2015.04
★テキスト
『日々の祈り―神・自然・人間の大調和を祈る』 谷口雅宣先生著
『小さな奇跡』 谷口純子先生著
『新版 女性の幸福365章』 谷口雅春先生著
四月は、日本列島が濃淡の桜色に染まり、まるで新年度・新入学・新学期を祝福するかのように鮮やかに輝いています。新しい出発の準備に、気ぜわしかったお母さまたちも、入園・入学を迎え成長したわが子の晴れ姿に、感無量の思いではないでしょうか?
四月の母親教室テーマは「いのちの尊さ 生まれてくれてありがとう」です。ランドセルを背に、元気いっぱいのわが子を初めて胸に抱き、新しい「いのち」と対面したあの日あの時に戻り、「生まれてくれてありがとう」の心を今一度思い返し、感動するお母様の新学期に致しましょう。
今、あまりにも「いのち」が粗末にされてます
阪神淡路大震災から20年、東日本大震災から4年、未曾有の天災を通して、私たちは「いのち」の尊さ、家族の大切さ、人間の絆の素晴らしさを知ったはずでした。ところが現実はどうでしょう?
13歳の少年の明るい笑顔が残酷に消された事件が、社会に大きな衝撃を与えました。
親が子を、子が親を虐待し、命さえ奪う悲惨な出来事が後を絶ちません。「イライラした」「ストレスが溜まって」「誰でも良かった」「ムカついた」尊い命と引き換えるには、あまりにも軽い理由の数々・・・
今こそ「いのち」の尊さ、生きる喜び、人間神の子の素晴らしい真理を、命を授かり育てる全てのお母様に、知って頂きたいと思います。
生命の神秘の数々知ってますか?
皆様は自分たち夫婦が、わが子を「作った」と、お考えでしょうか?もし両親が「作り主」なら、男女の産み分けも、誕生の時期も、性格や能力も全て思い通りに出来る筈です。ところが、世の中には子どもが欲しくても授からない夫婦、予定外の妊娠に戸惑う夫婦もたくさん居るようです。妊娠中、今迄と変わらない生活の中で、胎児はすくすくと成長します。どんなに緑の野菜を摂っても、母乳は緑色にはなりませんし、赤ちゃんに必要な栄養分がお母さんの血液を通して、白い母乳となって出てくることも不思議でなりません。
子供の生命は神様ご自身が意識的に自己実現の願いを持って現れた神の子であって、地球の未来を創る素晴らしい生命なのです。そのような生命であるからこそ、神の無限の智慧、愛、生命を与えられ、また生まれてからも、沢山のものの生命に支えられてこそ成長できるのです。
そこに人間智で計り知れない、「不思議」=生命の神秘があります。医学や科学では解き明かせない「生命の神秘」による命の誕生!「授かった生命は神のいのちが宿る神の子」なのです。
そうだからこそ、子供が誕生したとき、「お宮参り」をして、産まれた子供を神の生命として礼拝し、
神様の祝福を受けるのだと思います。
生長の家総裁 谷口雅宣先生は御著書『日々の祈り』の中の、“神の無限生命をわが内に観ずる祈り”に
私が何を命じなくても、精緻複雑なこの体が正常に機能しているのは、 神さまの無限の生命力のおかげです。私が普段、その神秘に気づかず、体の諸器官や臓器や組織が正しく働くことを「当たり前」と考えていたことを反省します。(中略)私はすべての人々と生物と環境全体が、神さまの無限の命によって深く結ばれ、輝いていることを感じます。
神さま、すべての人々は、あなたの生命に生かされている神の子です。すべての人々は、私と同じく、神さまに愛され、神さまの知恵と愛と生命を共有し、それを表現する大いなる使命をもって生まれています。(75~76頁)
このように神秘なる「人間神の子」をお説き下さっております。人間誕生が物質的な精子と卵子の結合、肉体的な男女によるものという発想から、いのちの尊さが忘れられ、自分の子になろうとしている生命さえも、性別や遺伝的形質において「選り好み」をするという選択肢をもつ人もいます。生まれてくる子の幸福ではなく、自分の都合を第一に考え、生まれていても親の愛を知らない子どもがいることは残念なことです。そのような社会の風潮が悲しい事件を起こしているような気がします。生命誕生は神様の自己実現の願いを持って生まれ、神様の計画の中になくてはならい使命をもった存在なのです。子どもは親の所有物ではありません。神様の生命を宿し、ご先祖さまから、生命を授かった生命の先端であり、かけがえのない尊い尊い存在ですね。「子どもは神の子 尊いいのち」と、人間の本質を知った時に「いのち」を尊ぶ心、拝む心、大切にする心が生まれます。
わが子を「愛する」ということは
