既製品を買う前に

 3年前から薪ストーブの生活が始まり、室内では薪を段ボール箱に入れていました。が、寒さが厳しくなると、段ボール箱では量不足が判明。そこで、薪用のラックをネットで検索すると、高額のため手が出ない……。しかし、ラックの写真をよく見ると単純な構造で、家に建築端材があり、材料も確保できたので、「これなら自作できるかも」と思い、作ってみました(写真①)。とても売り物になるような品物ではありませんが、自分で使う物なので気にすることもなく、大変満足でした。

写真① 初期型


 その後、このラックを使っているうちに、「ラックを分割したい」「下に車輪があれば移動しやすい」ということに気づき、現在の形に変えていきました(写真②)。もし買ったものだったら、途中で使い勝手が悪くても、そのままだったかもしれません。自作品だからこそ、躊躇なく改良できたのです。
 現代はお金を出せば何でも物が揃います。しかし、こんな時代だからこそ、自作することで様々な気づきを得られるのではないでしょうか。

写真② 分割し、車輪をつけた改良型

(國分祥行・SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.86(2017年5月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.11」

※この記事は2017年に執筆したものです

つくる、祈る、日々の生活 No.6

森の散歩から生まれた、素朴であたたかい小物

 わが家では、冬期の暖房として薪ストーブを使っているので、焚きつけ用の小枝の準備は欠かせません。ウォーキングのついでに、自宅周辺の森で小枝を拾うのが日課です。

 そんなある日、樹皮が赤紫色を帯びた褐色で、光沢のある小枝を拾いました。調べてみると、ヤマザクラだと分かりました。


「こんな美しい小枝を、焚きつけ用として燃やしてしまうなんてもったいない! 木工作品として生かせないだろうか?」



 こうして作ったのが、今回ご紹介する花器です。ノコギリでいろいろな長さに切断した小枝を、使い切ったガムテープの芯にボンドで固定しただけのシンプルな器。そこに妻が、森で拾ってきた木の実や葉などを飾ってくれ、素朴であたたかみのある作品に仕上がりました。

 お店で買わなくても、ちょっとした工夫で心豊かに暮らせるもの。そんな生活を夫婦で楽しんでいます。


(永井 暁・SNIクラフト倶楽部)


作り方

①使い切ったガムテープの芯と小枝を用意し、小枝は適当な長さにノコギリで切っておきます
②芯の周りに小枝を並べて輪ゴムで仮止めした状態で、木工ボンドで固定して完成! 
その中に好きなものを飾ってみましょう

『白鳩』誌No.81(2016年12月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.6」

森の中のゴミ拾い

ゴミがいっぱいだった森の道

 こんにちは、SNIクラフト倶楽部の中井です。
 2020年4月、私は電動アシスト自転車を買いました。私が住む山梨県北杜市は、自然がとても豊かで美しく、のんびりとサイクリングしたら楽しいだろうなという思いから、自転車に乗り始めたのです。

 ところがいざ走ってみると、道ばたや草むらの中には、いろんな種類のゴミがいっぱい落ちていて驚きました。7年前から、住んでいる街のゴミ拾いを続けていましたので、これからは自転車に乗りながら、森の道もきれいにしようと決心したのです。


自然の生態系を守る“森の中のゴミ拾い”

 ゴミ拾いをするようになって一ヶ月が過ぎた頃、一頭の野生のシカが道ばたに捨てられた弁当を食べているのを見て、私はショックを受けました。今まで、街の中でゴミ拾いを行っていた時は、そこに住む人たちが喜んでくれたらという思いで続けていました。

 でも、自然の中でゴミ拾いを行うようになって、ゴミを拾うことは私たち人間のためだけではなく、そこに住む動物や植物の生命を守ることにつながるということに気づきました。落ちているゴミの中には、動物や植物にとっても有害なプラスチック製品やガラス瓶、空き缶なども、とても多いのです。動物がゴミの破片でケガをしたり、間違えて食べたゴミによって、消化不良で死んでしまうケースもあるということを知りました。

