WEB版母親教室

2015.08 『親と子のコミュニケーションを大切に・親子で楽しもう!』

2015年9月8日  

 ★テキスト

『太陽はいつも輝いている-私の日時計主義 実験録』 谷口雅宣先生著

『平和のレシピ』 谷口純子先生著

 

真っ青な空とまぶしい太陽、まっすぐに首を伸ばして見上げるひまわり!背高のっぽや小柄なのや、少し首をかしげているのが並んで「真夏の主人公は自分たち!」とばかりに胸を張っています。夏休みは子ども達にとっては嬉しい楽しい毎日ですが、仕事を持つお母様達から「疲れる~」「長い!」「もう、そろそろ」の声が聞こえてきそうです。でも、一学期が終わった後のこの長い休暇は、成長期の子供にとって、取り巻く環境や友人関係の中で、心身が大きく変化する時期でもあるのです。この夏休みは、親と子の大切な「コミュニケーション」を通して、子供の本物(実相ほんとのすがた)が見えるお母さんになって頂きたいと思います。

 

目を合わせない子が増えています

保育士さんや幼稚園の先生、小学校低学年を担任する先生達が、最近の子ども達について、「目を見て話す(アイコンタクト)が苦手な子が多い」と、よく話しています。 その子供達に、先生の目を見て勉強する習慣をつけると、かなり成績が上がったというのです。

確かにアイコンタクトは集中力を高めますが、幼時期からのお母さんの接し方が子どもにはとても影響を与えるのです。子どもに接するとき、自分の親の口癖がまた、親としての自分の口癖になっていて、ハッとすることがあります。しかし、そのような親のコトバの習慣がその子の一生を支配しかねません。そしてまた、そのコトバは生理作用にも影響を与えます。よく皆さんは、梅干しと聞くだけで、食べたことのある人は、すっぱくなりますね。このようにコトバ(思念・発声音・表情)をうけて、私たちの心身は敏感に反応します。

 

★子供と目を合わさずに、何かをしながら話す事が多い

★幼児期からスキンシップ(おんぶ・抱っこ)や愛情表現が少ないなど思い当たるお母さん、まず子供(人間)の根本願望を知る事から始めましょう。

 

供(人間)の根本願望とは?子供(人間)の5つの根本願望

1)愛されたい

人は愛されるために生まれてきます。特に両親から愛される喜びは、大きな満足感・安心感になり、情緒の安定した子を育てます。

2)認められたい

存在価値が認められないと人間は不安になり、突飛な行動や反抗で注目を集めて「認めて!」の信号を発します。「さすが○○ちゃん!」「○○ちゃんだからこそ」は勇気と自信の源です。

3)ほめられたい

愛されても認められても、「ほめコトバ」で表現しなければ、親子なら黙っていても・・では伝わりません。個性も天分もほめられてこそ伸びるのです。

4)お役にたちたい

2)の存在価値が認められて、誰かのお役に立つことほど大きな喜びはありません。特に大好きなお母さんの「○○ちゃんのおかげね」のコトバは、他の為に尽くす=ボランティア精神=愛行の心を育て、やる気と生き甲斐を与えます。

5)自由でありたい

5つの根本願望中、母にとって一番難しいのが子供の「自由意思」の尊重です。生まれた時は「授かった我が子」も、年月と共に「私の子」への執着心に変化するからです。

 

四月のテーマ(いのちの尊さ・生まれてくれてありがとう)で学びましたように、「子供は神の子・尊い命」です。わが子の本質は「神の子」であり、完全で円満なのが本来のすがた(実相)ですから、親の取り越し苦労や執着心で取り囲むのをやめて、子どもに宿る神性を信じ、その子の素晴らしさを引き出せる親でありたいですね。

 

生長の家白鳩会総裁・谷口純子先生は、御著書『平和のレシピ』で次のようにお教え下さっております。

親は往々にして子供を自分の所有物延長のように考える。そして、親の理想どおりに育ち、親が願う職業についてほしいとさえ思う。結婚相手にしても、親の勝手な思いや好みを押し付けたりする。これらはすべて、子供を自分のにはめようとする、親の執着心の表れである。(中略)親は普通、自分の子への思いは、その幸せを願えばこそなどと思うのだが、その気持ちをよくよく見つめると、結局のところ子供の気持ちではなく、自分の希望や好みを押しつけている面が案外多いものだ。(92頁~93頁)

 

子どもをいつまでも可愛いお人形のように自分の所有物と思っていると子どもは成長するにつれて、親の所有物のように支配されることを好まなくなります。その状態に対して、親は悲しく思ったり、嘆いたり、心配してしまいますが、それは、子どもの自意識が発達している証拠でもあるわけです。愛する者を成長させて、自分から離れて行けるように援助して行くためには執着の利己的な愛情ではなく、信じて放つ大きな愛も必要となってきますね。

 

忙しい生活だからこそ”心の触れ合う”時間を!

