WEB版母親教室,知っておきたい地球のコト,幸せな子供の育て方

2016.8「温かい家庭づくり ・コミュニケーションを大切に」

2016年8月3日  

 

八月のテーマ  ・温かい家庭づくり

・コミュニケーションを大切に

 

★テキスト 谷口雅宣先生著『生長の家ってどんな教え?-問答有用生長の家講習会』

谷口純子先生著『平和のレシピ』

 

真夏の日差しの中では、樹木の有り難さを感じますね。夏休みも始まり、お母さんは息つくひまもなく忙しい日々をお過ごしではないでしょうか。夏休みは、子供が常に目の前にいますから、ついついあれこれと子供に注意ばかりしてしまう、そんな声が聞こえてきそうです。

今月は、「温かい家庭づくり」「コミュニケーションを大切に」というテーマです。長い夏休み、おとなしくしているからと、ついビデオやテレビやゲームを与えたままになっていないでしょうか。夏休みはお父さんも一緒に、お子さんとのよい思い出づくりのチャンスですね。

 

温かい家庭づくり

 

子供はどんなに大きくなっても、親の温かい言葉や温かい家庭の雰囲気を求めています。そして何より大切なことは、子供がこのお父さんとお母さんのもとに生まれてきたことが幸せだと思えることです。誰もが、機嫌悪く黙り込んでいる家庭を、幸せと思う人はいませんが、縁があって夫婦となり、親子となって人生の多くの時間を共に過ごす家庭は、夫婦や親子がより豊かに愛を表現し合い、人間性を養っていくための練習の場です。

 

生長の家総裁・谷口雅宣先生は、『生長の家ってどんな教え?-問答有用、生長の家講習会』に次のようにお示しくださっています。

 

われわれが神の子の実相や仏を現すのは、この「身・口・意」によって行います。「おはようございます。」と言うのは、口(発声音)できちんと「おはよう」という親愛の情を伝えて、また体や表情(身)によってニコニコと笑顔をつくりますね。暗い顔をして、「おはようございます」と言う人はあまりいませんから。そして、心(意)から親愛の情をこめて「おはようございます」と言えば、これでちゃんと「身・口・意」の三業による愛の実践になるんですよ。

そのようにして毎日、自分の中の仏や神の子を表現する実践をしていただくと、それに伴って周りの人々の反応が変わってきます。自分にも良い習慣がつきます。(137~138頁)

 

当たり前に、知らず知らずのうちに繰り返されている親のコトバ(身・口・意)を通して、子供は多くの愛情を受け取ります。朝起きたら、にっこり笑って「おはよう」とあいさつしたり、抱きしめたり、「いつもありがとう」「あなたは宝物」など、家族への感謝や讃嘆の言葉をできるだけ多く優しい表情と愛のこもった思いと言葉で表現しましょう。最初はぎこちなくても、思いきって表現してみると、夫婦でも親子でも嬉しい気持ちになるものです。それがよい習慣となって、夫婦や親子の中に流れる信じ合い讃え合う温かな雰囲気となり、目に見えなくても、子供の栄養分となって、子供の心をより豊かにします。またそのような明るい言葉や周囲への感謝の気持ちは、心を安定させ、そっと子供の心を支え、前に進む勇気を与えるはずです。

 

五つの願いを満たすコミュニケーション

 

子供はいくつになっても親からの温かい言葉がけを待っています。仕事や家事で忙しい時も子供から「お母さん」と呼ばれたら手を止めて、優しい眼差しと一緒に返事をしましょう。不機嫌な顔で「今は忙しいから」「後で」と言ってばかりでは、子供の心は寂しく、愛されていないと勘違いしてしまうことがあります。

人間にはだれでも「愛されたい、認められたい、ほめられたい、お役にたちたい、自由でありたい」という五つの根本的な願いを持っています。この願いは必ずしも、直接、言葉で表現されるものではありませんから、忙しくても、注意して子供の声に耳を傾け、この願いを満たすように心がけることが大切ですね。子供は自分の気持ちが受け入れられ、認められていると満足したときに、親の意見にも耳を傾けようとします。

たとえ今、欠点や欠陥が目の前に見えていても、子供の中には、素晴らしい神の子の“本質”があるから必ずよくなるという強い信念を持って和顔・愛語・讃嘆の明るいコトバで子供に愛情を伝えることが親子のコミュニケーションでは大切なことですね。子供を愛していても、コトバの表現方法が子供の気持ちに添ったものになっていないと子供は背を向けてしまいます。また、お母さんが愛情の表現(認める・ほめる)をすることもなく、愛するからこそといって、子どもを親の思うとおりに管理することが愛情表現と思い違いして、一から十まで「ああしなさい、こうしなさい」と言っていると、自由でありたいという子供の根本的な願いが満たされないので、母親から声をかけられるだけでおもしろくなく、子供はますます反抗的になってしまいます。

 