 また、美しい水を作ってくれるのは、川の源である森です。その森にプラスチックの容器が捨てられていることで、川から海に流れたプラスチックゴミによって川や海が汚されています。さらには、紫外線などによって劣化し、ボロボロになったプラスチックが土壌に入り込むことで、土の栄養が減り、植物の生長や土中に暮らす生物に悪影響を与えているとも言われています。このような「海洋プラスチック」「マイクロプラスチック」などの問題は、多くの学者やメディアなどが取り上げています。(参考:NHK就活応援ニュースゼミ「1からわかる!プラスチックごみ問題」



 森の中で行うゴミ拾いは、あらゆる自然の生態系を守ることができると気づきました。動物や植物、昆虫など全ての生物が平和に暮らすことができ、私自身が自然を傷つけない生き方をするためにも、今私は森の中のゴミ拾いを毎日続けています。


ゴミ拾いは嬉しいことがいっぱい

 ゴミ拾いを続けていると、嬉しい出来事もたくさんあります。私はその日によってゴミ拾いをするコースを変えたりはせずに、ずっと同じコースでゴミ拾いを行っています。毎日同じコースを走っていると、少しずつ季節によって移り変わる風景や、様々な種類の鳥や昆虫、植物に出会うことができ、自然は生きていることを鮮やかに感じることができます。


 たまに出会うおじさんから、「今日もありがとう!」ってお礼を言ってもらえたり、畑作業をしているおばさんに、「おはようございます」って挨拶してもらえたりすると、すごく幸せな気持ちになります。

 また、ゴミを拾って草むらがきれいになると、草や木やそこに住んでいる動物たちも喜んでくれているような気がしてきて、私と自然との一体感を味わうことができました。


自然と一体の喜びを生活に表現

 森の中のゴミ拾いを続けるようになって、自然に“与え返す”生き方()を自分の生活にもっと反映していきたいと思うようになりました。

 最近、具体的に変えたことがあります。拾ったゴミを入れるために、今までレジ袋を使っていたのですが、竹かごに変えました。レジ袋は石油由来であることに加え、毎回ゴミ拾い後にはレジ袋も一緒に破棄するため、もったいないと感じていました。

 しかし竹かごは、自然素材でできていることや、繰り返し使えること、最終的には土に還ることなど、自然にかける負荷が少ないです。


他にも、飲み物のボトルを自転車に付けるドリンクホルダーを竹で作りました。

 このようにして私は、自然に感謝して、自然に“与え返す”生き方を心がけることによって、今まで味わったことのなかった幸せを実感しています。

 これからも、森の中のゴミ拾いを続けながら、自然と一体の喜びを、生活に表現していきたいと思います。

(SNIクラフト倶楽部 中井憲治)

<参照>
*自然に“与え返す”生き方:谷口雅宣・生長の家総裁ブログ「唐松模様」より「自然界に“与え返す”生き方」

SNIクラフト倶楽部・展示コーナーだより♪

*展示コーナー・2020年度の作品が揃いました*

2019年に、国際本部の“森の中のオフィス”内に誕生した
SNIクラフト倶楽部の展示コーナー


このコーナーは、主に“森の中のオフィス”を見学される方へ
生長の家のプロジェクト型組織(PBS)の活動、低炭素のライフスタイル実践の紹介を目的として、
SNIクラフト倶楽部メンバーの作品を展示しているものです。

こちらの記事もあわせて読む↓

2019年4月完成「SNIクラフト倶楽部・展示コーナーが完成♪」


2年目となる2020年の展示コーナーには、
全国のSNIクラフト倶楽部メンバーにも協力をいただき、
沢山のすてきな手づくりの品が集まりました。

どの作品もひとりひとりの個性が光り、
見ていて心が温かくなるものばかりです。

そんな作品たちをこれから紹介させていただきます。


*作品紹介*

クラフトに使う材料も
「自然素材」「自然由来の製品」を使うようにしています。

糸、毛糸、木材、竹材、植物染料などを使用し、
化石燃料由来のものはできるだけ使用していません。(再利用品は除く)


『竹皮の弁当箱』作者:つしま屋 
天然の竹からとった皮(2019年5月採取)でつくられた作品です。 時が経っても、傷みはなく、むしろ、しっかり乾いて丈夫になっていて、 まだかすかに竹の香りも残っています。

