介護-大切な人に寄り添う,幸せな子供の育て方

介護の傍ら、農産加工の夢を叶える

2015年10月10日  

◇子育て、両親の介護、農作業の日々

「私は神の子、光の子、なんでもできます、強い子良い子、いつもニコニコ明るい子。

お父さん、お母さんありがとう。」

30年位前、母親教室で教えて頂いたこの言葉、私は事あるたびに繰り返し胸に刻み、生きてきました。

当時、子育てと両親の介護、農作業と体がいくつあっても足りませんでした。

心筋梗塞と脊髄を患い、当時、寝たきりの母。何度も脳梗塞を繰り返し、子供のようになった父。

二人ベッドを並べての介護生活が長い間続きました。その時私は、悔いなくお世話させて頂こうと自分に誓いました。

父は五年程オムツを必要とし最後の一年は便を押し出す力もなくなり、お医者さんより、

手を入れて取り出すよう言われ、三日に一度の摘便が続きました。

体力が落ちると床づれも起きやすいので食事にも力を入れました。

又、お風呂に入れない両親を、毎日熱いタオルでふいてあげました。

そんな合間をぬっての農作業です。規格外の野菜が多く出、捨てられる野菜と自分を重ね合わせ、こんな野菜でもおいしい漬物になるのにと思い、農産加工を夢見るようになりました。

◇芽生えた夢

自宅裏に壁の落ちた物置小屋があり、介護に疲れるとそこへ行き、ここには流しを、

ガスを、調理台をと夢はふくらみます。

当時JA若妻会の会長をしていた事もあり、総会の席で「農産物を百パーセント活用するには、加工が必要です。加工の研修施設を作って、私達に勉強させて下さい」と強く訴え、

素晴らしい加工施設が出来ました。

私が留守の間、主人、子供達も父母の面倒をよく見てくれ、長く続いた父の自宅介護でしたが、父は眠るように旅立ち、私達家族は、悔いなく父を見送る事ができました。その頃、母もかなり元気になりました。

今、自宅裏には加工場が建ち、我が家の田んぼや畑で収穫出来たものを、漬物、しそ巻き、

味噌、餅等に毎日加工しています。化学調味料を使わず、安心して食べて頂けるものを作っています。

私の夢を叶えてくれたのは母親教室で学んだ時間、学んだ言葉です。今度は私が若い人達に明るい生き方をお伝えしたいと、十年前に母親教室を立ち上げ、若い従業員とその友達が毎月楽しく学んでいます。(宮城県、K.Uさん)