2015.04
テキスト 谷口純子先生著 『うぐいす餅とバナナ』
『白鳩』普及誌No.61
谷口雅春先生著 『生命の教育』
桜が満開の季節です。この春、小学校に入学したばかりの真新しいランドセルを背負ったピカピカの可愛い一年生を見ると、思わず立ち止まって、エールを送りたくなりますね。
ご両親も子どもさんが元気に楽しく学校生活を送り、立派に成長してくれることを願っておられることでしょう。
今月のテーマは「子育て、夫婦で協力していますか?」です。
子育てには、夫婦調和が大切です。
良い子を育てるには、暖かい苗床のような家庭をつくることが大切です。子どもにとって一番幸せなことは、父母が仲良く和顔・愛語・讃嘆している姿を見ることです。その温かな愛深い雰囲気に包まれて子どもは安心してスクスクと育っていくのです。夫婦が仲良く調和し、お互いを生かし合い、思いやりと感謝の心を持って明るく愛深く生活していくと暖かく平和な家庭が実現し、子どもにとって最も適した環境となります。
結婚当初は、夫も妻も幸せな家庭を築こうと希望に満ちて、新生活をスタートさせ、何事も相手の喜ぶように考えてしますが、やがて生活に慣れてくると、意見や習慣の相違、欠点が見えてくるものです。不満やストレスが溜まると夫婦の間に溝が生じます。そうなる前に、心の中に不満を溜めずに話し合うことです。「言わなくても分かるだろう」と思わないで、相手の気持ちを理解し合う努力が必要です。
生長の家では、夫と妻の意見が対立した時は、妻は、「夫にハイ」と従うのが善いと言われていますが、白鳩会総裁・谷口純子先生は、『うぐいす餅とバナナ』の中で次のようにお説き下さっています。(110頁)
妻が「夫にハイ」と言うためには、意見が違った場合には十分に話し合い、相手を理解することが必要である。その上で、妻は夫の幸福を願い、夫が望むことをなるべく叶えてあげたいと思い、前向きの姿勢で「ハイ」という。夫の考えや希望を理解しないままに、やみくもに後退してはいけないのである。
ここで、妻から見て夫が明らかに間違っていると思える場合はどうするか、という問題が生じるかもしれない。しかし、夫婦は“合わせ鏡”のようなものだから、夫は、妻が心で認めている通りに現れているのである。このことは、夫の側からも同じことがいえる。だから、妻としては、夫の素晴らしさを心で見る努力を続けることにより、夫本来の素晴らしい姿が現れると信じて、彼の神性を拝む必要がある。
結婚相手は偶然に出逢った男女ではなく、互いの人格を向上させるための最も相応しい相手として夫婦になったので、「魂の半身」とも言います。
生長の家では人間の実相(本質)は神の子で、内に無限の可能性を宿した素晴らしい存在であると教えていますが、現象的には、まだ、十分に内在する真性・仏性は現れていません。そこで、夫婦は、結婚生活によって、お互いの魂の未開発部分を思いやりと理解をもって引き出すための掛け替えのないパートナーであり、尊い存在です。現象の悪を見て相手を変えようとするのではなく、相手の素晴らしさを観る努力を続け、実相を拝み、感謝と思いやりの心で幸せな暖かい家庭を作りましょう。
父の役割、母の役割
最近では、女性も男性と同じように社会に出て働くようになり、結婚して家事や子育てを積極的に手伝う夫が増えてきました。
白鳩会総裁・谷口純子先生は、『白鳩』普及誌No.61の「共に育てる」の中で次のようにお説き下さっています。(10~11頁)
男性と女性の役割分担がきっちりしていた社会では、男性は仕事、女性は子育てを始めとした家庭内の仕事という明らかな分業があった。それは分かりやすくはあるが、男性と女性をある型にはめてしまう。
