義母の介護を乗り越えたYさんがその後に向き合った課題は…。
◇これで絶対良くなる!
平成22年のことです。東京に住んでいる長男から「癌になったので、お金を送ってほしい」と言われました。私が思っただけのお金が用意できなかったので、住んでいた土地を売り、借家に移ることにしました。
主人が「この土地を売る」と言った瞬間、「これで絶対良くなる!」と確信しました。長男には私が考えていた半分しか送れませんでしたが、それが精一杯でした。病気は大腸がんで、手術と抗がん剤による治療でした。病院には母親である前の奥様がついてくれましたので、私は長崎の※総本山など三か所の生長の家の拠点に※神癒祈願をお願いしました。心配の念を送らないように心がけ、神様に全託しました。
長男はお陰様で1年後に職場復帰が出来て、丸3年で「どこにも何も悪い所はありません」と医師にお墨付きを頂きました。
◇自分中心だったことに気づく
私は無我夢中で母の介護をさせていただきました。その名残で、夫に心を添わせるのではなく、自分中心で行動し、教えの中心からもずれていたことを、長男の癌によって気づかされました。
夫は元々、おおらかで懐の深い人です。結婚以来、派手な喧嘩は一度もありませんが、時折、夫から「おまえはいつも自分が正しくて、決めつけた物の言い方をする」と言われていました。借家に引っ越すときに謝ると同時に、「見てて、私、絶対変わるから!」と宣言して、借家での2年間で、信徒行持要目※にある「常に自我を死にきるべし」を実践し、まず夫の言われることを受け容れるようにしました。そうして、私が変われたとき、「夫はここまで優しい人だったの!」と気づくことができました。
お金を送って・・・と云われた時に、もし家を手放すことなく、必要なだけ右から左に渡せていたら、ただ、お金に執着しない事だけの勉強で終わっていたでしょう。さらにありがたいことに、その後、3LDKの道営住宅の1階に、抽選1回目で入居させていただき、静かで便利で、持ち家の時より恵まれた環境に住まわせていただいています。
義母に導かれ、子どもに教えられて、病院とも薬とも無縁の元気で優しい82歳の夫と過ごさせて頂く日々に、ただ感謝です。(札幌、T.Yさん)
※総本山…長崎県西海市にある生長の家の拠点。本部練成道場。
※…生長の家本部練成道場で行っている祈願のこと。健康や家庭、教育、経済など悩みが癒やされ、本来の素晴らしいすがたが現れるように祈る。個人で申し込むことができる。