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41年2か月ぶりの記録的な物価上昇の時、電力を考える

スタッフから

2022/04/27

水色の空たんぽぽの黄にそよぐ



冒頭の俳句の季語は「たんぽぽ」春の季語です。
写真は4月22日の朝の庭です。たんぽぽが一面に花を開いています。夜になると一斉に花を閉じます。自然の営みの不思議さを感じます。


うららかな季節にはなりましたが、
今朝(4月22日)、NHKのニュースを見ていたら、記録的な物価上昇について、次のように報道していました。

都内の豆腐店経営者へのインタビューでは、
①国産大豆、米油の仕入れ価格の上昇に苦しんでいる。店では4月に入り、すべての商品を10円~20円値上げした。
②さらに追い打ちをかけているのが、原油価格の高騰による影響で、豆腐の容器パッケージが3円~5円値上がりしている。
③また、製造から保存まですべて電気でまかなっているため、電気料金の上昇も経営を圧迫しているという。

しかし当面は値上げをせずに、自分たちの収入を減らして対応しようと考えている。
「値上げしてお客さんが離れるのかと考えると厳しくなる。正直言ってどうやっていいいか困っている。この先見通しが立たない状態です。」と答えていた。

総務省が発表した3月の物価指数は、
消費者物価指数(生鮮食品を除く)が去年の同月に比べて0.8%上回り、7か月連続で上昇した。
背景にあるのが原油価格の高騰。項目別に見ると、ガソリンは19.4%、灯油は30.6%、電気代は21.6%上昇、エネルギー全体は20.8%上昇。
第2次オイルショックの影響で原油が高騰していた1981年1月以来、41年2か月ぶりの記録的な上昇となった。


さらに、急速な円安も値上げに拍車をかけている。先月の「生鮮食品を除く食料」の物価指数は円安の影響で2%上昇、6年3か月ぶりの上昇幅となっている。

値上げが相次いでいるが、ウクライナ侵攻の原油価格高騰の影響が本格的に表れるのは4月分以降とみられている。

との報道でした。


この報道から解ることは、今回の記録的な物価上昇は、原油価格の高騰が大きな要因となっているということです。


さらに、現在、上海での新型コロナウィルス感性症流行で需要減少のため買い控えをしている中国が火力発電の原料であるLNG(液化天然ガス)の購入を始めると、日本への配分が減少する可能性があるとのことでした。つまり限られたマスの中にある資源を、各国で取り合っている形です。これを力ずくで取ろうとすれば戦争になります。環境問題が国際平和の問題と結びついていることが一目瞭然です。


そもそも、発電するために、LNG(液化天然ガス)という化石燃料を使うのではなく、世界中の国が、太陽光や風力などの再生可能な自然エネルギーを使って発電したら、どうでしょうか。もちろん、LNGなどの資源の取り合いはなくなり、戦争は起こらず、採掘のための環境破壊もなくなるはずです。

誰もが解っているはずなのに実行できないのはなぜでしょうか。考えるに、今すぐに今ある設備で大量の電力が確保でき、それが直接、莫大な経済的利益に直結すると解っている人たちにとっては、その仕組みを簡単には手放せないといいうことなのかも知れないと思いました。

しかし、このままでは地球がもたないのです。絶対に変えていかなければならないことだと思います。

自然エネルギーだけで世界中の電力を賄うためには、まだまだ膨大な手間をかけて新しい設備を建設していかなければならないでしょう。それでも、そうしなければならないのだと思います。



『次世代への決断』(生長の家総裁 谷口雅宣著)には、東日本大震災、福島第一原発事故に言及した後に次のように書かれています。

過去二回の変化(※)では「人間は自然から無限に得られる」という前提は問題にされなかった。が、今回の変化で問題になっているのは、まさにこの“自然無限論”なのだ。世界人口が増大しつづける中、人口の多い新興国が先進国並みの物質消費型生活を目指して経済発展を続けているため、エネルギー需要が激増し、自然が破壊され、大気中の温暖化ガスが増大し、気候変動が起こり、資源獲得競争が激化し、食料価格が高騰する・・・という悪循環を断つことができないでいる。人類はもはや、“自然無限論”を捨て、“地球有限論”のもとで生きる決意をしなければならない。そして、安定的な自然環境が維持できる範囲内に人類の欲望と経済活動を納めながら、世界中の富の偏在を縮小し、各国が平和裡に共存することができるような制度や仕組みを地球規模で構築していかねばならないのである。
 (同書148頁~149頁より)

※(筆者注)過去二回の変化:明治維新、敗戦のこと。




再生可能エネルギーの利用といえば、私たちにもできることがあります。自分の家に太陽光パネルと蓄電池を設置することです。経費もかかることなので簡単にできることではないかも知れませんが、近い将来は、これが普通のスタイルになることでしょう。

このブログの初めに、エネルギーの41年ぶりの記録的な物価上昇の話をしましたが、自分で使う電気を電力会社から買うのではなく、自分の家に設置した太陽光パネルで発電した電気を、直接または蓄電池に溜めておいて使えば、原油高騰のあおりを受けて物価の上昇を心配する必要もありません。しかもCO2の排出量はゼロなので地球温暖化の抑制にも貢献します。

また、電力会社から電気を買うにしても、自然エネルギー発電を重視している新電力会社を良く調べて、そこから電気を購入するようにすることも持続可能で平和な地球にするためには大変有効な方法であると思います。


記録的な物価上昇(エネルギー価格高騰)にあたり、私たちのライフスタイルも、見直してみてはいかがでしょうか。


(環境共生部 桜井伸)