〈目次〉
Ⅰ【布マスクをすること】
Ⅱ【作るときに気になること】
①《布マスクの種類》
長さを調節できるひもの結び方
②《生地の種類と特徴》
③《ちょっとした一工夫》
Ⅲ【使い方】(洗い方・干し方)
Ⅳ【布マスクっていいなあ】
Ⅴ【できることからやってみよう】
現在(2020/04/11時点)、使い捨てマスクの品薄状態が続いており、 政府からは布マスクが各世帯に配布されるとの発表もありました。
今まで、布マスクを使うことがなかった方も、使うことを視野に入れはじめているのではないでしょうか?
最近では「咳エチケット」(※)という言葉も聞きますが、 症状がなく知らずに感染している場合でも、マスクをしていることで、 周囲への感染を防ぐ効果があるとされています。
また、使い捨てマスクは24時間の生産体制で増産されていますが、世界中でマスクを必要とされているため、生産が追いついていないという現状があります。
そんな中、医療機関への配布が優先されているのは、医療従事者が感染すると、病院の外来を閉めることになり、医療を受けられない状況が生まれてしまうためです。 命を救う医療を守るために、今は医療機関への配布を優先することが第一と考えられます。
他者への感染を防ぐことが必要とされながら、使い捨てマスクが十分に供給される状況ではない今、布マスクを使うことが選択肢のひとつになるでしょう。
布マスクをすることに不便を感じたり、
面倒だと考えられるかもしれませんが、
「今、できるかぎりのことをする」
こうした小さな意識が世界全体への協力になるのではないかと思います。
(※)参考サイト:厚生労働省HPより
現在、SNIクラフト倶楽部のFacebookグループには、 「布マスクを作りました」と毎日たくさんの投稿があり、 布マスク作りに関する情報のやり取りも、活発に行われています。
そのやり取りを目にしているだけでも、最初はぼんやりとしていた「布マスク作り」について、 少しずつ身近に感じられるようになっている感覚が、わたし自身ありました。
今、読んでくださっているあなたにも、何かヒントになることがあれば嬉しいです。
①《布マスクの種類》
②《生地の種類と特徴》
③《ちょっとした一工夫》
の3つにまとめてご紹介します。
ぜひ、どんなマスクを作りたいか、イメージしながら参考にしてください。
布マスクの種類って、こんなにもあるのですね。
今はマスクの材料である「ゴム紐」も品薄状態が続いていますので、「ゴム紐」にこだわらず、代用できる方法を考えるなど、柔軟な視点を持つことも大事になってきますね。
最近わたしも布マスクを作った際に、コットン毛糸を三つ編みにして、使用しました。
その際、紐の結び方は、固結びではなく、長さが調整可能で、かつほどけにくい「ネクタイ結び」を採用しました。
布マスク作り初挑戦の方は、
特に、「どんな生地を用意すればよいのか?」という疑問点からスタートする方も少なくないと思います。
マスクに使用しやすい生地がイメージできたら、購入せずとも、家にある再利用可能な布を使うこともできそうですね♪
何度も洗って使用するマスクですので、 できるかぎり満足のいくものに仕上げたいものだと思います。
・アイロンをかけながら行う
・最初に生地を水通しする。
・マスクを作ったあと、何回か洗ってみて、使い勝手・使用感を確認する
など、作業のコツを紹介する投稿もありました。
わたしもアイロンを使用し、2種類の生地(裏地にさらしガーゼ2枚・表地に麻の生地1枚)を使用して作りました。
ガーゼのみではやわらかすぎるため、少し丈夫な生地を合わせて作ることもおすすめです。
他にも、
・使い捨てマスクの「ワイヤー」を布マスクに再利用
・型紙は子ども用は大人用の型紙を80%縮小印刷(男性用は110%拡大)
など、参考になるアイディアの投稿もありました。
布マスクを清潔に使うには「洗濯する」ことが欠かせません。
自分にとって継続できる方法を選ぶことが、継続的に使えるコツだと思います。
以下に布マスクの洗濯方法と、
後半には参考になる動画を紹介します。
これから使ってみたいと思う方は参考にしてください。
《布マスクのお手入れ方法》
①洗面器などに70℃以上 のお湯を入れ、マスクを10分ほど浸します。
②洗濯用の中性洗剤を使い押し洗いをします。
このとき、もみ洗いをすると型崩れや、生地が傷む原因となります。
(お湯が冷めていない時は水を入れてくださいね)
③何回か水を替えてすすぎます。
④タオルや手ぬぐいなどに挟んで、軽く押さえ、水気を取ります。
⑤日陰で風通しの良いところで干します。
洗濯機で洗う場合は、ネットに入れるなどしてください。
【参考】 布マスクの洗い方動画 ( 作成 : 厚生労働省・経済産業省)
※参考動画では塩素系漂白剤を使用すると説明されていますが、
自然環境に配慮する視点から、
酸素系漂白剤や、重曹・クエン酸などを使って衛生的に保つ人もいるようです。
清潔・衛生に気をつけ、環境にも配慮できると良いですね。
新型コロナウイルス感染拡大の予防として、
注目されている布マスクですが、
環境問題の観点からも見ても、優れた面があるように思います。 洗濯して何度も使えますので、ごみを減らすことができます。
産業革命以後、大量生産・大量消費が一般的となり、今では使い捨てなどによるプラスチックごみが、世界中に溢れています。
そのような中で、
主にポリプロピレンやポリエステルで作られている使い捨てマスクより、 手づくりで繰り返し使えるもの をわたしは選びたいと思いました。
布マスクを自分で作ることができれば、材料も環境に負荷のかからないものを選ぶことができます。
また、化学繊維ではなく、綿などの自然素材で顔を覆うことは、自分にとってもやさしい選択になると思います。
あるSNI クラフト倶楽部メンバーの方の話では、 3歳の息子さんが使い捨てマスクは肌触りが苦手なようで、 付けてもすぐに外してしまう・・・とのこと。
しかし布マスクにしたら、「ガーゼのこれは柔らかくて気持ち良い」と、
長時間、嫌がらずつけられたそうです。
ちなみにこの方は、縫わないマスク(ガーゼを折り曲げて、ゴムをつけたもの)で
息子さんのマスクを作られたそうですが、
人混みの中や 待合室など 気になる場面で、サッと作ってあげることもできてよいとのことでした。
今回の新型コロナウィルス感染症拡大をきっかけに、「布マスクを作りました」という人をたくさん拝見しました。
作られた方はどなたも楽しそうで、
いきいきとされている雰囲気が印象的でした。
「足りない」ことへ目を向けるのではなく、
できることから「やってみよう」と、
生活の中で良い面に目を向けること。
また、「人の役に立てることはないだろうか?」と愛を与える行為によって、
誰かと繋がるよろこびが生まれ、日々の糧になっていくのだと思います。
「めんどう」と頭で遮らずに、
興味や好奇心を持って「やってみる」ことが、
本当に為になることを見極める力に繋がるのではないでしょうか。
少しでも『布マスクっていいかも』とか『作ってみようかな』と、
布マスクを楽しく生活に取り入れる方の輪が
広がっていくといいなと思います。
(SNIクラフト倶楽部 松尾富美子)
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