手づくりで父娘のコミュニケーション

 新型コロナウイルスの影響により、在宅勤務が始まった昨年春頃のこと。ふと気がつくと、身近な材料で作れて、楽しめるクラフトはないか考えるようになっていました。
 その頃は、高校生の次女が休校で友達にも会えず、学校から送られてくる宿題をこなすために机に向かう日々を送り、元気がなさそうでした。ある日、外を見ると結構風が吹いていて、「そうだ! 娘と凧揚げをしよう」と思いつき、凧を手づくりしました。段ボールで骨組みを作って新聞紙を張り、新聞紙の尾を付け、凧糸を結べば完成です。早速、娘に声をかけると、意外と素直に付き合ってくれました。

段ボールで作った骨組みは、縦横39cm、幅2cm。3対7の比率でクロスさせる。クロスしている部分は段ボールを重ねて補強。新聞紙は破れないように四辺を織り込んである

 目線をあげる程度の高さですが、手作りの凧が揚がると娘はとても楽しそうでした。風のない時は、吹いている場所を探しながら歩くとちょっとした散歩にもなり、全く風のない時は2人で走って「自分の方が速い!」と競争しながら揚げました(笑)。試行錯誤しながら工夫を凝らした凧となりましたが、そのユニークな手作り感がかえって親子の距離を縮めてくれました。

手づくりした段ボール凧を揚げる

(尾身和洋 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.132(2021年3月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.56」

※この記事は2021年に執筆したものです

思い出のイラストを、手作りのフレームに飾る

 次女が赤ちゃんだった頃、児童館のイベントで野菜をモチーフにしたイラストを描きました。そのイラストに「野菜の国の女の子」と名前をつけて棚に飾っていましたが、大事にしすぎて棚の奥の方へいってしまい……。2年後、大掃除の最中にそのイラストが出てきました。


 「懐かしい! フレームに入れて飾ろう」と思いましたが、すぐに買いに行けなかったので、家にある材料で作ることにしました。インターネットで検索し、厚紙とフェルトを使ったフォトフレームの作り方を見つけました。イラストよりも大きめの厚紙2枚に、フェルトをボンドで貼り付けるという方法で、窓の部分をきれいにカットするのがちょっと難しかったですが、フェルトで見えなくなるので問題ありません。プレゼント用ではなく、自宅用だと思うと気持ちも楽でした。リボンで飾り、最後に紐をつけて完成。


 フレームを手作りできたことが嬉しくて、見える場所に飾って毎日眺めています。


(近藤弥栄子・SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.100(2018年7月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.24」

※この記事は2018年に執筆したものです

ネクタイで作ったポーチと携帯ケース

自分の手で作ってみよう

厚紙にカラフルな紙を貼って、ペットボトルのキャップと使用済み切手入れに
お菓子の空き箱は可愛い小物入れに
ネクタイで作ったポーチと携帯ケース
ネクタイで作ったポーチと携帯ケース

 手作りを始める前は、何でもお店で買うことを先に考えていました。今では、自分で作ることをまず考えます。たとえば、物を入れる箱も、丁度良い大きさのものがなければ、厚紙を欲しい形や大きさに切り貼りして、好きな柄の紙を貼って作ります。職場でも、ペットボトルのキャップや使用済み切手、楊枝や砂糖等を入れる箱も手作りした物を使っています。


 また、お菓子等の空き箱も、処分する前に、ちょっと手を加えて、可愛らしい小物入れに作り替えたり、不要になったネクタイも捨てずにほどいて、ポーチや携帯ケースにリメイクしたりしています。何でも処分する前に工夫すると、資源を大切に使えますし、ゴミも減ります。


 手作りは手間がかかるものです。しかしその分、自分の手で作れば愛着が湧いて大切に使い続けられます。今の時代、何でも買えばすぐに手に入りますが、自分で作り出した物にこそ尊い価値があると思うのです。

(西村典子・SNIクラフト倶楽部)


      

『白鳩』誌No.92(2017年11月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.16」

つくる、祈る、日々の生活 No.6

森の散歩から生まれた、素朴であたたかい小物

 わが家では、冬期の暖房として薪ストーブを使っているので、焚きつけ用の小枝の準備は欠かせません。ウォーキングのついでに、自宅周辺の森で小枝を拾うのが日課です。

 そんなある日、樹皮が赤紫色を帯びた褐色で、光沢のある小枝を拾いました。調べてみると、ヤマザクラだと分かりました。


「こんな美しい小枝を、焚きつけ用として燃やしてしまうなんてもったいない! 木工作品として生かせないだろうか?」



 こうして作ったのが、今回ご紹介する花器です。ノコギリでいろいろな長さに切断した小枝を、使い切ったガムテープの芯にボンドで固定しただけのシンプルな器。そこに妻が、森で拾ってきた木の実や葉などを飾ってくれ、素朴であたたかみのある作品に仕上がりました。

