六月のテーマ
○幸せを呼ぶコトバの力
○子供を伸ばすコトバの力
★テキスト
『生長の家ってどんな教え?―問答有用、生長の家講習会』
谷口雅宣先生著
『平和のレシピ』 谷口純子先生著
普及誌六月号
色とりどりの傘の小学生の列が、児童公園の横を歩いて行きます。
もう今日で四日間降り続く雨でした。「あ!虹だよ」と男の子、「虹の向こうにも虹がある」と女の子、「雨が止んでるよ」と小さい子、「今日は、すっごくラッキー!」と大きな声は通学班の班長さんでしょうか? 道行く人も空を見上げて傘を閉じ始めました。通勤・通学の急ぎ足とスマホにうつむきがちな人々に、大自然が描いた七色の二重橋・・・・・・美しい虹を見上げる喜びを教えてくれる朝でした。
今月は「幸せを呼ぶコトバの力」「子供を伸ばすコトバの力」というテーマです。幸運を呼び、子供の個性・天分を伸ばす「コトバの力」を学び、ぜひ子育てに生かして頂きたいと思います。
子供を伸ばすコトバの力
「教育」という文字だけを見ますと、何も分からない子供を、外側から粘土細工でもするように、教え育てて形作るという印象を受けますが、生長の家では、人間は本来みな神の子であり、無限の可能性(無限力)を持ち、一人一人がその子でなければならない個性と天分を持って生まれて来ていると考え、それを信じて、引き出し伸ばすのが「教育」であると考えます。
すべての人間に内在する無限の可能性は、あることに気づかずにいれば、現わすこともできません。それは、観ずることによってあらわすことができ、コトバの力によって、引き出すことができます。
一言で「コトバ」と言いますと、口から声を出す発声音だけをコトバだと思いますが、生長の家では、身(表情や行動)・口(発声音)・意(思念)の三つを「コトバ」といいます。
ニッコリと笑う表情もコトバであり、握手をしたり、心の中で思うことも、「コトバ」です。
「コトバ」には、その「コトバ」通りにものごとを創り出す力があります。それを「コトバの力」といいます。子供の成長過程においては、母親のコトバ(身・口・意)が子供に与える影響は計りしれません。
お母さんの言葉の使い方、心の持ち方、表情一つで、家庭の中が明るくもなれば、暗くもなります。そして、毎日毎日、家庭の中で繰り返し表現されるそのコトバが、善かれ悪しかれ、家族や子供の運命を左右することになりますから、コトバの力を正しく使って、善い思念、善い言葉(発声音)、善い表情(行い)で、無限の良きものを引き出します。
◇身(シン)表情や行い
和顔で接しましょう。子供はお母さんの表情を読む天才です!どんなに優しい声で呼んでも、目つき顔つきで、機嫌の良し悪しを見抜きます。日々の生活の子供とのふれあいの中で、愛情をこめた優しい眼差しで話を聞いてあげましょう。お母さんの優しい笑顔に包まれて育ちますと、不安やドキドキ感のない、情緒の安定した子が育ちます。
◇口(ク)発声音
愛語・讃嘆の言葉をかけましょう。お母さんの明るい優しい声で「行ってらっしゃい」と送り出された子は、友達に足を踏まれても「大丈夫!」と許す心になります。逆に朝から叱られ怒鳴られて登校すると、イライラ感モヤモヤ度が増して、小さな事から友達と喧嘩をし易くなってしまいます。
愛情溢れる言葉、讃嘆の言葉は、子供に勇気を与え、優しいポジティブな心が育ちます。
◇意(イ)思念
祈りの中で、常に善念を送りましょう。
目に見えている子供の姿にとらわれず、神の子としての神性を信じ続け、間断なく感謝の言葉を唱えます。
しかし、よい子にしようと、「○○ちゃんは、何でもできる強い子良い子ね」と口先だけの愛語で包んでも、心の奥底で「気は弱いし飽きっぽいし、何をやってもダメな子」と、思っていては「ホンモノの神の子」が、あらわれてきません。この奥底に潜んでいる心こそが運命の創造主であると知るためにも、ここで「心のしくみ」について学びましょう!