Yさんが、一人っ子のR君を授かったのは、わが子の誕生をあきらめかけていた結婚11年目でした。その時の感動と喜びは、言葉にならないほどでした。無事に生まれた第一声「オギャア~」を聞いた瞬間、思わず口から出たのは「あ~神様!ありがとうございます!」でした。その愛する一粒種のR君が、中学二年の夏休み明けからおかしいのです。「うっせ~な」「ババア」という言葉の変化、学校への遅刻も常習でした。Yさんは心配でたまりません。食欲までなくなりました。そんな時、実家のお母さんから一冊の白鳩誌が送られてきたのです。そこに、生長の家創始者 谷口雅春先生の御著書『新版 女性の幸福』からの次のような御文章が載っていました。
「愛する」ということは子供の事を心配することではない。「心配する心」の中には「子供の実相の完全さ」を疑う心がある。「子供は善良でないかもしれない」とか「堕落するかもしれない」と「悪」を見る心がある。愛するということは、相手の「悪」を見ないで、実相の完全さを信じ、実相を心で見詰め、実相を礼拝して、その実相を讃嘆し、心の力によって、そして言葉の力によって、その実相の完全さを引き出すことである。(337頁)
R君が生まれたあの感動の瞬間、「神様!」と叫んだ感謝の心はどこへ行ったのでしょう?目の前の姿だけを見詰め、育て、世話をする生活で、「ちゃんとしなさい」「しっかりね」「早く!」と、完全な指示型ママになり、一番大切な「子供の実相完全さ=神の子」をすっかり忘れていたのです。
最近ではR君の態度を見る度に、「悪い友達が出来たのかも」とまで・・
白鳩誌を読み、ウェブサイトの母親教室を見て、Yさんは気づきました!「悪い友達なんていない、心配して悪を見る私の心のせいだった」と。お母さんの勧めで買った『日時計日記』(良い事、嬉しい事、楽しい事だけを書く日記)に毎晩書き続けました。
Rは神様から頂いた神の子です わが家に生まれてくれてありがとう
Rの周りの全ての子も神の子です この世に生まれてくれてありがとう”
三学期に入った朝、二階から大慌てで降りてきたR君、「母さん、朝飯!遅れるよ早く!」の声にびっくり、朝食の準備をしながら涙の止まらないYさんでした。
土に種を蒔いても、外から見ればわからない間も、種の中では、グングンと育っていますね。芽の時期も蕾みの時期も、心の中には、すでに美しい花が存在しているからこそ花が咲くのを待つことができると思います。目の前に現れている姿にとらわれず、その子の生命の素晴らしさを心の目でしっかりと観て応援できる親でありたいですね。何より、そこに生きてくれているということが有り難いことです。
生長の家白鳩会総裁 谷口純子先生は御著書『小さな奇跡』の中で、次のようにお書き下さっております。
神様は人間の目に見えず、感覚によって直接指示を与えられないから、人間は迷ったり悩んだり失敗することもある。しかし、だからこそ人間は自らの力で考え、努力し、生きる喜びを味わうことができる。また、そんな経験を繰り返すことで初めて、自分の内部にある〝見えない神〟を感じるようになる。そして、やがて他のすべての人の内部にも同じ神があるとの確信にいたることができるのである。 (178頁~179頁)
私たちは、知識として学んだことだけでは、本当にそうだと確信することは、なかなかできません。人生のさまざまな体験の中で、努力し実践してはじめて、「ああそうだ」と気づかせていただくことが魂の成長につながります。そして相手や環境の中に自分のまだ表現の足りないところ見つけて、お母さん自身が本当の自分の素晴らしさを表現していくのですね。
迷ったり、悩んだり、失敗しても、胎動で「いのちの尊さ」を知り、「生まれてくれてありがとう」の瞬間を感じた母だからこそ、わが子の中に、全てのいのちに神を観ることが出来るのです。地球上の71億人の中で、親となり子となる出会いは、決して偶然ではありません。神の自己実現の使命がピッタリ合う「魂」同士が出会い、親子家族となり、人生学校で学んで行くのです。
今月は、この出会いを祝福賛嘆する言葉「生まれてくれてありがとう」を、発生音(声)で、表情(笑顔)で、思い(祈り)で、惜しみなくいっぱい表現致しましょう!
『日時計日記』についている「生活の記録コーナー」記録をつけてみましょう。
地球の温暖化の大きな原因は温室効果ガスの増加です。巨大なビル街や工業地帯から排出されるのが原因と思われがちですが、私たち一般家庭の電化製品に囲まれた生活からも、大量の二酸化炭素が放出されているのです。『日時計日記』の巻末に付いている「生活の記録コーナー」をつけ、前年と比べながら、私たちのいのちは、地球環境を構成するすべてのものによって、支えられていることを忘れずに、少しでも地球環境に優しい配慮を、ご家族で考え、身近な出来る事から実行する参考に致しましょう。
★やってみましょう
子どもに「生まれてくれてありがとう」と言いましょう
幼い子どもさんは、言葉といっしょに抱きしめてあげるといいですね!
生命をいただいた、神さま、ご先祖様にも
「いのちをいただき、ありがとうございます。」と感謝しましょう。