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、『平和のレシピ』において、次のようにお書きくださっています。

人の物事の良い面を見る人は、良い面を褒められた人が喜び、それを見た自分もうれしくなるから、そういう生活を続けていれば、しだいに明るい雰囲気の人となり、その「明るさ」の魅力によって、人が周囲に集まってくる。人間は、本質的に「明るいこと」が好きだから、明るさは明るさを呼び、さらに明るさの輪が広がっていく。(35頁)

できないことをけなしたり、責めたりするのではなく、できていることを当たり前と思わないで、何かしてくれたら心から「ありがとう、助かったよ」と当たり前のことでも認めてほめていくと、大好きなお母さんの役に立ったことがうれしく、自信につながり、次のやる気を起こします。そのような一つ一つの自信が積み重なって生きる力としての自己肯定感が高まってきます。ほめられた子供の嬉しい表情は、きっとお母さんの心も嬉しく明るいものにしますね。そのお母さんの表情をみて、子供もまた嬉しいに違いありません。

子供はみんな親を心から愛しています。親に心から愛されたいと思うと同時に、親に心配や迷惑をかけたくないと思っていますから、お母さんの喜ぶ顔を見ることはとてもうれしいのです。また兄弟がいる場合は、親の気付かないところで、「自分は愛されていない」と子供に悲しい思いをさせていることが時としてあります。他の子と比べるのではなく、その子の良さを認めて、一人ひとりに、親の愛情を感じさせるように表現していくことも大事なことですね。

 

親子で自然に触れ心を通わせてみる

 

夏休みは、親子で自然に触れあい楽しい時間を持つ絶好の機会です。自然の中に入ると、なぜか心が解放されるのを誰もが感じるのではないでしょうか。日常生活の中では、家と学校とか家と会社とか限られた空間の中で過ごすことが多く、今では、外に出なくても、その場でインターネットを使えばさまざまな情報を得られる時代です。自分で経験しないで、わかっている気になってしまうこともあります。そのような生活は私たちや子供たちの心を狭くし閉じ込めてしまいがちですが、夏休みには自然に触れ、自然のもつ力や神秘さに気づいたり、自分で考えたり、身体を使った体験をすることもできますね。小鳥の声や緑の光、波の音や夕日や草原の風を感じると気持ちもリフレッシュして、心も明るくなります。自然は人間が人間として生きるために、なくてはならないものであることに気づくかもしれません。そこでは、親も子も心が開かれ、子供と一緒に見たり感じたり、楽しんだり、喜んだりすることで、今まで以上に豊かに心を通わせることができると思います。

もしかしたら、今、子供が悩んだり、不安に思っていることを素直に話したり、それに耳を傾けて心に寄り添うことができるかもしれません。子供は、何か答えをほしいということではなく、親がいつも応援してくれていると感じるとき、子供は自分の力で歩みだしていけるのだと思います。

どの子もその子のよさと無限の可能性を持って生まれてきていますから、心配したり「こうでなければならない」と執着するのではなく、『日時計日記』に「子供の天分にかなった最もふさわしい道に進むことができました。神さま、ありがとうございます。」と書き続け、安心した気持ちで、子供を応援して、親子の明るい信頼関係を築いていきましょう。

 

  • 子育ての中の「食」の大切さを伝える

子供と向き合って、楽しくありがたく、ご飯を食べる

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、『平和のレシピ』に次のようにお書きくださっています。

近頃は、食事をする際に「いただきます」と合掌して始める人が少なくなった。多くの日本人にとって、食事をすることは、“あたり前”かもしれない。が、世界では、それが“あたり前”でない人は沢山いる。それを想い、食事がいただけることは“ありがたい”と知り、合掌し、感謝の思いでいただく。その時、目の前の食材が自分以外の多くの人々の手を経てここにあるという事実を思い起こそう。そして、それらの人々の知恵と労働に感謝しつつ、ゆっくり味わって食べる。すると、きっと心は満たされる。(179頁)

 

「いただきます」の声で始まる食事ですが、会話もなくたった一人で、コンビニのお弁当を食べる子供の心は寂しいものです。食事はお母さんの愛情を全身で感じるコミュニケーションともいえます。その日の表情や食欲で、子供の様子や体調の変化にも気づくこともできます。共働きの家庭や子供が塾や習い事で忙しいと、なかなか家族そろって食事をとることは難しいかもしれませんが、食事は空腹を満たすというだけのものではありません。できるだけ、お母さんの手作りのお料理で、家族団らんのひとときを持つことをおすすめします。「いただきます!」と、家族と向き合って食べる食事はそれだけで、笑顔になりますね。そこでは、勉強や成績への文句や不満を会話にするのではなく、食事をあたり前にいただくことができることや食材や自然への感謝の気持ちも伝え、子供の興味あることなど、明るく愉快で建設的な会話を楽しみましょう。

 

  • やってみましょう-『日時計日記』を書きましょう

親子で自然や土に触れてみましょう