『Tシャツヤーンのひもポシェット』 作者:kiramekiyukie  
古着のTシャツを細く切り、一本の糸にして、編まれた作品です。

『里山の春』 作者:ひだまりの家 
ぎんなん、松葉、かぼちゃの種、桜の枝などでつくられた作品です。

『紫陽花染めのタッセル』 作者:花鳥舎
生長の家赤坂“いのちの樹林”で剪定したあじさいの葉で、
草木染めにした絹糸からつくられた作品です。

『エコクラフトテープのかご』 作者:あーちゃんのカゴ 
エコクラフトテープと必要最低限の接着剤で つくられた作品です。この作品をご覧になった方に“「自分でも作ってみたい」と思っていただけたらうれしい”との想いで出品いただきました。

『めぐる季節』 作者:andante 
天然素材の布と糸で八ヶ岳の四季を表現した作品です。
額は端材とそうめんの木箱でつくられています。

『リネン×和紙糸の食器洗いクロス』 作者:手作り雑貨ふわふわ工房 
日本製のリネンと和紙糸のワッフル生地、綿100%のミシン糸でつくられた作品です。
タグ部分は麻100%のテープに、日本製の綿100%の刺繍糸で刺繍がほどこされています。

『麻ひもタワシ』 作者:あゆさんのエコタワシ 
黄麻(ジュート)を指で編んでつくられた作品です。

『コットン毛糸タワシ』 作者:有機編紡 
オーガニックコットンの糸で編んだ食器用タワシです。

『小鳥の語らい』 作者:ミセス・ローズ 
森の中で仲むつまじく語らう小鳥たちを押し花で表現した作品です。

『フレンチリーブトップス』 作者:kasty.kasty.kasty
綿100%の生地と、レースはリネンのハギレを使用。
自分の服は可能なかぎり自給自足をしたいという思いからの作品。

『リネンの刺し子バッグ』 作者:kasty.kasty.kasty
リネンのハギレをつぎ合わせ、裏布は洋服を作った余り布を使用。
布の補強に飾りの要素を加えた“刺し子”作品です。

『八ヶ岳ブックスタンド』 作者:暁工房 
山梨県産スギ材を使用し、柿渋で塗装された作品です。
八ヶ岳をイメージしてつくられています。

『竹のランプシェード』 作者:Bang Bamboo 
地元・山梨県北杜市の竹林から採取した竹で作った作品です。
太陽光を蓄電したバッテリーでLEDライトを光らせます。

『スマホスピーカー』 作者:むすび木工 
建築端材及び山梨県産材でつくられた作品です。

*おわりに*

こうして作品が集まると、
「クラフトする」ことへのひとりひとりの想いに、
前向きなパワーを感じます。

そして、つくった人の個性や存在を感じることができて
「手づくりってすごいな~」と改めて思いました。

今この画面を通して、作品をご覧いただいたみなさまにも、
自然重視のクラフトの素晴らしさを感じていただき、
何かつくりたい! というきっかけになっていましたら、嬉しく思います。

(SNIクラフト倶楽部 松尾富美子)

「豊かな気持ちで生活を楽しむ」

こんにちは、SNIクラフト倶楽部事務局の中井です。

新型コロナウイルスの問題で、新聞やネット、テレビでは不安なニュースが連日報道されています。
多くの人々が、一日でも早い終息と、世界の平和な日常を取り戻すことを願っているかと思います。

突然ですが、私は以前まで眼鏡業界で営業職をしていました。
その頃の私は毎日忙しく、文字通り「心を亡くして」指示とノルマに
追われる日々を過ごしていました。
そんな当時の心境などを思い出しながらも、
今回の新型コロナウイルスの問題を機に考えたことを、記事にしてみました。


端材でスマホスタンドを作ってみる

3月の終わり頃、家の倉庫を掃除していた時、すごくきれいな木目の端材を見つけました。
この木を使って何か作れないかと考えました。

「そうだ。スマホスタンドを作ってみよう」

ちょうど、スマートフォンを使って会員の方々とビデオ通話をする機会が増えていたので、スマホスタンドが欲しかったのです。

早速、のこぎりで木を切って、紙やすりでじっくりと磨いていきました。
あせらず、優しく木の表面を磨いていくと、木も私の動きに合わせるように、自分の木目の美しさを、ゆっくり、ゆっくりと見せてくれました。

