手づくりの蜜蝋ラップから、脱プラスチックをはじめてみる

 みつろう……? 耳慣れない言葉だった。蜜蝋とは、ミツバチから分泌されるロウのこと。初めて聞いたのは、食品包装用のラップを蜜蝋と布を使って手作りできると知ったときだった。
 何気なく使ってきた石油由来のラップ。一度使っただけで捨ててきた。ピタッと密着するため、使われている添加剤なども気になっていた。
 今回、オーガニックコットンの生地に蜜蝋をしみ込ませる方法で作った。5分ほど乾かせば、天然成分のラップの出来上がり。

蜜蝋ラップを干す。ハンガーも竹や麻紐を使った手作り

 私は、おむすびを包んで出かけたり、お皿にかぶせて保存したりするときに使っている。使い終わったら水で洗う。初めて使ったとき、捨てずに繰り返し使うので、丁寧に洗っている自分に気づいた。優しい気持ちにもなる。このようにして、1年くらい繰り返し使うことができるのだ。最後は、土に還るのも嬉しい。
 脱プラスチックに向けて、一歩進むことができ、心から喜べる。こんな喜びをきっかけに、道端に落ちているプラゴミなどを拾うようになり、できることはたくさんあると思った。

容器にかぶせたり、おむすびを包んだりして使っている。蜜蝋には抗菌性があり食品の鮮度を保ち、食品の乾燥を防ぐ。ただし熱には弱く、電子レンジは不可

(Y・F / SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.113(2019年8月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.37」