【H29.4月】Web版誌友会テーマ 「私の生き方が変わった時」
テキスト 谷口雅宣先生著 『次世代への決断』
谷口純子先生著 『この星で生きる』
『白鳩』普及誌No.85
日本列島を桜前線が北上し4月に入ると、希望に満ちた新入生を迎えて各地の学校では入学式が行われています。
幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、専門学校へ入学されたお子様、ご家族の皆様、おめでとうございます。これからの長い人生を自分の目指す目標に向かって、どんな時にも、明るく前向きに歩んで行かれますようお祈りいたします。
今月のテ-マは「私の生き方が変わった時」です
◇人生はレッスンである
生長の家では人生は魂を向上させるためのレッスンであると教えていただきます。ある出来事がきっかけとなって、今まで気づかなかったことに心を向けるようになり、生き方が変わり、幸せの人生への転機となった体験を通して、人は魂を磨き人格を向上させていくことができます。
白鳩会総裁・谷口純子先生はご著書『この星で生きる』の中で次のようにお説き下さっています。(18頁)
けれども苦しみや、つらい、悲しい体験というものは永遠に続くわけではない。また、そういう体験は“悪い”ばかりではない。私たちはそれらを通して、自分のそれまでの生活で不足していた部分や、考え方の偏り、度量の狭さなどが分かるから、人格的に成長する。「もしあの挫折の経験がなかったら」とか、「あの不幸のおかげで自分を深く見つめ直した結果」などと言って、一見“悪い”と思われる体験に感謝する人の話を、私は何度の聞いたことがある。
このように、人生で体験する悩みや苦しみは、必ずしも人間を不幸にするものではなく、どんな体験もその人にとっては良いレッスン(勉強、練習)であって、そこから次に進む方向を教えてくれるものなのです。
人生は心によって創られる
誰でも、こう在りたいという希望実現や幸せを願って生きていますが、現実の世界は、自分の都合の良いようにいかないものです。それは何故でしょうか。
人間は自由意志を持っていて、毎日肉体を使って五感で感覚しながら生活していますが、この現象世界は、一人一人が心のレンズを通して物事を見、認識することによって、“心で認めたものが現れる”という「心の法則」に従って、一時的に現れている世界なのです。
心が善を認めれば善が現れます。だから、今現れている世界が善くないと思うなら、自分の「心の持ち方」を明るい方に変えていけば良いのです。一瞬、一瞬、心で何を思い(想念)、どういう言葉を発し(発声音)、どういう行動(表情)を積み重ねているか、この想念(意)、発声音(口)、表情(身)の三つの行いが繰り返されて習慣となり、業となり、身業・口業・意業の三業となって、自分で自分の人生を創っていくのです。
白鳩会総裁・谷口純子先生は『白鳩』普及誌No.85の「日々わくわく」「無心でみる」の中で次のようにお説き下さっています。(6頁)
私たちの人生は、習慣によって方向づけられる。習慣の力のことを業といい、良い習慣は幸せに、建設的に導くことができるが、悪い習慣は悪い結果をもたらす。だから、誰でも良くない習慣は変えたいと思うものだ。ところが現実には、習慣を変えることは容易ではない。
現象の「悪」に心を捉えられ、悪想念を抱き、感謝を忘れ、不満の言葉を発し、暗い表情、怒りなどを表現していると、周囲は暗い雰囲気となり、悪現象が続きます。これが積み重なると心の奥底の潜在意識に暗い想念が集積して悪習慣となり、現在意識では善きことを想念しようと思っても、習慣の力によって悪業となって、悪果を招くことになります。
例えば、取り越し苦労ばかりしてマイナス思考の人は、無意識のうちに、心に心配や不安の想念を起こし、言葉や顔の表情も暗くなり、心が明るい方に向かなくなります。これは心の奥底の潜在意識に暗い想念が溜まっているからです。この潜在意識を浄め、明るい、良き想念で満たすことが大切です。
◇神想観をして心の軌道修正をしましょう
この潜在意識を浄め、心を善き想念で満たすためには、常に心を神様の方に向ける練習が必要です。その練習とは、生長の家の瞑想法である神想観を実修することです。この神想観を毎日1回は必ず行い、心の波長を神様の方に合わせて、神様との一体感を深めるよう繰り返し練習して習慣づけていくのです。