 お店で買わなくても、ちょっとした工夫で心豊かに暮らせるもの。そんな生活を夫婦で楽しんでいます。


(永井 暁・SNIクラフト倶楽部)


作り方

①使い切ったガムテープの芯と小枝を用意し、小枝は適当な長さにノコギリで切っておきます
②芯の周りに小枝を並べて輪ゴムで仮止めした状態で、木工ボンドで固定して完成! 
その中に好きなものを飾ってみましょう

『白鳩』誌No.81(2016年12月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.6」

仙台七夕と手づくりの思い出

SNIクラフト倶楽部事務局の松田あゆみです。
8月と言えば、夏祭り。

私の生まれ育った宮城県仙台市でも、街のあちらこちらに手作りの七夕飾りが飾られ、
とても賑やかになります。
(残念ながら2020年は中止になってしまいました)


【仙台七夕の飾りに込められた願い】

一説には伊達政宗が、様々な願いを込めた七種類の飾りを和紙で作り、飾ったことが起源といわれています。

短冊(たんざく)…    学問や書道の上達
紙衣(かみごろも)…   病気や災難の厄除け、裁縫の上達
折鶴(おりづる)…    家内安全と健康長寿
巾着(きんちゃく)…   商売繁盛
投網(とあみ)…     豊漁・豊作
屑篭(くずかご)…    清潔と倹約
吹き流し(ふきながし)… 織姫の織糸

出典:仙台商工会議所


商店街では、店ごとで大きな竹に手づくりした七夕さん(地元・仙台での呼び方)を飾り付け、
店の前に飾ります。

数年前からこの竹の一部はリサイクルされるようになり、
お盆の迎え火として商店街を灯す竹灯籠になっていたり、
鹿児島県川内市で作られている竹紙の原料ともなっているそうです。
(画像は竹灯籠の様子)


【夏休みの思い出】

私の家は商売をしていたので、夏休みの子供の居場所は家の中になく、遊びに出かけていました。

母から勧められる先は「ミシン屋さんで弁当袋作り」や「市役所で七夕さんを作る」といった具合で、
何かしらのものづくりをして、夏休みの宿題代わりに提出できる遊びが多かった気がします。

市役所で行われていたワークショップで七夕飾りを作った時は、
一つ一つ飾りに込められた意味を教えてもらいながら、
何日も通って飾りを完成させました。


【私の手づくりの原点】

父は釣具屋をしていましたが、
同時に自分で釣り竿や仕掛けなど、道具を作る職人でもありました。

お客さんに
「こんな道具が欲しいけど売っていない。
自分では作れないが、作ってくれたら買う。」と言われると

あれこれと工夫を凝らし、作ってしまう器用な人でした。

父のごつごつとした手から繊細な道具が作られていく工程を
ワクワクしながら見ていました。

そのおかげか、自分たちで作り、試す。
うまくいかない時は父に相談し、
時には一緒に作るということが遊びの一部になっていました。


【材料を選ぶ時の気持ちの変化】

以前は、あまり材料にこだわりがなく、
デザインだけで生地や毛糸を選んでしまい、石油由来の製品も使っていました。

しかし、クラフト倶楽部へ入ったことで、
何かを作る時には原材料や原産国が気になるようになりました。

そんな私が4月(完成したのは5月)につくったのは、
竹繊維で作られた糸で編んだショールです。

竹繊維で作られた糸で編んだショール


自然素材だからこその優しい風合いは、化繊に劣ることはなく、楽しい手づくりの時間を過ごせました。


6月に甥が生まれました。

何か手づくりの物を贈りたいと思い、
スタイ(よだれかけ)を作るため、オーガニックコットンの生地を求めました。

送られてきた甥の写真を眺めながら、
家族の笑顔を思い浮かべ、手づくりを楽しんでいます。

みなさんも、誰かの笑顔を思いながら手づくりを楽しんでください。

きっと世界で一つだけのステキな作品が、
思い描いた以上の笑顔を運んできてくれるのではないでしょうか?

(SNIクラフト倶楽部 松田あゆみ)

「そうだ!クラフトしよう」-つくる喜び

増えた在宅時間に

新型コロナウィルスの感染症拡大が影響して 、
学校が休校したり、 会社が出勤制限を掛けるなど、
ご家族が自宅にいる時間が増えたご家庭も多いのではないかと思いますが、
皆さま 、いかがお過ごしでしょうか。

子供達は退屈してきて、

“ちょっとそこまで”

とショッピングモールだとかに安易に刺激を求めて出かけてませんか? 

