20代前半の頃、物質的に豊かで、お金さえあれば何でも出来て幸せだと錯覚していました。両親に反抗し、勝手に一人暮らしを始めたものの寂しさが募りました。それを紛らわそうと愛車の改造に、グルメに、ファッションにと、お金を使っていました。気がつけば、高級車1台分の借金を抱えてしまっていたのです。
借金のため、節約しなければならなくなり、自分で直せるものは自分で直すようになりました。バッグの補修から、友人からいただいたジーンズの裾上げまで、買うよりもはるかに低コストで出来たことが、私の生活を支えました。その後、リメイクは当たり前になり、「立派なクラフト生活だ」と人から言われたことが嬉しくて、SNIクラフト倶楽部に入部しました。そして、鞄の壊れた取っ手を直し、倶楽部のメンバーに紹介すると、多くの方から讃嘆のコメントをいただきました。
そのことで、より一層リメイクする楽しさを知り、自分で手を加えたことで愛着が湧き、物を大切に使うようになりました。
(高橋竜矢・SNIクラフト倶楽部)