私があせらずに作ることで、木は、自分が本来持っている美しさを私に教えてくれました。

それで、完成したのが、この作品です。

こんなふうにスマホを立てて使います。
差し込む溝を調節すれば、スマホの角度も変えることができます。

お店に行けば、もっと格好良く、機能的なスマホスタンドは売っているでしょう。
でも、私にとっては、このスマホスタンドが一番のお気に入りになりました。
なぜなら、この作品の材料である何の変哲もない1枚の板は、この私に豊かな時間を与えてくれたからです。


不安な日々が続くなかで

4月に入って、新型コロナウイルスの感染拡大の防止のため、私が勤務する生長の家国際本部“森の中のオフィス”が閉鎖されました。
突然の在宅勤務で業務となった私は、「全国の会員の皆さんは元気にしてるのかな?」と心配になりました。

「そうだ。絵手紙を届けて、少しでもみんなに元気になっていただこう」

実は、今まで行事などで絵手紙を描いたことはありましたが、その絵手紙を誰かに送ったことは一度もありませんでした。

「明るく 優しく いのちを 観つめて」

一枚ずつ、じっくりとていねいに、心を込めて書きました。
春らしく桜の花を描きました。

「喜んでくださるかな」

そんな想いで、一枚一枚真心を込めて描いていると、私自身が幸せな気持ちになりました。
そして、届いた方の嬉しそうな表情が思い浮かび、桜の花びらの優しさまで感じることができました。

上手に描けないと思うと、ちょっと尻込みしてしまいます。
でも、上手に描けるかどうかよりも、描いている時にどれだけ豊かな気持ちになれるか、このことの方が尊いことなんだと気づきました。


いのちを生かす生活 

最近私は、

「どうすれば自分は幸せに生きることができるのだろうか」と悩むことはやめて、
「どうすればまわりが幸せに生きることができるのだろうか」と考えるようにしています。


新型コロナウイルスの影響で在宅勤務になり、あまり外に出ることができなくなりました。

そんな私が、今心がけていることは、豊かな時間を過ごすということです。
ごはんを自分で作ってみたり、お風呂掃除をしたり、洗濯物をたたんだり、いろいろやって楽しんでいます。
早く片付けようなんて思わずに、一つ一つのことをじっくりと味わいながらするんです。

タオル一枚でも、ていねいにたたんでるだけで、いろんな気づきが与えられます。
豊かな時間をタオルが与えてくれます。

今まで当たり前のようにしていたことも、できないことが多くなりました。
できなくなったことを数えれば、キリがないほどたくさんあります。
でも、私は思います。


今できることの中に、私たちが行うべき正しい生き方のヒントが、きっとあるんじゃないかと。

今、いのちを生かす生き方を考えるチャンスを与えられているような気がします。

この機会に、じっくりとていねいに、豊かな時間を味わいながら、日常生活やクラフトを楽しみたいと思います

(SNIクラフト倶楽部 中井憲治)

SNIクラフト倶楽部・展示コーナーが完成♪

【*SNIクラフト倶楽部の展示コーナー誕生*】

生長の家国際本部では、
生長の家の取り組みや
“森の中のオフィス”の機能などを紹介させていただくため、
希望者をお迎えして見学案内(要予約:代表番号 0551-45-7777)を
おこなっています。

※生長の家“森の中のオフィス”の解説は、このページの下に動画を掲載しております。


見学案内の中では、
低炭素のライフスタイル実践として、
生長の家プロジェクト型組織(PBS)の活動も紹介しています。

そのひとつとして、SNIクラフト倶楽部は、
作品から展示台に至るまで、すべて「手作り」にこだわり、

クラフト倶楽部のメンバーに沢山の協力をいただきながら、
事務局員メンバーとも話し合いを重ね、
時間をかけて展示コーナーを少しずつていねいに作り上げていきました。

【*作品紹介*】

ここに展示してある作品は
『SNIクラフト倶楽部』のメンバーが手づくりしたものです。

クラフトに使う材料も
「自然素材」「自然由来の製品」
使うようにしています。
糸、毛糸、木材、竹材、植物染料などを使用し、
化石燃料由来のものはできるだけ使用していません。(再利用品は除く)