こんな時こそクラフトで独創性を生かし
表現する喜びを知るチャンスだと感じます。

それはいくつになっても、誰にでも、
気持ちに蓋をしなければ出来るのではないでしょうか。

大人は、豊かな経験から、素晴らしい“クラフト”が出来ると思いますし、

子供達と一緒に、手作りによる自己表現の楽しさを味わう事が出来るのではないでしょうか。

きっと必要な材料も家の中に沢山あります


先日、こんなのをつくってみました


“ 子供達は家で退屈してるんじゃないかなー”

と思っている時に、 ふと、
私が高校生の頃、休み時間に友人と遊んでいた時のことを思い出しました。

「そういえば、面白い飛び方をしたものがあったぞ!!」
そんな昔の経験からアイディアを得て、
子供達の退屈しのぎになる物がつくれたらなぁ~と考えました。


私も高校一年生の娘がいますが、
宿題、課題に追われて毎日机に向かう日々を送っています。

作ったものを見せたときは無反応でした

それもそのはず、この第一印象からは何が何だか分からなかったと思います。


父から娘へ 「これ楽しいよー

これ楽しいよー」 



娘に 一投げしてみると、表情が一変! 

ここから二人でキャッチ段ボール?が始まりました。
娘は 園児だった頃にかえったかのような笑顔で、
こちらが「もうやめようか」と言うまで終わらない程でした。

こんなに喜んでくれるとは思っていませんでしたが、
娘との嬉しい思い出をまた一つ、つくることができました。

全ての経験が生かされるとはこの事ですね。


倫理的な生活は、実践することで発見があります。喜びが湧いてきます。

そして今がそのチャンスです。

思いついたものに対して“こんなの…”なんてと思わないで下さい。

実は多くの方が同じ事を思いついていて、
ほとんどが形に表していないだけかもしれません。

想像するだけなく、それを形にあらわすのはとても楽しいです。
形にすることでワクワク感、喜びが出て来ます。
そして実践するうちに素晴らしい情報にも出会います。


季節を楽しんでクラフトする

春一番が吹くこの時期にも出来る事は沢山あると思います。

今、私の頭の中にあるものは凧作りです。
それぞれで作り上げて持ち寄り、連凧にして願いを込め、
空高く上げたら、楽しそうで考えただけでワクワクします。

さあ、そろそろこんな風に思っていただいてるのではないですか?

「そうだ!クラフトしよう」

(SNIクラフト倶楽部事務局 尾身和洋)

新聞紙で作るエコバッグ

【つくり方】新聞紙でつくるエコバッグ

◆用意するもの

新聞紙3枚(本体部分で2枚、持ち手で1枚)

のり

はさみ

◆作り方

(1)完成した時に外側に見せたい方を下にして、2枚重ねて広げる。

※1枚でも良いが、2枚重ねた方が、丈夫なバッグに仕上がる。

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(2)日付の下の線(1.5㎝程度)を谷折りにする。

※このとき2回折り返すと、強度が増します。

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(3)(2)の折り目まで、新聞紙の下半分を引き上げ、谷折りにする。

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(4)(2)で谷折りした部分に、のりをつける。

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(5)(4)で糊付けした部分を谷折りして、貼り合わせる。

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(6)左右を折って中央で重ね、一方の輪のなかに、もう一方を20㎝程度差し込む。

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(7)ゆがまないように整え、差し込んだ部分をのりづけして貼り合わせる。

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(8)左右の折り目を、しっかりとつける。

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(9)下半分を、上に折り返して、谷折りにする。

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(11)折り返した上部の輪をひろげ、きれいな三角形になるように折る。

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(12)(11)の下部と上部を写真のように折り返して、折り目をしっかりつける。

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(12)一度広げて、折り返した時に重なる部分にのりをつける。

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(13)再び折り返して、貼り合わせる。

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(14)バッグ本体が完成。

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(15)開いた新聞紙(1枚分)を、写真のようにハサミで切る。

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(16)大きい方の新聞紙の端を、直角二等辺三角形になるように折り返す。

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(17)折り返した部分を、さらに5mmほど折る。

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(18)(17)で折り返した部分から、くるくると巻いていき、最後に糊付けをして固定する

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(19)同じ手順で、2本ひもを作る。

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(20)小さいほうの新聞紙の下半分を折り返す。

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(21)折り返した間に、ひもをUの字にして差し込む。

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(22)のりで貼り合わせる。

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(23)同じ手順でもう一つ作る。

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(24)写真のように、全面にしっかりとのりをつける。

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(25)本体の内側に、中心部分を合わせながら、1.5㎝ほど下部に貼り合わせる。

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(26)完成!

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