2021/05/31
今年は例年に比べ、梅雨入りが早い地域もあるようですが、(5月28日執筆時:東海地方まで)生長の家“森の中のオフィス”がある山梨県北杜市では、今まさに新緑の気持ちの良い季節を迎えています。
晴れた日の朝は、新緑が太陽に照らされて輝く森は美しく、その森から小鳥たちが楽しげに鳴いている声があちらこちらから聞こえて、自然と笑みがこぼれるような、とても心地よいひとときを与えてくれます。
ある日の朝、新緑の中で桃色の花を咲かせる木が目にとまりました。「ヤマツツジ」です。「ヤマツツジ」は、春から初夏を彩る日本を代表するツツジで、全国に広く生息するとのことです。皆様のお近くでも、目にすることができるかもしれません。
私の勤務する森の中のオフィスでは、一箇所だけでなく、至る所で「ヤマツツジ」が目に止まりました。根を下ろした場所は違っても、季節を同じくして一斉に花を咲かせた「ヤマツツジ」に、そこに確かにある生命を感じて、私は嬉しくなりました。そして、「自分も今、ここで、このヤマツツジと一緒に生きている」という自然界との一体感が感じられ、優しい気持ちになると同時に、どこか懐かしい気持ちになったのです。
なぜそんな懐かしい気持ちになったのだろうか、思いを巡らせていると、私の実家の垣根が思い出されました。母親に確認してみると、やはり垣根は「ツツジ」でした。生まれた時からずっと目にしていた実家の垣根を、「ツツジ」だとはっきりと認識したのは、恥ずかしながら今回がはじめてかもしれません。もう少し記憶を辿ってみると、花を咲かせた垣根の「ツツジ」に集まる蜂たちを、見るともなく見ていた幼少の頃の光景が蘇ってきました。実家の「ツツジ」は現在の家が建てられた40年前に植えられたもので、それからずっと手入れして今に至っています。手入れの担い手は、私の曾祖父、祖父、父と受け継がれてきたことを改めて認識し、40年、大切に手入れをしてくれていた曾祖父、祖父、父に、感謝する気持ちになりました。
私は、「ヤマツツジ」から、大切なことを思い出させてもらいました。これから目にする度に、今と昔を繋いでくれ、大切なことを思い出させてくれる自然界に、そして今も昔も変わらず私を温かく見守ってくれている故郷・両親・先祖に、感謝する心を深めていければと思っています。
(環境共生部 中根 敏也)