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谷口雅宣先生著『生長の家ってどんな教え?-問答有用、生長の家講習会』
谷口純子先生著『平和のレシピ』
9月はお月様の美しい季節ですね。今年の仲秋の名月は10月にずれこんでいるようですが、たまにはゆっくりとまん丸いお月様をながめてみてはいかがでしょう。今は、速いこと、効率の良いことがよいとされている世の中の傾向の中で、子育てにおいても速くから教育をして、お稽古事をしてと、あふれる情報の中でもっとはやく、他より良いものをと大人だけではなく、子供まで忙しくなっています。
仲秋の名月には、お月様におだんごとススキを供え、自然の恵みに感謝しながら季節のしるしを子供の心に残し、ゆっくりと子供との時間を味わってみるのもいいですね。
どの子の中にも無限に伸びる素晴らしい天賦の才能がある
子供はどの子にも、その子の中に個性ある無限に伸びる素晴らしい天才を必ず持っています。天才といっても、学力の優秀であるこという意味ではありません。この世にひとつしかないかけがえのない尊いもの、神様は、人と比べる事の出来ない天賦の才能を一人一人の中にその子の個性として与えてくださっています。その天賦の才能が、どの方向に伸びるかはその子の個性を通して発揮されますから、花の種類や花を咲かせる時期がそれぞれ違うようにみんな違います。ですから、今の目の前の子供の状態を見て、成績が悪いとか、身体が弱いようであっても、その子の内に宿っている天賦の才能を疑わずに信じつづけ、よいところを認め讃嘆していくと、いくらでもよくなっていきます。
生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は『平和のレシピ』に次のようにお書き下さっています。(101頁~102頁)
人は皆、〝無限の可能性〟を秘めた偉大な存在だと考えるのが、生長の家の人間観である。
オリンピックで活躍する選手などは、この〝無限の可能性〟の実現に向かって厳しい練習を重ね、古い〝限界〟であった自己記録を更新していく。一般的には、それらの人々には、もともと特別な資質があり、それに加えて環境に恵まれたおかげで初めて他人にはマネできない記録を生み出した、と受け取られがちである。けれども、生長の家では「すべての人」に無限の可能性があると説くのである。
オリンピックや世界規模のスポーツ大会で素晴しい技を披露する選手たちを見ていると、人間の持つ無限力をひしひしと感じますが、これらのごく限られた人だけが「天才」なのではなく、「すべての人」に無限の可能性があると考えるのが生長の家の人間観です。ですから、どの子もまた、どんな障害を持った子であってもその子の中には、その子でなければならない、神の子の素晴らしさが無限に宿っているということをまず心の中にしっかりと認めることが大切です。そうでないと、目に見えている状態が子供の本当の姿だと錯覚して「欠点や足りない点」ばかりを見つめてしまいます。
無限の可能性を引き出すコトバの力
どの子にも一人の例外もなく神の子の素晴らしさを、親が信じきってコトバの力で引き出し伸ばすのが生長の家の教育法ですが、心の中で「出来ないダメな子だ」からと信じて、よくしようと思って「素晴らしいね」といくら誉めてみても子供には通じませんし、「信じよう」と思うだけでは、信念になりません。
その子供の実相(素晴らしいほんとのすがた)を信じるためには、目の前の子供の姿(現象)にとらわれないで、素晴らしいほんとのすがたを信じて観る練習をすることが大切です。それで、生長の家では、三正行(神想観、聖経・聖典の読誦、愛行)の実修をすることをお勧めしています。
子供を無条件に「神様から授かった、素晴らしい神の子である」と実相のほんとのすがたを信じ、心の目で観て信念を深め、真理の書かれた書物を読むことによってその理解を深め、表情や行動にその思いを現わしていくのです。
日々、神想観(生長の家の瞑想法)の中で、子供の素晴らしいすがたを心の目でじっとみつめ続け、子供の美点を見出してほめ讃え、自信を持たせる言葉をどんどん使っていますと、その子の「神の子」のイメージが親の心の中にも子供の心の中にもしっかりとインプットされて、「私には(子供には)、素晴らしい力がある!できる!!」という信念ができ、明るい心で進んで努力するようになります。
また、子供の持って生まれた個性、能力を見出し、その方向に伸ばしていくには、他の子と比較して、良いとか悪いというのではなく、その子の本来の善さ、特に「好きなこと」は可能性を大きく広げますから、その子の中での進歩を心の底から認めて「あなたにはこんな素晴らしいところがあるね」「今日はこれだけ進歩できたね」と言葉や態度で表現していくことです。特に幼い子供は、お母さんの表情をよく見ています。よい表情と一緒にそのような言葉を与えると子供は嬉しくなり、ほめる方向に喜んで成長していきます。
そのような、よい思いとよい言葉とよい表情を繰り返し繰り返し表現していくと、家庭の中も明るくなり、楽しくなり、そのような家庭で育つ子どもは自然に素晴らしくなります。
