WEB版母親教室

2015.06 『子どもの個性を生かすコトバの力・コトバの力って知っていますか?』

2015年9月8日  

2015.06

   ★テキスト

『生長の家ってどんな教え?―問答有用、生長の家講習会』 谷口雅宣先生著

『コトバは生きている』 谷口清超先生著

『「ありがとう」はすばらしい』 谷口清超先生著

 

六月は北海道を除く日本全土が、「梅雨」の時期に入ります。来る日も来る日も雨続きで、気分もうっとうしくなりがちな梅雨ですが、厳しい猛暑の七・八月を迎える地方にとっては、欠かせない大切な水を「水がめ」に貯めるために、大自然が用意して下さった貴重な月なのですね。そう感謝して見回すと、木々の緑も生き生きと潤い、通学・通勤に行き交う色とりどりの傘や、ビニール傘までもが、明るく嬉しく感じられます。六月をこのような「コトバ」で表現することで、梅雨のイメージもうっとうしくなったり有り難くなったり変化しますが、今月はこの「コトバ」の持つ不思議な力、個性を生かす子育てに、すぐに役立つ方法を学んでみましょう。

 

無限の可能性を引き出すコトバの力

ところで個性・天分とは何をいうのでしょう?個性=独自の性格・性質・持ち味  天分=生まれ持った才能(能力)でも、それは決して特別なものではないのです。地球上70億の人間の「顔」は、眉・目・鼻・口・輪郭・肌の色と同じように造られているようで、同じ顔は一人も居ませんね。双子でも全く同じ「顔」ではありません。世界にたった一人しかいない、なくてはならない尊い存在そのものが私たち一人一人です。そして、それぞれにその子でなければならない個性・天分があり、全ての子が神の子としての、無限の可能性を秘めているのです。

生長の家では、“神の子の個性・天分・無限の可能性を信じて引き出して伸ばす”のが真の教育と考えます。

では、その個性を生かし伸ばすにはどうすればよいのでしょう。

 

谷口清超先生は、ご著書『コトバは生きている』の、“はしがき”に次のようにお書き下さっています。

   

「幸福な生活」を送ろうと思うなら、それをコトバで表現しなければならない。たとえば「ありがと

う」というような、感謝のコトバが沢山出て来ないと、幸福は訪れてこない。(中略)このようなコトバの力は、さらに動物や植物にも及んでいる。彼らも泣き声や行動でコトバを発し、お互いに交通しったり、時には争い合ったりする。人と動物や植物との間にもコトバが通じ合い、コトバは宇宙にもこだまし、地球や太陽のコトバが人間や動物にも波及して、春夏秋冬の気候風土となるのである。 (はしがき・・2頁~3頁)

このように“コトバ”には引き出す力・創化(つくる)力があるのです。

なんでも、心の中に「想う」とその通りに心の中でコトバを出しています。そして、想いと行動をつないでいるものもコトバです。ですから、コトバによってすべてのものがつくられていることに気がつきます。また、コトバによって心を変えることができますし、さらに、コトバが世界を変えるとも言えるのです。ですから、いつも、何気なく使っている言葉でも、決して馬鹿にしてはなりません。

悪い行い、悪い言葉、悪い想いはコトバの力の誤った使い方です。善い行い、善い言葉、善い想いを繰り返し表現することで、善い運命がつくられていきます。

 

コトバの力を子育てに生かす具体方法は

生長の家では、口から発する「言葉」だけでなく、具体的に表現される前の「想念」や「表情や行動」も含まれた三業を「コトバ」といいます

さらに谷口清超先生は、同書のはしがき冒頭で、コトバ「身・口・意」のについて分かりやすくお教え下さっております。

   しかしコトバは口ばかりで言うのではない。目くばせとか、目礼といって、「目でものをいう」こともあるし、おじぎをしたり、握手をしたりするのもコトバである。時には涙を流して悲しい心を現すが、嬉しい時にも涙で表現する。さらに表情や態度や行動でもコトバを表す。だからコトバは「身・口・意」の三業といって、全てをふくめて業となる。善業や悪業ともなり、全生活を支配するから、「コトバは生きている」と言えるであろう。(1頁~2頁)  

 

○身・・・顔の表情や態度一つで思いが伝わり、心は伝染します。 赤ちゃんや幼児は、お母さんがニコニコすると一緒に笑いますが、悲しい表情をすると、ベソをかきます。

《和顔》 穏やかな優しいお母さんの笑顔は、明るい家庭の必須条件です。朝起きた時、夜寝る時は必ず笑顔で挨拶やスキンシップをしましょう。情緒の安定した子が育ちます。

○口・・・発生音の語調やコトバそのものが、子供の心身に影響を与えます。

   《愛語・讃嘆》 文字通りの愛情がこもった言葉が、とても大切です。親子だから言わなくても分かるでは、いけません。ほめて、認めて、豊かな愛語、これらは心の発育時に自信と勇気を与え、自己を肯定するポジティブな性格を創ります。

 

○意・・・心の想い。心全体を100%ににすると、表面の心である現在意識(5%を占める)と、心の深層にある潜在意識(95%を占める)があります。表情や態度に、また発生音として表現するには、心の中の想いも伴っていることが大切です。なぜなら、この三つはそれぞれに影響しあっているからです。

