★テキスト
『花の旅立ち』 谷口純子先生著
『美しい国と人のために』 谷口清超先生著
クリスマスを彩る美しいイルミネーションに使われる、発光ダイオードを発見し、ノーベル物理学賞を昨年受賞された、赤崎・天野・中村三教授は、世界中の子ども達に青く輝く夢と、「必ずできる」と信じて研究を続けてこられたその心、「良い思い出」をプレゼントしてくれた光のサンタさんに違いありません。嬉しいですね!
今月で、いよいよ2015年も終わります。今年も日本から2名のノーベル賞の受賞者が出て、子ども達は未来への大きな希望と、この日本の国に生まれた事の誇らしさを実感したことでしょう。
一年の締めくくりの今月は、「子どもの心に良い思い出を!自然は子どもの豊かな心をはぐくむ」というテーマで、学びたいと思います。
祖先から伝えられてきた大自然を愛し、感謝する暮らし
大地を耕し、自然の恵み(稲作)を糧にしていた日本民族は、古代から、太陽・風・雷・海・山等、ありとあらゆるものの中に神様の生命を感じ、八百万(やおよろづ)の神としてお祀りし、その恩やめぐみに感謝して暮らしてきました。農耕生活は、人間の力が及ばない、自然現象に大きく左右されますから、神と人との間を釣り合わせる祭りがあるのも、農耕の民としての、証しなのかもしれませんね。今でも、「お日様」「お月様」「ご飯」「お味噌汁」など敬語を付けた言い方にも感謝の心が現れています。科学技術の発達とともに、スーパーには一年中様々な食材が並び、季節感がなくなり、その恵みをもたらしてくれたものが、土や水、太陽といった自然であることを忘れがちの現代の生活の中でも、その土地には産土(うぶすな)の神様や氏神様が祀られています。ご先祖様から引き継いだ祭りや行事を大切にしていくことで、自然を身近に感じ、そこに込められている自然への感謝の心を伝えていくことは、子供の心に思い出とともに、豊かな心が育まれていくこと思います。
日本の心の中心にある「大調和」のこころ
ISS(国際宇宙ステーション)初の日本人船長になった、若田光一さんが、「任務で一番心掛けたのが、国も習慣も違う6人の飛行士の〝和〟でした」と、語ったのは有名なエピソードですね。
その若田さんが活躍した太陽系宇宙も、太陽を中心に地球などの惑星が秩序正しく回っています。又、極小の原子電子の世界も、原子核があるように、宇宙のすべてのすべてにわたって、神さまのいのちが満ち満ちていて、その根本設計は神様の愛によって支えられています。
生長の家の前総裁谷口清超先生は、ご著書『美しい国と人のために』に、次のようにお教え下さっております。
このように宇宙には中心があり、それが秩序を保つもとの力になっているが、それと同じように国家にも中心があり、家庭にも中心がある。単に皆が平等で自由であるだけではなく、秩序性をもってまとまっているのであり、日本という国には、全ての国々の中でもっともハッキリ永続した中心があるので、国家としてもよくまとまる国である。(177頁)
地球上には現在、196の国がありますが、武力や革命に依らず、建国以来、国の繁栄と国民の幸福、世界の平和を祈る天皇という中心者は、世界に類のない日本独特の存在なのです。
自然を大切にされ、神様の御心を第一に物事を行っていかれる天皇さまを国の中心にいただいていることは、本当に有り難く素晴らしいことです。ご自身の体調より、災害に会った人々の心に、寄り添う事を優先される慈愛に満ちたお姿に、私たち国民の「親の心」そのものを感じますね。
これを家庭に置き換えても同じ事がいえます。一本の木をみても中心がしっかりしているものは立派に伸びていきます。大自然や先祖を大切にし、お父さんを尊敬させるお母さん、お母さんに感謝することを教えるお父さんに育てられる子供は、本当に幸せで健全に育っていきます。
その中心の心が希薄になり、父母が不調和になると、家族の心はバラバラに・・・その結果、様々な問題やトラブルが起きてきます。
今月のテーマは「子どもの心に良い思い出を」ですが、子どもにとって、一番の良い思い出は、
父親を中心にまとまる家族と、仲のよい両親の生き方ではないでしょうか?
