7月4日〜6日の3日間、東京港区の品川プリンスホテルを会場に、一般社団法人日本エシカル推進協議会(会長・中原秀樹・東京都市大学名誉教授)が主催する「エシカルサミット『エシカル2018』―エシカル・サステナブルな消費と生産の先進的取組―」が開催され、その中で、佐藤香奈美・生長の家白鳩会会長が、「生長の家におけるエシカル消費の実践活動」について発表を行いました。
生長の家からの発表は、同協議会の名誉会長で今回のサミットの実行委員長の山本良一東京大学名誉教授が、『いのちの環』No.75(2016年6月号)の特集「エシカルな生活とは何か」で、同教授へのインタビュアーを務めた佐藤会長と出会い、生長の家や白鳩会の倫理的生活者の実践活動を知って、同会長に発表を要請したもの。主催した同協議会は、環境問題、貧困や人権などの社会問題を解決するためには、エシカルな消費と生産の普及が不可欠との観点から、グリーン購入やフェアトレードなど、持続可能で倫理的な消費の底上げを図る活動を展開。同サミットでは、小池百合子・東京都知事のトークセッションをはじめ、仏教学者の竹村牧男・東洋大学学長などの研究者、イトーキ、花王、イオングループなど、約60の企業、団体が一堂に会してそれぞれの取り組みを発表しました。
佐藤会長は、最終日6日の12時から登壇。冒頭で、すべての生物、鉱物は神の生命の現れであり、本来一体であるとする生長の家の基本的な教えを示した上で、2000年に定めた「生長の家環境方針」に基づき、2001年には、ISO14001 の認証を世界の宗教団体としては始めて取得したことを紹介。2013年には自然と人間とが調和した世界の実現を目指して山梨県北杜市に国際本部施設として“森の中のオフィス”を日本初となるゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)として建設したことを写真で説明。一方、会員の取り組みとして、一人一人が生活のなかで実践する低炭素なライフスタイルについて、マイ箸・マイバッグ携帯運動に端を発し、なぜ生長の家が肉食の削減に取り組むのかを、①畜産産業による環境汚染や森林破壊、水不足の助長、②貧しい国の人々の食糧を奪う、③動物の生きる意思を踏みにじる、という環境的、宗教的な観点から解説し=写真下=、ノーミート、低炭素の食生活の実践例や「食品選択の優先順位」を紹介。また、自転車利用などPBSの活動の概略や、自然エネルギーの積極的な導入事例を発表し、信仰に基づきながら“倫理的な生活者として”日々実践していることを強くアピールしました。
発表後には、「今後はさらに宗教界がエシカルな取り組みをリードして欲しい」という、山本実行委員長のコメントとともに、司会者からは「これだけサステナブルな観点で、実際的な取り組みをいち早く取り入れている宗教法人の活動に驚いた」との感想が。
発表を終えた佐藤香奈美・白鳩会会長は、「参加者の皆様が、生長の家の『環境方針』に深い共感と理解を示してくださったことが大変ありがたかったです。印象的だったのが、多くの企業が発言していた『鍵を握るのは消費者』という言葉です。これは、消費者である、私たちひとりひとりの選択が重要であり、企業や社会を変える力があることを意味していて、『低炭素な生活法』の実践こそ、環境問題解決の糸口になると実感しました。さらに徹底して推進していきます」と話しています。