無意識のうちに考えたり、思っていることも、改めてその内容(コトバ)を点検してみることも必要です。意識して、善いコトバを繰り返し、繰り返し思うように練習すると、現在意識から潜在意識へと善いコトバで満たすことができます。

 

何もいわなくても、お母さんのなんとなくあたたかい感じや、見るからに荒々しい感じとか、そうい

う言葉にあらわされる前の、表情にあらわれる前の想いは、言わなくても、あらわさなくても、子

供は敏感に感じるものです。ですから、お母さんが、自分の子供をどう観ているかどの程度信じて

いるかが大切です。

たとえ、今、現に子供の素晴らしさが十分に現れていなくても、その子でなければならない天分があることを信じて、身・口・意のコトバの力を活用して、神の子の内なる目に見えない無限の可能性を引き出します。一回のコトバの力は小さくても、それが善なる方向に繰り返されることで、大きな力を発揮します。

 

 

チック症のわが子から学ぶ

小学校二年生のYちゃんの激しい「まばたき」に、近くの眼科に連れて行ったお母さんに、先生の言葉は意外なものでした。「これは目の病気ではありません。チック症という心の病気ですよ。厳しくて、うるさ過ぎるお母さんですか?」・・・図星でした。

初めての育児と几帳面過ぎる性格から、愛情表現より「しつけ」優先の毎日が、Yちゃんの心を追い詰めていたようです。最近では「まばたき」を不気味がられて、クラスでも孤立していました。悩んだお母さんは、生長の家の「母親教室」に通い始めました。

講師の先生のアドバイス―「チック症は“お母さん愛して!”の信号ですよ。Yちゃんの心の引き出しに、お母さんの優しい愛情表現が不足してるんです。どんなお薬より、お母さんの笑顔とスキンシップ、『日時計日記』に、“Yちゃん神の子 強い子良い子!生まれてくれてありがとう”と書き続けましょう」―アドバイスの後で、お母さんに一冊の『日時計日記』を、紹介してくれました。

お母さんが「母親教室」に通いながら、神の子の円満完全のすがたを心の眼で観て、和顔・愛語・讃嘆の実践を始めて二年、担任の先生が家庭訪問で言いました。「まばたきがずいぶん治まってきましたね。友達も何人か出来て、学校が楽しいようです」・・・「コトバの力」を実感したお母さんでした。毎日、お母さんが、自分で自分に言い聞かせるように、『日時計日記』を書き、心の中で善いコトバを唱え続けることでお母さん自身の信念が変わり、その想いでお子さんに明るく接していかれたとき、お子さんに変化が現れたのですね。皆様もぜひ、ご家族の善いとこ探しをして、『日時計日記』に書き続けみてください!

 

子供の無限の可能性を引き出すには、お母さんの視点をお子さんの現れている姿に集中しないで、お子さんの内なる可能性の素晴らしさにに集中して、今現実に見えている善い面や優れている点をお子さんに、どんどん言葉に出して表現すると、生きる意欲が育ちます。子供自身に自分の善い面や優れている点を気づかせあげることが大切ですね。日本一美味しいトマトを作って、話題になった栽培農家の御主人は、その秘訣を聞かれて「毎日う~んとほめたんだよ、野菜はコトバが分かるからね」と言ってました。「コトバ」には野菜は勿論、家族の幸福な人生を創り出す力(創化力)があります。お子さんの個性を生かし、引き出すのも、幸福も健康も、お母様の明るい「コトバ」によって創られるということです。

      

今なぜ生長の家はノーミートを勧めるのでしょう?

今、この美しい星・地球上のあちこちで、争いやテロが頻発しています。豊かな国々の肉食を支えるための、大量の穀物肥料と農地の獲得競争、化石燃料の大量消費、その一方では貧困と飢餓で苦しむ国々、そのような不平等や格差が争いの原因の一つと言われます。

 

生長の家総裁・谷口雅宣先生は、ご著書『生長の家ってどんな教え?』で、次のようにお示し下さっております。

   地球環境問題や戦争などの大きな問題は、我々が今までのライフスタイルを変えないでいて、何かが変わると思うのは間違いなんです。なぜかと言えば、この世界は唯心所現の世界だからです。 (中略)家畜が食べる穀物を育てるために、石油を原料とする化学肥料が大量に使われます。「他人や他の生物を犠牲にして栄えよう」という我々の心が巡り巡って、こういう問題に結びついている。そういう反省の上から生長の家では肉食の削減に取り組んでいるのです。 (236頁~237頁)

※唯心所現…私たちの人生は、ただ自分の心が現したところのものである(同書40頁

遠い国の、知らない世界の出来事ではありません。同じ星に生まれ、同じ時代を生きる同じ命を大切に思う心、与え合い分かち合う心、そのような豊かな心が豊かな人生を築きます。肉食を減らし、ノーミート料理を始めることは、子供たちが社会人として生きる次世代の地球環境が美しく、安全で住みよい環境であるために、母親としてできる尊い愛行ですね。

 

☆今月のやってみましょう

毎日、20回以上「ありがとう」のコトバを唱えましょう

家族の和顔・愛語・讃嘆の「ありがとう」を聞いたり見たりして育つと、大変すばらしいコトバを学習し、それを自らも使い、人生をバラ色に表現することになる。(『「ありがとう」はすばらしい』186頁)

愛の心を添えて「ありがとう」あなたのそばにいる家族に伝えてください!