神様が創れた本当の世界(実相世界)は完全円満、善一元で「悪」はないのです。その実相世界を心で観じ、念ずる言葉を唱えながら心の奥底でじ-と見つめ、良き想念を起こし、潜在意識に働きかけて、心の傾向(習慣)を変える練習をするのです。こうして、神想観を続けて行うことによって、現象に現れている「悪」に心が捕らわれることなく、神が創られた実相世界は完全円満で「悪」はないという自覚が深まってきます。そして、人間だけでなく動物も植物も鉱物も、その他全てのものが神によって創られ、完全円満であり、全てが神の生命において一体であり調和しているということが分かります。
このように神が創られた本当の世界(実相世界)のみ実在であるという自覚を深めるために、神に波長を合わせて心の軌道修正をしていくと、心の習慣性が良い方向に変わり幸福の人生を歩むことができるのです。
◇日時計主義で自然と人間が調和する生き方を実践しましょう
また、人生を幸福の生き方に変えるためのもう一つの方法は、「日時計主義の生き方」の実践です。日時計主義とは日常生活の中に、喜び、感謝、感動を見出し、表現して、それらを心に強く印象づけることで、「唯心所現」(心の法則)の原理を発動し、実際の生活を明るく、豊かで、感謝に満ちたものに変革する生き方であり、生活実践です。
生長の家総裁・谷口雅宣先生は、ご著者『次世代への決断』の「日時計主義は新文明の基礎」の中で、次のようにお説き下さっています。(178~179頁)
朝起きて夫の顔を見るとき、妻の顔を見るとき、子供に声をかけるとき、職場であいさつするときにも、同じような気持ちになれれば、家族は幸せで幸福な家庭が実現するし、職場も円満になる。そういう雰囲気の中では病気になる人も少なくなってくる。明るい感謝の気持ちは、免疫系を活性化するからです。(中略)
この日時計主義の生き方をしていれば、「物がほしい」とか「遠くへ行きたい」とか「まだ足りない」とか「不安である」などという一種の精神的飢餓感から解放されます。今の日本には物があふれているのに、そういう“心の貧困”があります。物が多いことで、かえって精神が飢えている-そういう物質主義的な生き方から抜け出す道が生まれてくるのです。価値観の転換が行われて、外から何かを付け加えることで幸福を感じるのではなく、内部の神性を開発することに喜びを見出す。他から奪うことではなく、他に与えることで充足する-そういう新しい人間の生き方が広がっていく。また、そうでなければ人類が“自然と共に伸びる”ことは不可能であり、人類の未来はないと思うのですね。
この日時計主義は、日常の当たり前の生活の中に、常に神の無限の愛(恵み)を感じて生きる生き方であると共に、心が喜び、感謝で満たされると内在する神の子の神性が開発され、「あれも欲しい、これも欲しい」という欲望が抑制されて、外から何かを付け加えることで幸福を感じるのではなく、他に与えることで充足する。そういう物質主義的な生き方から抜け出す道がでもあるのです。
戦後の経済発展によって、現在の私たちの生活は大変豊かで便利に効率的になりましたが、それによって、エネルギ-の大量消費による地球温暖化が進み、世界各地で、異常気象による自然災害が頻発し甚大な被害が出て、資源の争奪、貧富の格差が起きてます。これは人間の都合を最優先する生き方によって、自然を破壊してきたからです。
戦後の時代を生きた私たちは、そのつもりなくても自然破壊を進めてきたことを反省し、21世紀に生きる者の使命として、人間のことだけを考えるのでなく、意識を拡大して動物も植物も全てのものは神の命において一体であるという自覚に立って、自然と人間が調和する生き方、他に与える生き方に転換していくことが今、求められているのです。
現在の豊かさの中に幸福を追求する生き方では地球温暖化が益々進み、未来世代に美しい地球を残すことはできません。
私たちは、個人の救済だけでなく、人類全体と生物界の繁栄のために、自然と人間が調和する生き方を実践し、周囲の人々に「自他一体」の真理を伝えて、自然と人間が共生する幸福の道を切り開いていきましょう。
今月も普及誌4月号には、人生上の様々な問題をきっかけに、それまで気づか
なかったものに心が向かうことで、生き方が変わり、明るい感謝の生活、幸福が実現した事例を紹介しております。参考になると思いますので是非お読みください。
また、生長の家白鳩誌友会が全国で開催されています。是非、地元の白鳩誌友会にご参加下さい。