仕事に家事に子育てに、自身のささやかな時間さえも持てない!と嘆くお母さん。親と子のコミュニケーション=心の触れ合う時間を短い区切りではなく、長いスタンスで見直してみましょう。

 

わが子の多動性行動障害(じっとしている事が出来ない)で、悩むKさんは、経済的な理由で一歳半から保育所に預けての生活でした。お勤め帰りの買い物!子供のお迎え!干した洗濯物を入れて夕食準備!身体が二つ欲しい忙しさです。

「ママ~」の声にも空返事、「危ない!動かないで!」を、ヒステリックに連呼、やっとの寝顔に「ごめんね」を繰り返す自己嫌悪の毎日でした。

生長の家『母親教室』の講師をする、ご主人のお母さんから嬉しいアドバイスが届きました。

☆長い人生で、抱っことほほずりの時間は短いもの、帰宅後の一番目は、家事よりも何よりもスキンシップを最優先しましょう。

☆おなかが空いても、心が「愛」で満腹になると、騒がずに待つ事が出来ます。「ママ~」と呼ぶ声を大切に、「ハイ」とニッコリ笑顔「ポン」と反応しましょう。

と教えていただきました。そして、栞が挟まれた一冊の本が同封されていたのです。

 

生長の家総裁谷口雅宣先生の御著書『太陽はいつも輝いている』でした。お母さんが栞を挟んだページには、次のように書かれていました。

 

「神が創造した本当の世界には善のみがある」と知ることで、私たちは、人間の心によって作り出される現実世界の様々な悪現象を目の前にしても、心を萎縮させて逃亡することなく、悪現象のに光る善性や、悪現象の〝背後に隠れる善意を認め、それを引き出す方策を思いつき、状況を改善することができるのである。(中略)そういう解決に至るためには、「光はいつもそこにある」こと、つまり「神が創造された本当の世界は善一元である」との信念と信仰が必要なのである。(29頁~30頁)

 

Kさんは「障害児」という現実の奥に、わが子の素晴らしい善性、太陽が輝く世界=善一元の世界を見つめ、それを言葉で認める訓練として日時計日記をつけ始めると共に、親と子の毎日のコミュニケーションを大切にして、自分自身も自己嫌悪から自己讃嘆へと心のハンドルを切り替える努力を続けました。我が子がサッカーに燃える中学生になって、「行ってきま~す!」と元気に飛び出す後ろ姿に、「行ってらっしゃ~い(神の子さん)!」と送り出すKさんでした。

 

「現象として欠点や欠陥が目の前に見えていても、実相がその背後にあるから必ず良くなるという強い信念と信仰がないかあるか」によってお母さんの心の向きも変わりますね。

子どもには、その子の持っているいのちのリズムがあります。皆が一定の速度で成長するわけではありません。今、目の前にいる子どもを、肉眼の目でその一部分だけを観るのではなく、いかに子どもの本物の全体の姿を観ることができるかということが大切です。朝顔の種を蒔いて地上に出ている部分が成長していないように見えても、根を伸ばしている状態かもしれません。まだ、花が咲いていなくても、蔓をのばしている状態かもしれません。ですが、お母さんの心の中に根の状態から花を咲かせ実がなる状態までしっかりとイメージすることができれば、心は明るさを失うことなく、希望を持って、水や肥料を与えることができます。人間は神の子と教えていただいていますから、私たちは、どこどこまでも、子どもを理想化し、神様の愛の中に完全な神の子の相(すがた)があることを信じて、明るく楽しいことを子どもの心に印象づけ、親子の温かい心の触れあいを大切にしたいものです。

 

子どもの心を豊かに育むコミュニケーションを

 

子どもの時代は長い人生の中ではとても短いものですが、子どもが幼いときは、お母さんにとっても一番忙しい時で、休む暇もなく長く感じるかもしれません。ですが子どもの感性が養われる一番大切な時期でもあります。例えば、自然の中で一緒に遊んだり、絵本を読んであげることなどは、あとではできません。しかし、そのようなことの中には、子どもの心に直接働きかけ、その子の感性が磨かれるものがたくさんあります。お金を出して、なにか物が手に入るというようにすぐに目に見える形として現れるものではありませんが、子どもの心の中に、たくさんのよい種を蒔くことができます。種が蒔かれていれば、やがて縁に触れ、時期がくればスクスクと伸びはじめます。

夏休みは家族で海や山へ、お盆を故郷で迎えたり、たくさんの思い出作りのチャンス、楽しいコミュニケーションの宝庫です。夏休みは、お父さんも一緒に子どもと関わり、父親の声や父親の強さを感じることもできます。故郷のおじいさんやおばあさんの慈愛に満ちたまなざしは大切な心の安らぎの場所となるかもしれません。また自然と触れる時間を多く持つことによって、自然との距離を縮め、美しさを感じたり、不思議さをみつけたり、手作りの楽しみなど味わいながら自然との一体感を感じることもできます。旅の途中、電車やバスを利用する中では、社会の秩序を身につけたり、

身体の弱った方の手助けをしてあげたり、席をゆずったり、愛情を受けるだけでなく、他に与える、お役に立つ喜びを子どもたちに伝えることもできます。

そのようなコミュニケーションの中で、手段としてではなく、親自身が一緒に感動し表現しながら、よきコトバ(身・口・意)の習慣を伝えることは、きっと子どもたちの善い運命や心身の健康、心の豊かさにつながっていくことと思います。

 

祖父母時代の知恵を今に生かしましょう

朝顔や蔓科の植物を窓辺に置き、西陽が当たる縁側には簾やヨシズ、玄関まわりに「打ち水」、「うちわ」と「扇子」で体を扇ぎ、風にゆれる「風鈴」に”涼”を感じる・・・現代の猛暑・酷暑には生ぬるい方法ですが、エアコンの設定温度を少しあげる助けにはなります。冷房の設定温度を1℃高くし、

 

暖房の温度を1℃さげると年間33kgの二酸化炭素を削減出来るのです!ちょっと面倒でも祖父母時代の避暑の知恵を、今に生かしてみませんか?・・・「面倒くさいは地球を救う」のですから。

 

今月のやってみましょう

子どもと一緒に自然探索したり、季節の手作りグッズを作ってみましょう

九月の教室では、皆さんの自然探索の様子や、手作りグッズについて

ぜひ発表して頂きたいと思います。今からとても楽しみですね!