明るいよいコトバの習慣をつける
生長の家総裁・谷口雅宣先生は、御著書の『生長の家ってどんな教え? 問答有用、生長の家講習会』の中で、現在意識と潜在意識という、人間の心について、教えて下さっております。
現在意識とは、簡単に言うと「自分で分かる自分の心」です。その一方で、私たちは夜寝ると夢を見たりして、その中で「あ、こんなところは知らないなあ」という場所にも行ってくる。また、夢の中では知った人にも知らない人にも会います。目が覚めたら、そういう夢を見たことも忘れてしまう。
つまり私たちの中には「自分でも分からない自分の心」があるわけです。我々はそういう意識の下に潜っている心をもっていて、それを心理学では「潜在意識」とか「無意識」と呼んでいます。 (42頁~43頁)
人間の心はこのように、非常に複雑です。自分の意識が及ばないところにも、心は広がっています。心理学的には心全体を100%としますと、現在意識は5%、潜在意識は95%を占めるともいわれます。潜在意識は、私たちの心の大部分を占めていますから、その人の心の基盤となって行動を支配し、運命を創っていきます。その自分でも気づかない心に、よい種を植え付ける方法が、「コトバの創化力」です。同じコトバを繰り返し繰り返し言い聞かせることによって、そのコトバは潜在意識に植えつけられます。ですから、子供に対しても、自信を失うような悪いコトバではなく、目の前の子供のすがたがどうであっても、「あなたには神の子、運がいい」というような、明るい積極的なコトバを、身(よい表情)・口(よい言葉)・意(よい心の思い)3つをそろえて繰り返し表現をする練習をします。すると自分にも良い習慣がつき、現在意識から、潜在意識に浸透していくことになり、お母さん自身の心が明るくなり、子供の観方が変わってきます。
朝起きたとき、夜やすむとき、よい言葉を唱えましょう。
目覚めた直後や眠りに入る前は、潜在意識にスッと入りますから、
このチャンスにこそ、明るい良いコトバを、たっぷり潜在意識に種蒔くのです。
☆○○ちゃん神の子、強い子良い子
☆あなたは神の子完全円満、あらゆる点で一層良くなる
☆主人は神の子完全円満 やる事なす事間違いなし
☆私は神の子福の神 宇宙一のお母さん
このような積極的な真心こもる愛のコトバを繰り返し、自分には、「無限の可能性」があり、素晴らしい力がある」というような信念を与えることは、子供にとって何よりの「しあわせ」です。これは、子供だけでなく、夫婦でも、自分にたいしても同じことです。
子供や夫や自分自身の奥に輝く完全円満なホンモノ(実相)を強く信じて、思いつく限りの良い「コトバ」の種を蒔きましょう!
☆今月のやってみましょう
家族に明るく笑顔で挨拶しましょう
「おはようございます」「おやすみなさい」「いただきます」「ごちそうさま」
愛するわが子や大切なご主人に特上の笑顔を見せてますか?
お母さんは家庭の「太陽」です!乾いた心を潤すオアシスです!お母さんの明るい笑顔、家族への讃嘆の言葉、わが子に内在する神の子を強く信じる思いは、子供の心を安定させ、子供の無限力を引き出し、家族の幸せをも引き出します.
◆子育ての中の「食」の大切さを伝える
子供といっしょに育てた野菜を食卓に。「プランターで育ててみませんか」
生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生の御著書『平和のレシピ』の“家庭菜園の勧め”には、次のように書かれております。
耕作と収穫は、自然と人間の深い結びつきを教えてくれる貴重な場所だ。それは、自然から遠ざかった都会生活の疲れを癒してくれる。(中略)
家庭菜園は、作物を育てる喜びを体験できる場であるだけでなく、自然環境や食品の安全への意識を育て、人間が自然の一部であることを理屈抜きで教えてくれる。ベランダでのプランター菜園でも、お勧めしたい。(186頁~188頁)
朝、目が覚めるとY子ちゃんは、すぐベランダに出て、プランターの中の、まだ青いミニトマトに、「おはよう!ミニーちゃ~ん」と挨拶をします。昨年、一年生に上がる記念にと、お隣のおばちゃんが苗をプレゼントしてくれたのに、水のやり過ぎでヒビワレたり破裂したりで失敗・・・
今年こそは!と、お母さんと「可愛いミニ~ちゃん、甘くてきれい」「ミニ~は私のサラダの女王様!」と、おおいに讃嘆して育てていたら、今朝、真っ赤なのが三つ収穫できました。Y子ちゃんの得意なサラダに飾られました。
自分で育てたものは安全で、食卓にのっているだけで、心が豊かになりますね。都会生活の中では、普段、土に触ることがなかなかないものですが、ベランダで子供と一緒に作物の成長を見守ることも楽しいことですね。土の中から小さな芽が出るだけで、感動します。
小さなプランターの可愛いミニトマトを家庭菜園の第一歩に、Y子ちゃんとお母さんも親子の心の繋がりを深め、神様の恵みに生かされている自然との一体感、命の尊さの感動や喜びを写真に撮ったり、『日時計日記』や『こども日時計日記』に記すると、さらに喜びが広がりますね。