紙ヒコーキで気分転換

 前回は段ボールの凧をご紹介しましたが、外出自粛が続く中、今度は大人も楽しめるものをつくろうと思いました。
「在宅勤務中は適度に休憩を取ることが、効率よく働くコツ」と紹介している記事を読んだので、家の中で気分転換になる“遊び“はないかと考えたところ、小さい頃よく遊んだ紙飛行機を思い出し、インターネットで調べてみました。

インターネットで調べて作った紙飛行機。2メートルほどのだ円を描いて、手元に戻ってくる。回っていく方向側の主翼の後端を、反対側より2倍に折っている

 興味を惹かれたのは、手元に帰ってくる紙飛行機です。何10メートルも飛んで戻ってくるものや、数メートルで帰ってくるものもあります。また、形も様々でした。私が動画サイトで見つけたものは、先端が尖っていましたが、家の中では危ないので、先端は折り返し、さらに小さい円で飛ぶように手を加えてみました。

後端を三角の形に折り
折ったところを、写真のように広げることで、クルッと帰ってくるようになる

 材料は、折り紙でなくても、コピー用紙などの再利用で充分です。飛ばすとその場に帰ってくるゆったり感がなんとも心地良く、数回飛ばすといい気分転換になります。動画サイトにはいろいろな作り方が出ています。とても簡単なので、つくってみませんか。

(尾身和洋 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.133(2021年4月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.57」

※この記事は2021年に執筆したものです

手づくりで父娘のコミュニケーション

 新型コロナウイルスの影響により、在宅勤務が始まった昨年春頃のこと。ふと気がつくと、身近な材料で作れて、楽しめるクラフトはないか考えるようになっていました。
 その頃は、高校生の次女が休校で友達にも会えず、学校から送られてくる宿題をこなすために机に向かう日々を送り、元気がなさそうでした。ある日、外を見ると結構風が吹いていて、「そうだ! 娘と凧揚げをしよう」と思いつき、凧を手づくりしました。段ボールで骨組みを作って新聞紙を張り、新聞紙の尾を付け、凧糸を結べば完成です。早速、娘に声をかけると、意外と素直に付き合ってくれました。

段ボールで作った骨組みは、縦横39cm、幅2cm。3対7の比率でクロスさせる。クロスしている部分は段ボールを重ねて補強。新聞紙は破れないように四辺を織り込んである

 目線をあげる程度の高さですが、手作りの凧が揚がると娘はとても楽しそうでした。風のない時は、吹いている場所を探しながら歩くとちょっとした散歩にもなり、全く風のない時は2人で走って「自分の方が速い!」と競争しながら揚げました(笑)。試行錯誤しながら工夫を凝らした凧となりましたが、そのユニークな手作り感がかえって親子の距離を縮めてくれました。

手づくりした段ボール凧を揚げる

(尾身和洋 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.132(2021年3月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.56」

※この記事は2021年に執筆したものです

まな板がおもちゃに!

 地元のコミュニティカレッジで開かれている「女性のための木工教室」に通って1年半ほどになります。初めは用意された板で作っていましたが、木製おもちゃの本を見た時、不用になったまな板で、木のおもちゃが作れるのではと閃きました。ところが、家のまな板は厚みが3センチ近くもあったため、電動糸ノコの刃が曲がったり折れたりしました。また垂直に切らないと、パズルは片方からしか抜けなくなってしまいます。「アリの歩く速さで」と教えられたとおりに、時間をかけて慎重に切り進めました。

ヨコ47cm、タテ25cm、厚さ2.8cmのまな板を切り抜いて3つのおもちゃを作った

 初めに出来たのは、カタカタと心地良い音を立てる歯車を、曲線に沿って移動させるおもちゃ。次は8頭のゾウのバランスパズルで、手触りが良くなるように紙やすりを丁寧にかけました。3番目は形合わせパズルです。赤しそ、玉ねぎ、なす、ウコン等の草木染めで色を付け、着色、乾燥、研磨を10回以上繰り返し、最後にアマニ油を塗ってやさしい色に仕上げました。残った小さなかけらはイヤリングに。楽しみながら物を大切にする暮らしを送っています。

歯車のおもちゃ。左右に傾けながら曲線に沿って歯車を移動させる
形合わせパズル。積み木としても遊べる
ゾウのバランスパズルは、上手に積み重ねて遊ぶ

(大西淳子 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.129(2020年12月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.53」

※この記事は2020年に執筆したものです

羊からのおすそ分け。羊毛フェルトで作品作り

 ここ数年、肌寒くなってくると部屋の奥から引っ張り出してくるものがある。モコモコな羊からのおすそ分け。羊毛フェルトだ。


 ニードルという細かいギザギザの切れ込みが入った専用の針でサクサク刺していくと、フェルトの繊維が絡まって、固まっていく。バランスを見ながら好みの形になるまで、ひたすら刺していくのだ。割と単調な作業なので、コツをつかめば、おしゃべりしながらでもできる。もっと大掛かりのものを作る場合は、石けん水で濡らし、こすって形成していく手法もある。


 なかなか根気のいる作業だが、みるみるうちにふわふわだった毛が形になっていくのはワクワクする。それに、羊毛フェルトは自然素材とも相性バツグン。枝や木の実などと組み合わせると、なんとも言えない温かみが作品に加わり、おもわず笑みがこぼれる。


 今冬はバッグを作ろう。触れるとポカポカが伝わってきて「羊さんありがとう!」という思いになる。毎年少しずつ増えていくあったかアイテムたち。寒い季節限定のわたしの楽しみだ。

今冬作ったバッグ。石けん水で濡らし、こすって形にしていくウェットフェルト手法で製作。白クマも羊毛フェルトで手作り
ニードルを使った作業風景
クルミの殻と羊毛フェルトで作ったオーナメント。ピンクッションとしても使える

Sさんの長女が、6歳の時に作った羊毛フェルトの小物入れ


(S・S / SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.107(2019年2月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.31 」

手作りする楽しさに目覚める

 東京に住み、長男と長女を育てていた頃は、家事と子育てだけでいっぱいいっぱいで、何かを手作りする余裕などはないと思っていました。そんな私でしたが、夫が勤める生長の家国際本部が山梨県北杜市の八ヶ岳南麓に移転し、私たち家族も引っ越したことをきっかけに、考え方が大きく変わりました。


 こちらでは、小物やお菓子、野菜、味噌にいたるまで楽しみながら手作りする人たちが沢山いて、今まで買うのが当たり前と思っていたものが、私にも作れるかもしれないと考えるようになり、フェルトでおもちゃを作りはじめました。

近藤弥栄子さんがフェルトを使って手作りしたおもちゃの数々


 クリスマスの飾りや、おままごとのセットなどをチクチクと縫う毎日。クリップを縫い込んだ魚を、磁石で釣り上げるおもちゃは子どもたちに大人気で、子どもの喜ぶ顔が嬉しくて、1匹、また1匹と魚が増えていきました。
 今では、子どもは4人になり、以前よりもまとまった時間は取れませんが、スキマ時間を使うことで、豊かな手作りライフを楽しんでいます。


(近藤弥栄子・SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.99(2018年6月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.23」

※この記事は2018年に執筆したものです