↓ 写真をクリックすると作品の全体が見られます


【*展示台*】

展示台に使用する材料も、
より自然度の高い、環境に負荷の少ないものを選んでいます。

コルクボードは、国産針葉樹の合板に天然コルクシートを貼り付けました。
棚の支柱には、桜の枝を使用しています。


【*こぼれ話*】

展示作品にはランプシェードがあります。
“森の中のオフィス”は全て自然エネルギーですが、
見学の皆様の参考になるように、
あえて個別の発電にし、
小さな太陽光パネルで発電して蓄電池(*1)に貯め、LEDランプを光らせる方法を採用しました。
*1:今回使用の蓄電池 http://sugoibattery.com/

【*おわりに*】

手作りのあたたかみ
自然により近い作品が醸し出す雰囲気からか
この展示コーナー自体、
ゆるやかな空気をまとっていて、やさしい気持ちにしてくれます。

内容は、毎年3月に更新されていく予定です。
その際はまたこちらで報告いたしますので、ぜひ楽しみにされてください♪

(SNIクラフト倶楽部)


生長の家“森の中のオフィス物語”

生長の家“森の中のオフィス” についてはコチラ

つくる、祈る、日々の生活 No.5

環境負荷の少ない、地元産の木材を使ったモノづくり

私は、材木や端材などを使って、日常生活に役立つモノを手作りして楽しんでいます。
今回ご紹介するのは、ウッドデッキ用の階段。自然素材である木材を使うことで“環境にやさしい素材”を使うという目標はクリアできますが、もう一歩踏み込んで、同じ材木でも輸送のための燃料消費が少ない材木を選びました。

ホームセンターには安価で加工しやすい材木が並んでいます。しかし、そのほとんどは北米や北欧などから船で運ばれてきたもので、それだけ輸送のために化石燃料を使い、二酸化炭素を排出して、環境に負荷を与えているのです。
そこで、私は自宅からほど近い製材所を訪ね、国産か県産の材木で階段を作りたい旨を説明。すると、地元・八ヶ岳で伐採したカラマツ材を提案してくれました。イメージ通りに階段が出来上がっただけでなく、地元産の木材を使うことで地域の活性化につながり、温暖化対策の一助となったことも喜びになりました。
(永井 暁・SNIクラフト倶楽部)

白鳩誌No.80 2016年11月号より

木の端材から新たなモノをつくり出すよろこび

子どもの頃、自宅の物置には要らなくなった木の端材が保管されていました。
日曜大工と奉仕活動が大好きな父は、歩道の側溝のフタが腐って、歩行者がはまらないように、半年に1回、端材を利用して新しいフタにつくり替えていました。そんな父親の姿を真似て、私も一緒にフタづくりを手伝ったり、自分で整理箱や本棚などもつくりました。下手でも自分でつくったモノには愛着が湧き、いつまでも大切に使いました。

ここで紹介するのは、最近つくった木箱。長さが不揃いの端材を段違いにつぎはぎにすると、既製品にはない面白いデザインになりました。私は「木工は、隙間があっても、ゆがんでいてもいい」と思っています。廃棄処分される予定だった端材を最大限に生かして、新たなモノをつくり出すことができたよろこびの方が大きいからです。モノに宿る“いのち”に触れたような感じです。
(永井 暁・SNIクラフト倶楽部)

白鳩誌No.79 2016年10月号より

【つくり方】世界に一つだけ!自分だけのマイ箸を作ろう!

環境への配慮から、外出先で割り箸を使わずに、
持参したマイ箸を使う方が増えています。

でもせっかくですから、ちょっと一手間かけて、
自分だけのオリジナルのマイ箸をつくってみてはいかがでしょうか?

箸を作る時間も、それを使って食事をする時間も、
あなたの心をより豊かなものにしてくれるはずです。


◆準備するもの

小刀(カッターでも可)

乾性油(ひまわり、紅花など)

◆つくり方

(1)枝を集める。

コナラ、カシ、シイなどの木が適している。ウルシなど、触るとかぶれる木もあるので、十分注意する。

生木から分けてもらうのが良い。落ちている枝の中には、必ず小さな虫がいるので注意。

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(2)枝を選ぶ。

なるべく真っ直ぐな枝を選ぶ。枝分かれしているところは剪定バサミなどを使ってキレイに整える。

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(3)枝を削る。

先端に向けて徐々に細くなっていくように削っていく(皮は残しても良い)

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(4)煮沸消毒をする。

弱火〜中火で10分程度煮沸する。

(5)乾性油を塗る。

ひまわり、紅花などの乾性油を塗って完成!

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