子供を生むという女性の徳性は、育児や家事のような細やかな配慮のいる仕事に向いている部分は確かにある。けれどもあるカップルに焦点を当てると、必ずしも一律に女性は家事、男性は外に出て仕事とはいえないし、現実に夫婦共に働いている場合も多い。それぞれのカップルが、お互いの得意な分野で能力を発揮し、協力しながら家庭を築き、子育てをしていくことが自然である。(中略)
一般的に、男性は論理的で、物事の白黒をはっきりさせる。一方女性は情緒的であり、融和を求める傾向にある。これに個人差は大いにあるが、どちらか一方だけでは不完全だから、結婚という形でお互いの長所を伸ばし、短所を補いあうのだ。
子育てには沢山の喜びや発見もありますが、その反面、夫からの協力や理解が得られないと大きなストレスにもなります。夫婦が調和し、穏やかな心で子どもに向き合うことが大切です。
一般的には、父親は普段、仕事で家に居ないことが多いと思いますが、子育てを母親に委せ切りにせずに、暇を見つけて子どもとの信頼関係を深めていきましょう。その中で、ルールや秩序を守る社会性を身に付けることの大切さ教えていきます。それは、学校の集団生活や社会人になってから役立ち、精神的な支えとなります。
物事には全て中心があるように、家庭の中心は夫(父親)です。妻は、中心である夫を尊敬し、讃嘆しながら、夫を信じ優しく支えて行けば、夫は、男性としての本来の力を発揮し家庭は調和します。子どもは母親の父親に対する態度を通して父親を見ますから、母親が父親を尊敬していれば、子どもも父親に尊敬の念を持つようになります。
母親は日々、夫の実相を拝み、『日時計日記』に光明面を書き続け、和顔・愛語・讃嘆で、家族に接する明るく暖かい雰囲気が大切です。
このように、夫婦が拝み合い、支え合って、「神の子」として子どもの生命を礼拝し、暖かく見守っていきましょう。
生長の家の教育法
生長の家の教育法は、子供の神性・仏性を礼拝し、現象の悪を見るのではなく、心の目で実相を観じ美点を褒めコトバの力で引き出す教育です。教育の目的は、子供の心に「人間は神の子である」と言う真理の種を植えつけることです。
➀生長の家の教育とは、「唯信実相哲学」を根幹とし、神が創られて世界(実相世界)は善一元で、悪はない。人間は神より無限の智恵、愛、生命、供給、喜び、調和の無限の御徳を頂いた「神の子」で、霊的実在である。という神性一元の人生観、世界観に徹します。
②生長の家の教育とは、すべての子供に、真性・仏性・無限の可能性の内在することを信じ、これを観ずること、つまり、広義のコトバ(思念・発生音・表情)の力によって“引き出す教育“のことです。
③生長の家の教育とは、「実相」と「現象」とを明らかに区別し、現象にどんなに悪いことが現れていても、唯、実相を観ずる「観の教育」で解消します。
④生長の家の教育は、常に「今」を活かす教育で、子供の生長、発達の各段階に応じ、内部生命の発現に相応する教育を行います。
⑤生長の家の教育は、愛の教育です。
⑥生長の家は、秩序を尊ぶ教育です。
生長の家創始者・谷口雅春先生はご著書『生命の教育』で次のようにお説き下さっています。(170頁)
されば諸君よ。まず子供に教えよ。彼自身の生命の尊さを。-人間の生命の尊さを-そこには無限力の神が宿っていることを。・展けば無限の力を発し、無限の天才をあらわし、彼自身のためのみならず、人類全体の輝きとなるものが彼自身の内に在ることを教えよ。彼をして彼が地上に生命を受けて来たのは、自分自身のためのみでないこと、人類全体の輝きを増し、人類全体の幸福を増すために神が偉大な使命を彼に与えてきたのであることを教えよ。この自覚こそ、最初の最も根本的な自覚であって、この自覚が幼時に植えつけられたものは必ず、横道に外れないで、真に人類の公けな歓びのため何事かを奉仕しようと喜び励む人になるのである。