○生まれてくれてありがとう
○子供は宝物(さずかりもの)
★テキスト
『生長の家ってどんな教え?』 谷口雅宣先生著
『平和のレシピ』 谷口純子先生著
黄色い菜の花の道に、桜並木のアーケードの下に、可愛い歓声と笑い声、飛び跳ねるピッカピカのランドセルとスニーカー!新入生も進学生も、それを取り巻く家族も胸躍る四月になりました。 今月は、そんな新年度を迎える月にふさわしい「生まれてくれてありがとう」「子供は宝物(さずかりもの)」というテーマです。
今 「命」は大切にされていますか?
今年の3月11日は東北大震災が起きて5年目、ほとんどのテレビ局が”特別番組”を放送していました。5年が短かかった人、長かった人、それぞれから出て来る言葉は「津波の恐怖」「家族との別れと絆」「復興」そして何よりも「命の大切さ」でした。 一方で、毎日のニュースから聞こえてくる悲しい事件・事故の数々・・「乳児が泣いてうるさいから」「パチンコをする為に監禁」「幼児が顔をじっと見たから」……子を持つ親として在り得ないような理由で、幼い命が、傷つき失われています。 今、尊いはずの「命」は本当に大切にされているのでしょうか? 私たちは一人一人が「尊い神の子のいのち」 男女の肉体的結びつきで新しい生命が生まれるなら、世の中に子供に恵まれない夫婦はいないはずですね。医科学を超えた神秘の分野で生命が誕生し、その身体は最高に精巧に創られているのです。 生長の家総裁・谷口雅宣先生は御著書『生長の家ってどんな教え?』の中で次のようにお教え下さっております。
我々の肉体を見ても、ものすごく精巧にできている。私たちがいちいち細かいことを心配しなくても、食べたものをきちんと消化してくれるでしょう? それは不思議なことです。人間は実にいろいろな物を食べているにもかかわらず、悪いものは排泄し、必要なものは体の一部として、またエネルギーとして利用する。そういう統一的な目的を持って七十兆から百兆個もの細胞が、一糸乱れずに、ほぼ自動的に機能するものが現にここに存在する。これが偶然に起こるとは考えられない。(18~19頁)
このように私たちの身体が「不思議」に満ち満ちている事を、皆様は、特に妊娠・出産を経験したお母様は、実感されたに違いありません。 お母さんの身体は赤ちゃんが生まれると同時に、赤ちゃんに必要な栄養分を含んだ母乳が出るようになります。お母さんが食べたものが消化され、吸収されて血となり、栄養となり、しかもその赤い血液が、真っ白な母乳となって、出てくることは、本当に不思議なことですね。このような生命の働きの中に、神様の無限の智慧、無限の愛、無限の生命、無限の供給、無限の喜び、無限の調和の御徳が満ち満ちていて、私たちのいのちを生かそう生かそうとしていることを感じます。 総裁先生は、更に次のように続けて教えて下さっております。
天地創造者がもしいるのだとしたら、それは完璧なる知恵と愛をもち、無限のエネルギーと生命力をもった存在だと考えざるを得ないのです。そうであるならば、その神が創造した世界は「完璧」であり、「完全円満」である。そのように考えて、生長の家では「完全円満」で「罪はない」のが世界の実相―“本当の姿”だというのであります。 (19頁)
生長の家では「人間は完全円満な神の子」であるからこそ、一人一人が使命を持って生まれた「尊い命」とお伝えしています。人間は神の生命が天降って誕生し、個性を持って成長していきます。表面的には、肉体の存在として認識されますが、肉体としての存在の奥に神の生命が実在し、その素晴らしい存在を「神の子」といいます。ですから「神の子」は円満完全であり、無限なる素晴らしさを宿しているのです。科学技術や医学の発達によって、生まれる前から、性別や五体満足であるかなどがわかる時代となり、精子や卵子の提供によって子供を選んだり、親の都合で大切ないのちを断ってしまうというケースも生まれていますが、魂の関係は地上に生まれてからできるのではなく、神様の完全な理念が、御先祖様や父母のいのちをとおして、しっかり受け継がれ、誕生するのです。突然、この世にポンと出現したわけではありません。血のつながり、肉体の親子ということだけでなく大生命なる神の生命のさきはえである尊い生命であるということです。決して、母親の所有物ではなくどの子もみんな神様からの授かりものです。 子供は神様からの授かり物=尊いいのちと知って Kさんが最初の妊娠を知った時、喜びよりも戸惑いを感じたと言います。結婚してまだ二ヶ月、「もっと夫婦だけの時間を楽しみたい」「二十五歳でお母さんなんて早過ぎる」「三十歳になったら子供を」と中絶しました。二度目の妊娠の時、夫は「せっかく出来たんだから今度こそは」と中絶に猛反対、翌年3400グラムの女の子が生まれました。 ところが夫婦の血液型不適合(O型女性がO型以外の男性の子を妊娠した場合に確率的に出る)が原因で重症黄疸にかかった赤ちゃんは、生まれて四日目に全身の血液600cを輸血交換手術したのです。黄疸に罹った血が脳に上ると脳性まひになる危険が高かったからです。 8時間に及ぶ輸血交換中、彼女は必死に祈りました。「産まなかった赤ちゃん、ごめんね!ごめんね!妹を助けて!」とも・・・翌日、Kさんは医師に「母乳は血液ですから不適合の赤ちゃんに飲ませられません」と言われ、乳腺が腫上るほど溢れる胸を冷やし続けました。 黄色い皮膚が色白の肌色になった我が子を抱いて退院する日、柔らかい産毛がキラキラと金色に輝いて、まるで天使のような美しさでした。三年後、母親教室のリーダーとして活躍するKさんは言いました。 「命を夫婦で作るなんて発想、とても傲慢です。その命を親の都合で左右するなんて、とんでもない事でした。神様からの尊い授かり物ですから」―このKさんの深い反省が一人でも多くの父母に伝わって、子供の命を礼拝する心が広がって行くことを願います。 生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は御著書『平和のレシピ』にこのようにお書きくださっています。
