2015.06
テキスト
谷口雅宣先生著 ブログ『唐松模様』「ていねいにいきること」
谷口純子先生著 『平和のレシピ』
『白鳩』普及誌No.63
恵みの雨が降って、木々の緑が一層深くなりました。雨の日は予定していたことができなくて思わぬ時間が空くことがありますね。そんな時は、家の中でゆっくりと、普段やりたくてもできなかったことや、自分の趣味や好きなことをやって、心豊かな充実した時間を過ごしてみませんか。
今月のテ-マは、「自分の時間を充実させる」です。
時間を生かして有効に使いましょう
白鳩会総裁・谷口純子先生は、『白鳩』普及誌No.63の「時間割を作る」の中で、次のようにお説き下さっています。
毎日の生活を、より良く充実したものにしたいというのは、誰もが望むことだと思う。一日二十四時間はどの人にも同様に与えられているが、その使い方は様々だ。私も子育て時代から、いかに時間をうまく使うかに心を砕いてきた。そんな中でよくしたのは、スケジュール表を作ることだった。(6頁)
(中略) 書き出すことによって時間がないと思っていた人も、工夫次第で時間は作り出せるものだということに気が付く。時間があれば何かをしたい、あるいは余裕がないのでできないと思っていたことが、本当はそうではなかったと知ることにもなる。
スケジュールを作っても、完全に予定通りに行くことはないが、理想に近づけようとの道しるべになる。時間をよく使うためには、何が何でもしなくてはならないことや、どうしてもこれがしたいというものを持つことだ。そこから初めて、たとえ細切れの時間でも有効に使おうという切実感が生まれてきて、時間に対する考え方が変わってくるのではないかと思う。(7~8頁)
自分の趣味や理想を持って、充実した時間を過ごし、豊かな人生を送ることは素晴らしいことですね。
自分のやりたいことや理想はあっても、心で思っているだけで、それを実行に移さなければ、いつまでたっても実現しません。
そのために、是非『日時計日記』を活用してみませんか。
まず、心に強く想っている希望や理想等を『日時計日記』に書き出し「すでに希望は成就しました。ありがとうございます。」と書き続け、一日の時間割をスケジュール表に書き込み、計画的にできるように工夫してみましょう。人間は肉体ではなく、実相(本性)は肉体を超えた霊的実在の完全円満な神の子で、すでに神性、仏性の無限の可能性(無限力があると知って出せば出る力)が備わっています。強い信念と「誰かのために」という愛念があれば自己限定が破れ、無限力がどんどん出てきます。この無限力を発揮して無理だと思っていたことをやり遂げられると、喜びと達成感を味わうことができます。この体験を積むことで、もっと良くなりたいという向上心が養われます。このように、強い信念を持って愛を出し、時間を工夫して作り出すことで、一日、24時間の時間を有効に充実して使うことができるでしょう。
手間暇を掛けて心豊かな時間を持ちましょう
現代では、大量生産、大量消費の高度消費型社会です。お金を出せば何でも、容易に欲しいものが手に入ります。昔のように手作りして、欲しい物を揃えることはしなくなりましたが、手作りしたものは、工場で大量生産されたものとは違う、それを作った人の愛念や個性、暖かい温もりを感じることができ幸福感に満たされます。私は子どもの頃、母が家族のためにフトン作りをしていたことを思い出します。着物をほどいて、フトン用に縫い、フカフカの綿を入れてうち直し、家族一人一人に気持ちの良いフトンを作ってくれました。そのフトンの柄には愛着があり、とても気に入って暖かい温もりに包まれて心が満たされ、安らかな眠りに着くことができました。
こうした生活は、省資源、省エネで廃棄物を減らし、豊かな心を育む生き方です。
今また、こうした手作りのもの、手間暇掛けた生活が見直されるようになりました。それは、これまでのように経済発展によって、より豊かな生活を実現し、欲望にまかせて欲しいものを手に入れる生き方が幸福に繋がらないことを多くの人が気づくようになったからです。
あなたは、余暇や自由時間をどのように過ごしていますか。
谷口純子先生は『平和のレシピ』の中で次のようにお説き下さっています。(46~47頁)
中には、私の絵手紙への返礼として、「初めて自分で描きました」という説明を添えた、うれしい絵手紙をいただくことがある。そういう絵は、描き手の懸命で誠実な気持ちが表れていて、どんなものでもほのぼのと好感がもてる。その人の手のぬくもりが感じられるようだ。
「手間暇をかける」という言葉があるが、心を込めて丁寧にすることは、家庭でも職場でも人に喜びを与える。また、自分では不得意だと感じていたことも、相手のためだと思ってやると、案外できるということもある。心が「自分」を超えることで、自己限定が破れるからだろう。
人間の可能性は、このように「人のためにやる」ことで広がるだけでなく、「好きになる」ことでも広がる。
現代のように、効率優先の便利な社会に生きていると、あえて、何か自分ができること、好きなことを手間暇かけ、心を込めてていねいにすることは「めんどくさい」と思われるかもしれませんが、それは、日常の中で、当たり前だと思っている恵まれていること、与えられていること等、自然の恵みに感謝し喜びを見出して生きる日時計主義の生き方に通じます。また「感覚優先の視点」を重視し、「心一杯に物事を感じる生き方」でもあり、「めんどくさい」ことの中に喜びを見出す生き方です。
家庭菜園もいいですね。畑がなくてもプランターでも野菜を育てることができます。日光、土、水、空気、昆虫等、自然の恵みの中で、手間暇掛けて自分で育てた野菜を収穫できることは、たとえ少量でもとても嬉しく感動します。自然(神)の大きな恵みに生かされていることを感謝せずにはおれません。
「ていねいに生きる」
生長の家総裁・谷口雅宣先生は「ていねいに生きる」ことについて、次のようにお説き下さっています。(2015年1月22日「ていねいに生きること」(3))
私がここでいう「ていねい生きる」ことは、すでに与えられている自然の恵みに感謝し、それをムダにせずに十分味わう生き方である。この「自然の恵み」の中には、人間内部の本性も含まれる。手仕事によって生き甲斐を感じ、クラフトの良さを他の人々と共有することに喜びを感じるのが私たちの「自然の」感情ならば、その活動を盛り上げていくことは大いに評価されるべきである。また、そういう生き方が省エネ・省資源につながり、廃棄物を減らし、個性を伸ばす力をもっているのであれば、私たちの「自然と共に伸びる運動」の重要な一翼を担うことになるのではないか、と私は考える。
自然の恵みに感謝し手間暇かけて楽しみながら、手作りしたものや絵手紙、クラフト製品等を隣人や知人へ送るととても喜ばれ、暖かい、幸せに満ちた雰囲気が周囲の人達にも伝わりますね。人間は誰でも、顔と手を使った表現がうまくいくと喜びを感じるのです。これは、人類の遺伝子に刻み込まれた本性の一つだからです。
この反対に、「あれも欲しい、これも欲しい」と欲望を追求する生き方は、自己の外に幸福を求める生き方で、本当の幸福を得ることは出来ません。日常の中で、心の眼を開いて私たちを生かしている自然の恵みに感謝し、人間は神の子であり、全てのものは神の生命と一体であるという自他一体感を自覚して、神の子を表現して明るく愛深く生きる時、家族や周囲の人へも喜びが広がり、外から何かを付け加えなくても心が幸福感で満たされ、欲望を抑制することができます。このような心豊かな生き甲斐ある充実した人生を送りましょう。