公益財団法人生長の家社会事業団(以下「社会事業団」という)等が、当法人に対してお守り「甘露の法雨」の複製・頒布の差し止めを請求した訴訟において、当法人は既報の通り、控訴審で逆転全面勝訴いたしました。社会事業団等は、この知的財産高等裁判所の判決を不服として上告していましたが、平成29年1月19日、最高裁判所は社会事業団等の上告を棄却し、当法人の全面勝訴が確定しましたので、お知らせいたします。
この裁判について、概要を改めて説明いたします。
本件訴訟は、当法人が信徒の皆さまに授与してきました、お守り「甘露の法雨」の複製・頒布を社会事業団等が差し止め請求したもので、信徒の皆さまへの当該お守りの授与を不可能にするものであり、当法人としてはこのような理不尽な請求は到底受け入れられないため、本件訴訟においてお守り「甘露の法雨」の複製・頒布の継続を主張したものであります。
そもそもお守り「甘露の法雨」は日本教文社が「聖経『甘露の法雨』」として出版していたものですが、生長の家の信徒の方から、「甘露の法雨」を肌守り用として、生長の家から交付してほしいと強く要望され、著作者である谷口雅春先生のご承認の下、著作権者である社会事業団及び出版権者である日本教文社の同意を得て、昭和34年11月22日付で「聖経『甘露の法雨』の複製承認に関する覚書」を取り交わし、当法人から信徒の皆さまに授与していたものです。
上記覚書の合意内容は、「肌守り用又は霊牌用に限り非売品として複製し、これを信徒に交付する」という宗教上の意義を有する行為について、社会事業団は著作権を、日本教文社は出版権を行使しないことを、期間を限ることなく約束するというものです。 そして、この覚書には谷口雅春先生がご承認の捺印をされており、谷口雅春先生のご意思が明確に示されているものであります。
このように信徒の皆さまの熱願及び谷口雅春先生のご意思である、お守り「甘露の法雨」の複製・頒布の差し止めを認めた第一審の判決に対して、当法人は直ちに控訴したところ、知的財産高等裁判所の判決では、『控訴人生長の家が控訴人経本を複製又は頒布する行為は、本件覚書に係る合意に基づくものであって、被控訴人事業団の本件著作物2(注:「聖経 甘露の法雨」)に係る著作権(複製権、譲渡権)を侵害する行為ではないから、被控訴人事業団の控訴人生長の家に対する請求は、いずれも理由がない』とし、加えて、「控訴人生長の家が控訴人経本を複製する行為は、同様に、出版権を侵害する行為であるとはいえないから、被控訴人光明思想社の控訴人生長の家に対する請求も、いずれも理由がない」として社会事業団等の当法人に対する請求を、すべて棄却する判決を勝ち取ることができました。
このたび最高裁が社会事業団等の上告を棄却したことで、上記の知的財産高等裁判所の判決が確定したことになります。
この最高裁の上告棄却により、社会事業団等の当法人への理不尽な訴え、及び多額の損害賠償請求が退けられ、生長の家が「甘露の法雨」を肌守り用または霊牌用として複製し、これを信徒の皆さまに交付するという谷口雅春先生のご意思、そして信徒の皆さまの同交付への熱願を守ることができたことを会員、信徒の皆さまに謹んで報告させていただきます。