一方で、自分の利益を顧みず、あるいはたとえ自分に不利であっても、子のため、人のために何かをしようと思うのも人間である。そのような無償の行為を知り、目にすると、私たちは我に返り、自分の生活を顧みるものだ。 私にとっては、やはり両親がそんな〝無償の愛〟を象徴している。大切に育ててもらった、愛されて育ったという安心感が私にはある。(中略) そういう親の愛を経験してこそ、人は他の人のために役立ちたいと願うものだ。(81頁-82頁)
親が子供を愛するのはあたり前のようですが、その「愛」の根本には、人間は、肉体ではなくその本質は生命であり、その生命は親も子も「神」であり「仏」であるという自覚です。それがあるとないとでは、その家庭生活に天と地との差が生じます。一方は子供をバカにしたり、自分の所有物扱いをしますが、他方は子供を「神の子」として尊び、愛し、いたわり、正しく導くことができ、無限の可能性が開けてくるものです。子供にとって、親との関係は、人間関係の基になりますから、どんな気持ちで父となり、母となるか、生まれてからもどんな心でその子を見、どう認めるかがその子の成長に大きな影響を与えます。その根本になるのが「人間は神の子である」という信仰です。尊い神の子のいのちをいただいたこと、我が家に生まれてきてくれた喜びと感謝のコトバを、節約しないで子供に伝え、母親の愛情を豊かに表現していきましょう。 ○今月のやってみましょう 子どもに「生まれてくれてありがとう」と言いましょう 授かった尊い命を礼拝するコトバです。幼児期には、就寝前にしっかり抱きしめて言いましょう。学童期に入って照れる頃は、可愛い絵手紙をお誕生日に、思春期の中高生にはぜひ『日時計日記』に感謝と讃嘆の言葉を書いて善念を送りましょう。 *子育ての中の「食」の大切さを伝える* すこやかな心と身体をつくる大切な食事 神様から授かった神の子も、食べさせて、着せて、育てるうちに、”私が産んだ私の子”になってしまいがちです。日々の目に見える生活(現象)が主になってきますと、いのちを育む大切な食事も忙しさの中で、買ってきたもので手軽に済ませることが多くなってしまうのではないでしょうか。子供はみんなお母さんの作るご飯が大好きです。「おふくろの味」=お母さんの得意料理は、いくつになても懐かしく、心がほわ~ッと温かくなります。 生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は御著書『平和のレシピ』に、次のようにお書きくださっています。
ただ何となくお腹を満たすためだけのお料理をてきぱきと、ささっと作るのではなくて、そういうふうに一つの食べ物が私たちのところに届いた道のりをを考えて、その背後には神の無限の愛があって、生かそう生かそうとしている愛によって私たち一人一人が生かされているのだという深いところに思いをはせながらお料理をしていただければと思います。そしてこのお料理を食べる家族が健康で幸せであってほしいという愛念を込めたお料理を作ることによりまして、作った本人も満足いたしますし、召し上がる家族の方も幸せで満ち足りた思いをされるのではないかと思います。 (220頁~221頁)
ここにお示しされているように、お料理は「物」にあらず、神の愛の顕れであると知りますと、ささやかな食事にも「いただきます」と合掌し、今ここに生まれ生かされている事そのものが有難く、感謝でいっぱいになりますね。食べるものがあれば、肉体は育ちますが、食生活のあり方は人間としての心を育てます。家庭で作られる料理は、普段の何気ないお総菜であっても、心を込めて作ることによって、隠れた栄養素としていのちを育み、「おいしいね」「ありがたいね」と笑顔でいただく食事で家族は幸せな毎日を過ごせます。 さて、今月の普及誌「白鳩No.73」も大変参考になりますので、併せてごらんください。また、全国で開催されています生長の家の「母親教室」へのご参加を心よりお待ちしています。 生活環境を見直しましょう! 2011年3月11日のあの日まで、原発の大事故を誰が予想したでしょう?電力の資源など無限にあると信じていませんでしたか?太陽光発電など自分の生活には無縁と思っていませんでしたか? 東日本大震災から5年、復興への道のりはまだまだ遠いようです。生長の家総裁・谷口雅宣先生は、同年3月1日発売された御著書『次世代への決断 宗教者が”脱原発”を決めた理由』の中で、これらの問題を含めて、自然と調和した新たな文明への提言をされました。 また、白鳩会総裁・谷口純子先生は、御著書『平和のレシピ』で、食生活が、世界の平和といかに関わっているかをお示し下さっております。この母親教室でも一年のテーマと共に生活環境を見直す具体的方法を皆様と共に考え、実践して参りたいと思います。