飾っていますが、森の中の冬の夜空は、凜とした空気の中の星々の美しさに感動します。あたたかくして、子供と一緒に冬の夜空を見上げてみるのもいいですね。

 

自然に触れる経験を子供たちに

 

よく、子供の心を豊かに育てましょうといいますが、どうやって心を育んでいけばよいのかと考えてしまいますね。最近、物事に集中できない、落ち着きがなくじっとしていられない、友達とうまく遊べないという子供たちの問題を耳にします。それは、子供の問題というより、社会のあり方や価値観など、色々なことが絡み合って起こっていることで、難しい問題ですが、その背景にあるもののひとつに自然に触れることが少ないことがあげられています。子供の成長過程において、必要なものや必要でないものを見分けることは親として、大切なことですが、情報が多すぎて、何をどう選んでいいのかもわからない時代ですね。暮らしや食生活、遊び場、遊びの変化、生き方の価値観などさまざまです。子育て真最中のお母さんにとっては、インターネットやゲームの影響も気になることかもしれません。現代の生活は、冷暖房完備の住まい、豊かで便利で、スイッチひとつで、さまざまなものが、すぐに手に入り、親自身も、辛抱したり、待ったりする生活を送っていないような気がします。物があふれている豊かな社会はどんどん自然から遠ざかり、一歩も外に出なくても、友達や、町の様子までわかる時代で、すべてのものが、画面の中で操作できると錯覚してしまいそうです。

 

 

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、御著書『平和のレシピ』に次のようにお書きくださっています。(131~132頁)

森ではドングリを拾ったり、探検をしたり、そして何よりも夢中になったのが川遊びだった。網やザルを持って水草の下をゴソゴソとつっつくと、川エビやメダカ、ウナギなどが入って跳ねるのを見て、私はワクワクした。ウナギといってもほんの稚魚で、私たちは「糸鰻」と呼んでいた。メダカは家に持って帰って池で飼い、他のものは食べるわけでもなかったが、私の目の前で生き物が動くそのことが面白かった。

 春には水辺でセリが採れ、森ではウドがとれた。たまにそのような山菜を持って帰ると、両親が喜んでくれるので、子供心にうれしかった。(中略)

 今から五十年ほど前の当時でも、春には山菜、秋にはキノコ狩りをするような家庭は、そんなに多くなかったと思う。そういう意味では、両親が私に自然と触れ合う機会を多く与えてくれたことに感謝している。

 

子供の頃、自然に触れたときの感覚、季節とともにある「恵み」「におい」「味」はいくつになっても、いきいきと心の中に思いだされるものですね。そして、心の中にあるその風景は、懐かしさとともに、いつも私たちの心を癒やしてくれる何かがあります。身近な自然と多く触れあい、五感をふる活動して全身を使って遊ぶことは、子供の身体的、精神的な健康にもよい影響を与え、さらにはもっと知りたいという知識の種を心に蒔くことになるかもしれません。是非、親子で自然に触れる機会を多く持って、見過ごしていた自然の中にある「かけがえのないいのちの尊さ、美しさ」を感じでみてください。そして、そのような目で、家族にも目を向けてみてください。その子ならではのよさに気づくかもしれませんね。都会に住んでいると、葉っぱ一枚も、緑一色しか思いださないかもしれませんが、冬の木立の姿や、地面に落ちた葉の色など観察するとさまざまな色や形があることに気づきます。小さな図鑑を手にして探してみると、「へぇ~」と思うような出会いが沢山あることでしょう。また、自然の中では、あらゆる生き物が互いに関わり合いながら生きています。土の上に優しく落ちた葉は、微生物が分解し、土に還って新しいいのちを育んでいくことを伝えることもできます。そのようなことは、すぐに結果がでるものではありませんが、子供の心を豊かに育み、その自然の循環の中で暮らさなくてはいけないことを、お母さん自身も気づくきっかけになるかもしれません。子供たちが、心豊かに能力を発揮するためには、豊かな自然があることが何より大切なことなのです。

 

伝統行事を暮らしに取り入れてみましょう

 

日本人は、昔から、神とは自然そのものであって、人間も自然の一部という自然観にたって、自然を愛し、全てのものの中に神のいのち、仏のいのちを感じながら、自然の恵みに感謝する心を持って生きてきました。暮れから、お正月にかけての行事にはそのような、神と自然と人間の関係が密接にあることを思いださせてくれる地域の伝統行事が多くあるのではないでしょうか。お正月さまを迎えるために、家族で家を掃き清め、注連飾りや門松、鏡餅を飾り、新しい年を迎えます。元日には、初日を拝み、初詣をして、神にお供えしたものと同じものを私たちもいただき、神との一体感をもって、その年の一年の幸せを願ってきました。子供の成長とともに、伝統行事を通して、節目節目を大切に演出して、子供の心に印象づけ、大いなる神さまのいのち、ご先祖様のいのちとともにあることを伝え、目先のものばかりに心を奪われない豊かな心を養っていきましょう。

 

