こんにちは、SNIクラフト倶楽部事務局の中井です。
新型コロナウイルスの問題で、新聞やネット、テレビでは不安なニュースが連日報道されています。
多くの人々が、一日でも早い終息と、世界の平和な日常を取り戻すことを願っているかと思います。
突然ですが、私は以前まで眼鏡業界で営業職をしていました。
その頃の私は毎日忙しく、文字通り「心を亡くして」指示とノルマに
追われる日々を過ごしていました。
そんな当時の心境などを思い出しながらも、
今回の新型コロナウイルスの問題を機に考えたことを、記事にしてみました。
端材でスマホスタンドを作ってみる
3月の終わり頃、家の倉庫を掃除していた時、すごくきれいな木目の端材を見つけました。
この木を使って何か作れないかと考えました。
「そうだ。スマホスタンドを作ってみよう」
ちょうど、スマートフォンを使って会員の方々とビデオ通話をする機会が増えていたので、スマホスタンドが欲しかったのです。
早速、のこぎりで木を切って、紙やすりでじっくりと磨いていきました。
あせらず、優しく木の表面を磨いていくと、木も私の動きに合わせるように、自分の木目の美しさを、ゆっくり、ゆっくりと見せてくれました。
私があせらずに作ることで、木は、自分が本来持っている美しさを私に教えてくれました。
それで、完成したのが、この作品です。
こんなふうにスマホを立てて使います。
差し込む溝を調節すれば、スマホの角度も変えることができます。
お店に行けば、もっと格好良く、機能的なスマホスタンドは売っているでしょう。
でも、私にとっては、このスマホスタンドが一番のお気に入りになりました。
なぜなら、この作品の材料である何の変哲もない1枚の板は、この私に豊かな時間を与えてくれたからです。
不安な日々が続くなかで
4月に入って、新型コロナウイルスの感染拡大の防止のため、私が勤務する生長の家国際本部“森の中のオフィス”が閉鎖されました。
突然の在宅勤務で業務となった私は、「全国の会員の皆さんは元気にしてるのかな?」と心配になりました。
「そうだ。絵手紙を届けて、少しでもみんなに元気になっていただこう」
実は、今まで行事などで絵手紙を描いたことはありましたが、その絵手紙を誰かに送ったことは一度もありませんでした。
「明るく 優しく いのちを 観つめて」
一枚ずつ、じっくりとていねいに、心を込めて書きました。
春らしく桜の花を描きました。
「喜んでくださるかな」
そんな想いで、一枚一枚真心を込めて描いていると、私自身が幸せな気持ちになりました。
そして、届いた方の嬉しそうな表情が思い浮かび、桜の花びらの優しさまで感じることができました。
上手に描けないと思うと、ちょっと尻込みしてしまいます。
でも、上手に描けるかどうかよりも、描いている時にどれだけ豊かな気持ちになれるか、このことの方が尊いことなんだと気づきました。
いのちを生かす生活
最近私は、
「どうすれば自分は幸せに生きることができるのだろうか」と悩むことはやめて、
「どうすればまわりが幸せに生きることができるのだろうか」と考えるようにしています。
新型コロナウイルスの影響で在宅勤務になり、あまり外に出ることができなくなりました。
そんな私が、今心がけていることは、豊かな時間を過ごすということです。
ごはんを自分で作ってみたり、お風呂掃除をしたり、洗濯物をたたんだり、いろいろやって楽しんでいます。
早く片付けようなんて思わずに、一つ一つのことをじっくりと味わいながらするんです。
タオル一枚でも、ていねいにたたんでるだけで、いろんな気づきが与えられます。
豊かな時間をタオルが与えてくれます。
今まで当たり前のようにしていたことも、できないことが多くなりました。
できなくなったことを数えれば、キリがないほどたくさんあります。
でも、私は思います。
今できることの中に、私たちが行うべき正しい生き方のヒントが、きっとあるんじゃないかと。
今、いのちを生かす生き方を考えるチャンスを与えられているような気がします。
この機会に、じっくりとていねいに、豊かな時間を味わいながら、日常生活やクラフトを楽しみたいと思います。
(SNIクラフト倶楽部 中井憲治)