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ウッドガスストーブで炊飯

スタッフから

2020/08/05

 最近たまにですが、自宅の庭で、小型のウッドガスストーブで炊飯をしています。小・中学校の時の野外活動で飯ごう炊飯を行った経験がありますが、その現代版といったところでしょうか。
 このウッドガスストーブは昨夏、北杜市の清里で開催されたワークショップに妻と二人で参加して手作りしたものです。大きな空のトマト缶の中に一回り小さなトマト缶を入れて固定し、2つの缶の側面に吸気用の穴を開けています。缶の上部には鉄のかすがい2個をハの字型に打ち込み、鍋などをのせる台座としています。
 ウッドガスストーブの優れた点は、火力が強いことです。まず、小枝を燃やした火力を使います(一次燃焼)。加えて、その際に燃焼しきれずに発生したガスが外缶と内缶の間を通って上昇し、外の酸素をもらって燃焼(二次燃焼)します。この構造によって、小枝の持つ火力を最大限に引き出すのです。

大小のトマト缶を組み合わせて製作(製作時間約40分) 大小のトマト缶を組み合わせて製作(製作時間約40分)

 ウッドガスストーブの使い方はいたってシンプルで、最初に新聞紙などの燃えやすいものを真ん中の穴に入れてマッチで火を付け、続いて小枝を入れて燃やし、その上に鉄製の鍋を乗せてご飯を炊きます。火が消えないように小枝を脇から追加して入れます。ゆらゆら燃える火を眺めると、縄文などの古き時代からこうして、火をおこして煮たり焼いたりしていたかという感慨がわいたり、また時折、風向きが変わって煙にまかれてむせたりすることも面白く、意外に癒し効果があったりもします。

米2合の場合20~30㎝の小枝40本ほどで炊ける 米2合の場合20~30㎝の小枝40本ほどで炊ける

 燃料の小枝は、私の住む小淵沢の近所を妻と二人で散歩しながら、道ばたに落ちているものを拾い集めたものです。小枝はバイオマス資源で、燃やせばCO2が発生しますが、成長過程で光合成により大気中からCO2を吸収・固定していますから、カーボンニュートラル(排出されるCO2と吸収されるCO2が同量)と見なされます。また、2合の米をIH調理器で炊くと、おおよそ0.2kWhの電力を消費しますので、その分が節電できる計算になります。
 ご飯の炊く火加減が難しいのではと思っていましたが、先のワークショップの講師によると、「炊き具合を見るために、鍋の蓋を何回開けて覗いてもよい」と教えられ、安心しました。実際に、何度も蓋を開けられるので、今沸騰しているところとか、水分が少し少なくなってきたとかが確認でき、炊き損じの心配がいりません。最初にこのウッドガスストーブでご飯を炊いて、鉄鍋の蓋を開けたとき、立ち上るお米の香り、そして食した味は、感動ものでした。きっと、自分の燃やした火で炊いたという実感も加わるからでしょう・・・。

ウッドガスストーブで炊いたご飯。粒が輝いて見える ウッドガスストーブで炊いたご飯。粒が輝いて見える

 この取り組みは、小さな自然エネルギーの利用ですが、電力を使いませんから生活の低炭素化につながります。それともう一つのメリットは、災害時に役立つということです。そのため、わが家では、水で研がないで炊ける無洗米とミネラルウーターを備蓄しています。災害で停電になっても、ウッドガスストーブと小枝、鉄鍋があれば、ご飯を炊けるのは、心強いです。
 こんなふうにして、わが家では、生活の中での低炭素の取り組みと災害対応をできるところから進めています。
                                (山岡 睦治)