★テキスト
『花の旅立ち』 谷口純子先生著
『美しい国と人のために』 谷口清超先生著
一年最後の今月のテーマは「子どもの心に良い思い出を!」「自然は子どもの豊かな心をはぐくむ」です。文化や伝統の中に流れる、「日本の心」を正しく学び、生まれ育った日本の良さを理解し、子や孫に伝える事の大切さを学んで頂きます。
日本人の心”やまと魂”ってどんな心?
オリンピックでも、アジア大会でも、国際的なスポーツの試合では、「やまと魂で行け~!」「やまと魂でガンバレ!」と、歓声をあげ、応援する声をよく聞きますね。
やまと魂=強く勇ましい・・・そんなイメージにとられがちですが、正しい「やまと魂」の「やまと」とは、本当はどんな意味なのでしょう
「や」・・・八百万(やおよろず)=たくさんの意 「まと」・・・まとまる=調和するの意
日本神話には、八百万(やおよろず)、たくさんの神々が登場します。 私たち日本人の祖先は、山川草木の全てに神が宿ると信じ、敬い、感謝し、神々と大自然と調和して生きてきました。その国が「やまと」であり、その「調和の心」が、やまと魂なのです。
生長の家前総裁・谷口清超先生は、御著書『美しい国と人のために』で、「日本の心」を次のように大変分かり易くお教え下さっております。
皆さんもきいたことがあるだろうが、日本はやまとの国と言った。 ”大和国”とも書くが、大きく和する国である。大調和の広く深い心をもった国ということである。それ故、国内の人々が仲よく暮らし、我利我利亡者ではなく、お互いに親切であると共に、外国とも仲よく調和して、愛の心を世界一杯に現わし出す国、そんな個性の国ということである。 (175頁)
昨年11月から今年の5月まで、半年間もの長期にわたり、日本人初の宇宙ステーション船長という、重要な任務を果たされた若田光一さんは、他の飛行士達との6カ月間、一番大切だった事は?という質問に、「“和”ですね、“調和”の心です」と、ニッコリ笑いました。国籍、人種、宗教の違いの全てを超えて、調和する「日本の心」は宇宙開発にも大きな役割りを果たしたのです。
法則と秩序を尊ぶ「こころ」
私たちが住む地球は、太陽を中心とした、太陽系の惑星の一つです。また、私たちを取り巻く全ての物質は、原子核を中心とした原子の構成で成り立っています。巨大な宇宙から微小な原子まで、全ての物に中心があるという宇宙の法則と秩序によって、一切が成立しているのです。
先にご紹介しました『美しい国と人のために』で、谷口清超先生は、更に次のように教えて下さっております。
このように宇宙には中心があり、それが秩序を保つもとの力になっているが、それと同じように国家にも中心があり、家庭にも中心がある。単に皆が平等で自由であるだけではなく、秩序性をもってまとまっているのであり、日本という国には、全ての国々の中でもっともハッキリ永続した中心があるので、国家としてもよくまとまる国である。(177頁)
日本は他に類のない天皇様を中心とした国です。革命や武力によって得た権力で、国民の上に君臨し、支配する王とは違い、ただ、ひたすら、国と民の安泰と繁栄を、神々に祈る「神事」を代々される、「無私」・・(私欲がない)中心者が「天皇」なのです。
大震災の被災地に、ご自身の体調をも省みられず訪れ、膝を折って温かくお優しい励ましのお言葉をかける両陛下のお姿は、私たち国民にとって精神的な父母そのものでした。このような「天皇」を心の中心者にいただいている日本人は、本当に有り難く幸せな国民ではないでしょうか?
家庭における大切な秩序
「家庭の中心は誰?」と聞かれたら、皆様は何とお答えになるでしょう。
答えは大自然の全てが教えるように、父親が一家の中心=大黒柱です!これは決して男尊女卑ではありません。職業の種類や、収入の多少ではなく、大自然の法則ですから、父親を中心に家庭が秩序を持って調和してゆく事が、家族の幸せの「基本」なのです。
子どもは母親のことが大好きです。子どもの前で父親を貶したり、愚痴を言っていますと、子どもが小さい時は、母親の言うことを鵜呑みにしてしまい、父親は母親を悲しませる、困らせる存在と思ってしまいます。母親の眼を通して、父親を観てしまうのです。
子どもが成長すると、父親の悪口を言う母親の言動に矛盾を感じ、母親を尊敬できなくなるのです。子どもは一家の中心である父親を、母親が尊敬し、その母親を父親も尊敬している夫婦調和の姿を通して、男尊女尊を学んでいきます。
子どものこころをはぐくむ良い思い出とは?
