地元のコミュニティカレッジで開かれている「女性のための木工教室」に通って1年半ほどになります。初めは用意された板で作っていましたが、木製おもちゃの本を見た時、不用になったまな板で、木のおもちゃが作れるのではと閃きました。ところが、家のまな板は厚みが3センチ近くもあったため、電動糸ノコの刃が曲がったり折れたりしました。また垂直に切らないと、パズルは片方からしか抜けなくなってしまいます。「アリの歩く速さで」と教えられたとおりに、時間をかけて慎重に切り進めました。
初めに出来たのは、カタカタと心地良い音を立てる歯車を、曲線に沿って移動させるおもちゃ。次は8頭のゾウのバランスパズルで、手触りが良くなるように紙やすりを丁寧にかけました。3番目は形合わせパズルです。赤しそ、玉ねぎ、なす、ウコン等の草木染めで色を付け、着色、乾燥、研磨を10回以上繰り返し、最後にアマニ油を塗ってやさしい色に仕上げました。残った小さなかけらはイヤリングに。楽しみながら物を大切にする暮らしを送っています。
(大西淳子 SNIクラフト倶楽部)
『白鳩』誌No.129(2020年12月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.53」
※この記事は2020年に執筆したものです