心に、中心を立てたとき
Kさんが、駅近くの商店街でお弁当屋さんを始めて25年になります。
開店5年目に、ご主人が脳内出血で倒れてからは、二人の娘を抱えて商売と家庭の両立は、コトバに出来ないほどの20年でした。勿論、店も家庭も中心は「お母さん」!体も言葉も不自由な「お父さん」は完全無視の生活の中、郊外に巨大なショッピングセンターが完成したのです。駅前商店街は、シャッターを閉める店舗が続出でした。「なんとかしなければ!」との思いから、知人の勧めで生長の家の練成会に参加、二日目に受けた個人指導の講師が言いました。
「商売も家庭も貴女が中心になってるね。たとえ体が不自由なご主人でも、中心に立てたら万事がうまくいくよ。それが法則なんだからね」
帰り道、開店した頃の元気で陽気な、ご主人の笑顔が目に浮かび、20年の悔しい辛いご主人の思いを振り返ったKさんは、涙がとまりませんでした。
夜、道場で買った『日時計日記』の自由版の一行目に、「お父さんありがとう」と書きました。二行目に「お父さんのおかげです」と書きました。そして、三行目に「嬉しい楽しい幸せだ」と書きながら寝てしまいました。
その後、二人の娘さんが結婚することになり、それぞれの結婚式で、次のように両親への感謝の言葉を言いました。
「体が不自由で働けない父を、いつも支えて感謝する母を尊敬しています。私もそんな奥さんになりたいです」
その後、テレビの「お散歩番組」で、芸能人が訪問したお店は、一躍有名に!嫁いだ娘さんのお手伝いもあって、大繁盛しています。
日々繰り返された、お母さんの生き方が娘さんの心の安心感となり、良い思い出となって、またこれからの人生の心の支えとなって、娘さんを成長させていくことでしょうね。
母親として、子供たちのために、肉体的な健康だけではなく、精神的な健康も願いますが、家庭の雰囲気は、子供の精神に大きな影響を与えます。例え、父親がいない場合でも、その子にとっての父親は必ずいますね。どんな理由があったにせよ、お母さんが面白くない雰囲気でいると、自分や子供の運命も暗いものになってしまいます。様々な出来事の中には、私達の魂の向上には必要なことであったり、そうでなければ学べなかったこともあるはずです。そこに神様のほんとの愛を現し出す機会でもあります。そのことに感謝して、子供を授けてくれたこと、有り難いことや明るい面に注目して、神様のほんとの明るい心を自分の心の中心において生きるとき、お子さんはきっと、お母さんに感謝ながら、スクスクと成長していくことと思います。
生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生監修の2016年版『日時計日記』が発刊されています。新しい年を明るく、よろこびに満ちた年とするために是非ご活用ください。来る2016年がみなさまにとって素晴らしい年でありますよう、心よりお祈り申し上げます。
地球環境に配慮した暮らしを
「4R」ってご存知ですか?
生長の家白鳩会総裁の谷口純子先生は、その御著書『花の旅立ち』で、ベルリンの空袋と題され、環境先進国ドイツについて次のように書かれております。
レジに並んで前の人を見ると皆、家から持参の買物袋を持っている。それどころか、買った物を袋に入れて欲しい場合は、袋を買わなくてはいけないのだ。さすが環境先進国ドイツと思ったものだった。(中略)一流ホテルなのに各部屋に据えつけられているのは、エアコンではなく小さな扇風機、ゴミの分別収集のために歩道に置かれた三色の大型容器…。
数え出すと色々ある。(中略)
エネルギーの垂れ流し、使い放題の先進諸国の中で、この配慮はどういう国民性から来ているのだろうか。そういう点で私はドイツを羨ましいと思い、日本に帰って来てからも、思い出すのだ。 (137頁~138頁)
先生が、お書き下さった2001年には、かなり遅れましたが、現在の日本もエコライフ意識が高まってきました。ただ、個人の意識レベルでは、まだまだ差があるようです。
皆様も、次の「4R」を参考にされて、もったいない=物は物にあらず、すべては神さまの命のあらわれと、感謝の心で生活しましょう。
4R・・・リフューズ (断る)―不要なレジ袋や過剰包装など
リデュース (減らす)―買い過ぎない・持ち過ぎない
リユース (繰り返し使う)―使い捨てではなく、中身の補充を心がける等
リサイクル (資源として再利用)―資源の回収に積極的に協力
○今月のやってみましょう
日本の年中行事について調べてみましょう
年末の「餅つき」「大掃除」、年始の「初詣」「年賀状」「書初め」、二月は「節分」、三月は「ひな祭り」と、ほとんどの月に日本古来からの伝統行事がありますね。また、その行事には必ず意味や”いわれ”があります。「お父さんは一年中で何月が一番好き?」―「そりゃあやっぱり一月だね」
「どうして?」―「初詣に行くと、全てが新しくなるようで嬉しいじゃないか♪」
「初詣って、誰が決めたの?大昔からあるの?」・・・こんな会話から親子で、大自然に根付いた年中行事の「いわれ探検」をしてみてはいかがでしょう?平面のゲームの中の遊びばかりではなく、お正月の良い機会に昔ながらのお正月遊びをしてみるのもよいですね。
きっと、お子さんの心に「良い思い出」がもう一つ増えるに違いありません。
さて、今月の普及誌「白鳩No70」も大変参考になりますので、併せてごらんください。また、全国で開催されています生長の家の「母親教室」へのご参加を心よりお待ちしています。