生長の家の母親教室では、良い子=幸せな子とお教えします。では、幸せな子ってどんな子?、子どもの幸せとは何でしょう?幸せな子とは、両親が大好きな子です。お小遣いをいっぱい貰っても、学年トップの成績でも、「父母」を思う時、心が暗く、憂鬱になる子は決して幸せな子とは言えません。そして「両親が大好き」になる一番の秘訣は「両親の円満・調和」の姿です。何をしていても、何処へ出かけても、どんな事があっても、「家」を思い、「父母」を思うと元気になる子、心がホワ~ッと温かくなる子は、両親が円満調和=両親大好き=幸せな子=良い子という方程式が成立です。そして、幼児期から「両親が大好き」という、明るい楽しい思い出が、いっぱいある子が、良い思い出をいっぱい持つ子なのです。
昔は、父親が月に一度「給料袋」を持って帰りましたので、母親が子ども達の前で「お父さん、ありがとう」と感謝する日がありました。今では殆どが口座振込みですから、通帳を見てニッコリするだけです。今日からは、「お父さん、ありがとうございます」「お父さんのおかげね」という言葉で家族の中心である父親に、きちんと感謝の言葉を伝え、賛嘆しましょう!「エ~ッ!今更?」というお母様、今年の締めくくりの『日時計日記』、毎日のページを「お父さんありがとう」で埋め尽くしてみませんか?全く新しい喜びの心で、新年を迎えられる事、請け合いです。
家庭の伝統行事を大切に!
年末年始は、日本の文化・伝統として続く、様々な行事があります。餅つき・大掃除・年賀状書き・松飾り・初詣、まだまだありますね。
この年末年始の行事を、お父さんを中心にして計画してみませんか。普段は、仕事が忙しくて、子どもと接触する時間があまりないお父さんには、子どもと心を通わせる絶好な機会です。
例えば、子どもが、この年末年始の行事について、母親に「どうして・・・・?」と質問してくる時があるとします。そんな時、「お父さんに聞いてみたら?」と、その質問に対して、お父さんに答えてもらうと良いですね。答えが分からなかったら、お父さんと、ネットやスマホで日本の様々な行事の意味を一緒に調べてみると良いと思います。
そのようにして、お父さんと行動を共にする中で、普段は、中々聞けないお父さんの仕事の話、社会の仕組み等を通して、お父さんへの尊敬の気持ちが強くなります。
このような機会を作ることも、母親の大切な務めです。このような機会は心はぐくむ良い思い出になることと思います。!
★やってみましょう
”もったいない”精神で、ゴミを削減!
生長の家白鳩会総裁 谷口純子先生の御著書『花の旅立ち』の中、”ベルリンの空袋”という御文章があります。
人が来ると動き出すエスカレーター、ホテルの部屋から出ると電灯が自動的に点く廊下、一流ホテルなのに各部屋に据えつけられているのは、エアコンではなく、小さな扇風機、ゴミの分別収集のために歩道に置かれた三色の大型容器・・・(中略)エネルギーの垂れ流し、使い放題の先進諸国の中で、この配慮はどういう国民性から来ているのだろうか。そういう点で私はドイツを羨ましいと思い、日本に帰って来てからも、思い出すのだ。 (138頁)
便利さと豊かさの中で、「ありがたさ」=「有り難さ」=有る事が難しい事への感謝と、”もったいない”精神が失われつつあります。2004年ケニヤの女性、ワンガリ・マータイさんは、日本の”もったいない” 精神で、環境保護を訴え続け、ノーベル平和賞を受賞しました。天地一切の「もの」、大自然の全てに感謝する思い”もったいない”精神で、多くを買い過ぎず、無駄に使い過ぎず、ゴミを出し過ぎず、わが家の環境大臣として、心のノーベル賞を目指してまいりましょう!