生長の家の排出権信託の取得について

ニュースリリース

2008.01.09

宗教法人「生長の家」はこのほど、5,000トンの二酸化炭素(CO2)の排出権の信託を三菱UFJ信託銀行より取得することになりました。これは、当法人が平成19年度から開始した“炭素ゼロ”運動の一環として、生長の家教団の活動によって排出されるCO2を削減し、削減し切れなかった分を森林の育成やその他の手段で相殺するためです。この5,000トンの排出権獲得により、東京・原宿にある生長の家の本部事務所、長崎県西海市の生長の家総本山、京都府宇治市の生長の家宇治別格本山における、①電力、②都市ガス、③LPガス、④上下水道、⑤灯油、⑥A重油、⑦公用車に使用するガソリンと⑧軽油、および⑨会館建設・増改築によるCO2排出量の約4年分が、相殺されることになります。
当法人では、平成19年から5年間で、上記3事業所における“炭素ゼロ”の実現を目指しているため、今後は職員の移動や行事開催に伴って排出されるCO2の削減などに鋭意取り組んでいく考えです。

今回取得することになった排出権の信託は、韓国の化学工場から出るHFC23というフロンガスを破壊する事業から生まれた排出権(CERs:Certified Emission Reductions)を三菱商事が購入し、その一部を三菱UFJ信託銀行が小口化したものです。この事業は、東京に本社のあるイネオスケミカル株式会社 *1(http://www.ineosfluor.com)が、韓国のUlsan Chemical Co.,Ltd.社 *2 と共同で韓国で進めているもので、国連のクリーン開発メカニズム(CDM:Clean Development Mechanism)として正式に承認・登録されています。
HFC23は、冷媒用のフロンガスであるHCFC22の製造時に副産物として発生しますが、有毒物質ではないため、これまでは大気圏に放出されてきました。本プロジェクトでは、韓国・蔚山(ウルサン)市 *3 にあるHCFC製造工場からHFC23を回収し、新規に設置された焼却炉によって破壊処理するものです。HFC23の温室効果は、CO2の11,700倍あると言われています。

*1 カーエアコンなどに広く利用されているオゾン層を破壊しないHFC134aの生産能力、フロン分解・無害化処理能力ともに国内でトップの企業です。

*2 韓国で、化学、自動車、防衛、情報、貿易産業等、幅広い分野でビジネスを展開しているFoosung Groupの化学系企業です

*3 蔚山市は、釜山市から北70キロにある工業都市です。

1.排出権信託受益権の取得量(5,000 t-CO2)について

前述した生長の家の3事業所の平成18年度のエネルギー起源9項目(前述の①~⑨)のCO2排出量は、表1の「④正味排出量」の合計覧にあるとおり1,204,283 kg-CO2です。このことから、同じ9項目の排出量は4年間で約4,800 t-CO2と推定されます。

2.クリーン開発メカニズム(CDM)と排出権(CERs)について

クリーン開発メカニズム(CDM)とは、京都議定書が定める温室効果ガス削減事業の1手法です。そのルールに従い先進国の企業が途上国で温室効果ガスの排出量削減事業を実施すれば、国連CDM理事会により排出権(CER)を取得することができます。