
2020.04.01感染症の流行が教えること
こんにちは、SNIオーガニック菜園部事務局の水島です。
新型コロナウイルスの問題で、連日ニュースは持ちきりです。
多くの人が一刻も早くこの事態が収束すること、世界が平穏な日常を取り戻すことを切望しています。もちろん私もその一人です。
◇次のリスクの因子
しかし、残念ながら、この新型コロナウイルスを科学技術の力をもって封じ込めたとしても、次の感染症が流行するリスクがあります。
その因子の一つは地球温暖化です。
地球温暖化が進めば、感染症が増加し、私たちの健康に甚大な影響を与える恐れがあります。
環境省のパンフレット「地球温暖化と感染症」では、温暖化が進むことで、デング熱などを媒介する蚊などの分布域が北に広がり、その数が増える可能性を指摘しています。実際に、ジカウイルスから発症するジカ熱は、従来、赤道付近の熱帯地域の感染症でしたが、媒介する蚊の生息域が拡大するにつれ、日本を含めた他地域でも感染が懸念されています。
また、温暖化によってシベリアなどの永久凍土が溶け、何世紀にもわたる病原体が氷が溶けるとともに露出し、動物や人に感染する危険も指摘されています。2016年には露出した炭疽(たんそ)菌が原因で、シベリアのヤマル半島で12歳の少年が亡くなりました。
◇根本的な解決のために
これらのことからも、私たちは温暖化を抑制するライフスタイルに転換していかなければ、自分たちや次世代の人々がリスクを背負うことになると言えます。
先日、この問題についてZoomで話した、被災地ボランティアの経験豊富な同僚の言葉がとても印象的でした。要約ですが、こんな内容でした。
「被災地にボランティアに行って感じたことと、感染症の拡大には同じことを思う。人間の生き方を根本的に変えないと、問題は解決しない」
この言葉は、台風などの災害は温暖化に起因する気候変動によるものであることを前提としています。
私の解釈を含めて言葉を添えるならば、人間は自然災害や感染症に、科学技術で対処し、一応はそれを克服してきたように見える。しかしこれらはいわば対処療法であって、根本的に人間の生き方を変えない限り、問題は繰り返すということ。
新型コロナウイルスの問題はそのことを突きつけているのではないかと思います。(SNIオーガニック菜園部事務局 水島育子)
地球温暖化の抑制には、一人一人のライフスタイルを変えること。私たちは家庭菜園への取り組みや地産地消、 旬産旬消など二酸化炭素の排出の少ない食生活を提案しています。