美しいこの星に生まれた幸せ

森の中に入って、深呼吸をすると、空気のおいしさを感じます。

おいしい空気はきれいな空気ですが、その空気を作っているのはいったい誰でしょうか。

植物の中には、葉緑素というのがあって、それが二酸化炭素を吸収して、酸素に変えてくれるので、私たちは、その酸素をいただいて生存できます。動物は、体内で酸素を燃やして二酸化炭素に変え、その二酸化炭素をまた植物が取り込み、酸素に変えてくれることで、ごく最近まで、植物と動物はうまく共存していました。それが今では、人間の活動によって植物が吸収しきれないほどの大量の二酸化炭素を排出するようになり、地球の大気中の二酸化炭素の濃度が上昇しつづけていることが、地球温暖化の最大の原因になっています。

 

生長の家総裁・谷口雅宣先生は、御著書『生長の家ってどんな教え?』にこのようにお示しくださっています。(226頁)

「地球」という宇宙でもまれなこの惑星は、自分の周りに「大気圏」という特殊な防護膜を作っている。そこには、地球でなければ見られない独特の原子の組み合わせからなる「大気」があって、地球上の生物はそれに護られて生きている。では、その大気を誰が作っているかというと、それは動物と植物、そして菌類なんです。人類が地上に現れてくるはるか以前から、人間以外の生物種が協力してこの特殊な「大気」という防護膜を作り上げてくれたおかげで、人類の現在はあるわけです。大気圏から一歩外へ出れば、周りからたくさん降り注いでいる宇宙船があるけれども、これをカットする独自のシステムを人類以前の生物が作り上げてくれたのです。

 これは、地球の自然界の傑作のひとつです。

 

地球上の生物が、何十万年、何百万年もかけて作り上げてくれたこの地球のシステムの奥に、神様の無限のアイデアと創造の不思議さ、神秘さを感じますね。

生長の家では、すべてのいのちは「神様のいのちにおいて一体である」と教えていただいていますが、すべてのいのちが、かかわり合いながら互いに結ばれていて、ひとつに繋がり、いのちが循環しているその尊さを思うとき、どんなに小さな生物も、大地も植物も動物もなくてはならないかけがえのない存在であることに気づかされます。そこには、絶妙なバランスで生態系が築きあげられ、そのバランスが延々と安定を保ち続けてくれたおかげで私たちはこうしてこの地球という星で生きることができています。私たちは、なんと多くのいのちに支えられているのでしょうか。

そのようなことを、日々意識して感じることはないので、私たちの生活が、この素晴らしい自然界に支えられているということに気づかないでいますが、多くのいのちに生かされている私たちのいのちを思うとき、私たちも他を生かす神の子のいのちとして生きたいと思います。

 

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、ご著書『平和のレシピ』に次のようにお書きくださっています。(131~132頁)

いつごろから〝使い捨て〟の生活に変わったのか。たぶん、経済成長礼賛のおかげだ。現在の地球は、そこに棲(す)む生物同士が協力して、地球上で全てを賄(まかな)っていかなくてはならない。そんな実感はないかもしれないが、現実には森はなくなり、資源は減り、人口は増え続けている。使い捨てをするような余裕はないのである。

ものをいつくしみ、大切に使う生活をぜひ取り戻したい。それは、自分たちがこの地球で生きていくために必要な文化なのだ。

 

子供の頃に自然に触れ、自然の中で遊び、自然の素晴らしさ、優しさを実感した子供達は、大人になってもきっと、自然を大切にしようと思うに違いありません。

大自然を愛し、ものを慈しみ大切に使う心は、「神の愛」と「人の真心」を生かす大調和の心ですから、幸せで豊かな人生を引き寄せるに違いありません。

 

  • 子育ての中の「食」の大切さを伝える

買いすぎない、持ちすぎないを心がけ冷蔵庫の中を整理してみる

年末年始の準備にも買いすぎていないか、持ちすぎていないか、冷蔵庫の中を整理して、ほんとに必要なのか考えて購入するといいですね。「すべては神のいのちの現れである」ことを意識してムダにしないよう、心がけてみましょう。そんな、小さな習慣の積み重ねがあなたや家族の人生を素敵にします。

 

  • やってみましょう-『日時計日記』を書きましょう-

環境に優しいエネルギーを応援しましょう

日本では、東日本大震災での教訓を忘れたかのように、経済優先の政策のもと原発の再稼働がすすめられ、原子力エネルギーに依存する“古い文明”を存続させようという強い動きが見られます。現代を生きる私たちは、エネルギーの選択においても、次世代に生きる人々と分かち合えるエネルギーなのか。その選択の先に何が残るのか。ひとりひとりが自分で考え行動することが必要ですね。未来世代に放射性廃棄物のような負の遺産を残す原発に頼るのではなく、すべてのいのちに優しい自然エネルギーを応援していきましょう。生長の家は、“自然エネルギー拡大運動”に積極的に取り組んでいます。

https://www.jp.seicho-no-ie.org/naturalpower/

 

2018年版『日時計日記』は、お手元にご準備できましたでしょうか?素晴らしい2018年を心に描き、来る年が、あなたにとって、輝く一年となりますようお祈りいたします!さて、今月の普及誌『白鳩No.93』も大変参考になりますので、合わせてご覧ください。また、全国で開催されています生長の家の「母親教室」へのご参加を心よりお待ちしています。