親は裁判官ではなく応援団に
生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、『平和のレシピ』の中で、次のようにお書きくださっています。(102~106頁)
その条件の第一は、まず本人が自分の可能性を認め自信をもつことである。現状が自分のすべてだと考えずに、努力によって現状はいくらでも変えられ、自分は必ず進歩する、と信じることだ。そうすれば意欲がもりもりと湧き、自分の目標に一所懸命に集中できる。それに加えて、周りの人々の応援も大きな条件となる。特に本人の親が、その人をどう見るかは重要だ。(中略)
子供に内在する可能性を引き出すためには、親も生半可な覚悟ではいけない。温かい励ましの言葉はもちろん重要だが、ここ一番という場面では、妥協を許さない厳しさ、そして子供への絶大な信頼の表明が必要だ。その時、子供の中には全力投球する力が湧いてくる。
ちょっとぐらい人よりも遅いとか、失敗して遅れたといって、駄目な子と決め込まないでください。歩みが遅いようでも、たゆまず努力を続けていくと、大きな進歩をなしとげることができます。そこで大切なことは、子供自身が「頑張ってやるぞ」という〝やる気の心〟をおこさせることですね。いつもいつも注意ばかり受けていると、自分の願い事が叶わなかったり、ちょっと失敗すると、すぐ悲観して、自分は駄目だと思う子になってしまいます。常に自分には「やればできる無限の力」があることを信じて、努力できるように、励ましの言葉や、子供が関心を持った事を楽しくできるように、親にもゆったりとした気持ちで、信じて待つということも大切ですね。勉強している時も、学校へ行けないときも、反抗しているようにみえる時も、頑張っているときも、失敗したように見える時も、無駄なことはひとつもなく、さまざまな体験を通して親も子供もとともに学び成長していきます。
生長の家総裁・谷口雅宣先生は御著書『生長の家ってどんな教え?』に、生長の家創始者である谷口雅春先生の時代からずっと唱えてきた「日時計主義の生き方」について、このようにお示しくださっています。(49~50頁)
これは、人生の失敗を見るのではなくて、成功しているところを見る。悪ではなく善に注目する生き方のことです。それを通じて、この自分の本質が仏であり神の子であるという自覚に近づくのです。さらには自分だけでなくて、他の人もすべての人々が皆、仏であり、神の子であるという〝観の転換〟を図るのです。そうすることで、この現象世界は「唯心所現」の原理が働いて、善の方向へと表現が進行していくことになります。もちろん、善を表現するときには、うまくいかないときもあります。しかし、生長の家ではそういう場合、「実相」と「現象」をはっきり分けるものの見方によって、どんな困難に遭遇しても絶望しないで生きていくことができる。なぜなら、人間は皆、実相においてはすでに〝仏〟であり〝神の子〟だからです。
現象的には今、目の前の子供の姿の中に、素晴しさが現れていなくても、その奥にある実相のほんとの姿を信じることができると、明るい希望をもって子供を応援していくことができますね。「人間は神の子であり、この子には素晴しい力がある」という親の厚い信頼と愛情が、子供の頑張る力、努力する力につながり、内在している、無限の可能性を引き出していきます。
季節の行事食を楽しむ
生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、『平和のレシピ』にこのようにお書きくださっています。(20~21頁)
当たり前の季節の変化であるが、ふと考えてみると不思議なことだ。植物だけでなく、自然界は獣も昆虫もあらゆるものが、太陽と地球の動きと呼応して生きている。人間はどうかといえば、一見して自然の営みとは無関係に生きているようだが、それは表面的なことで、私たちの命もやはり、自然の大きな営みの中で生かされているのである。
四季に恵まれ、たくさんの旬の恵みに恵まれている日本でありながら、現代社会の中では、スーパーに行けば一年中ありとあらゆるものが並べられ、季節感や作物の有り難さを感じにくくなって、人間の生活が自然とともにあり、自然からの恵みのおかげで生きていけるということを忘れてしまします。その自然界の大きな営みの中で、いのちが受け継がれ、その土地の季節でとれるものをいただき、それらのいのちとともに、私たちもご先祖さまから命のバトンを受け継いできました。実りの秋は収穫の季節です。その恵みに感謝し、その家庭で受け継がれてきた季節の料理を手作りしてみたり、お月見だんごをお子さんと作って、受け継がれてきた知恵とともに、お母さんの子供の頃の思い出を語ってみるのもいいですね。
あたり前と思っている、家族の良いところをどんどんコトバに出して誉めましょう。
『日時計日記』にも、自分や家族のよいところをみつけて書いてみましょう!
書き続けているうちに、よいところを見つけることも上手になります。
さて、今月の普及誌「白鳩No90」も大変参考になりますので、併せてごらんください。また、全国で開催されています生長の家の「母親教室」へのご参加を心よりお待ちしています。