台所で洗いものが終わると、手作りの食器洗いクロスを丁寧に洗って干す。心地よい瞬間だ。
アクリルたわしや合成スポンジなど、石油由来の素材で作られたものは、台所からマイクロプラスチックが流れ出て、海洋生物に深刻な被害を与える一因になっていると知り、麻の生地で作ってみようと思いついた。出合った麻は手ざわりがよく、メッシュ地で通気性も良い感じ。江戸時代から作られている奈良晒という伝統的な麻織物だ。
持ち帰って、早速、縁をかがり、筒状に縫った。ひと針ひと針、時間を縫い込むようにして、ようやく出来上がった。使い心地はどうだろう。ワクワクしながら、お皿を洗ってみる。……もう少し厚みがあってもいいかな。余った生地でもう一つ作り、二重にしてもう一度試してみる。いい感じだ。
麻布は、使うほどに柔らかくなり、食器へのなじみもよい。そしてなにより、自然に優しいものを使うことに深い喜びを感じる。
創造することは喜びにあふれている。
(Y・F / SNIクラフト倶楽部)