流木__海からのいただきもの

 海が近いのでよく遊びに行く。砂浜では色々なものを発見し、まるで宝探しのように夢中になる。その中でもお気に入りは流木だ。
 波に何度も打たれ、揉まれ、たどり着いた枝には、なんとも言えない滑らかさがあり、形や色味、模様が個性豊かで味わい深い。これはなんの木だろう? 一体どこからどのように流れ着いたのだろう? 一本の枝から壮大なドラマを感じるのだ。


 それだけでも充分楽しいが、なにか作れたらきっと素敵だなと、いつのまにかたくさん集めてしまった。ちょっと手を加えてみるといい雰囲気だ。それに、眺めていると潮風と波の音、キラキラと光るあの水平線を思い出す。また拾いに行こう。いっしょにゴミも。
 海に行くときは、ゴミ袋とトングを持参するのが習慣になった。圧倒的に目につくプラスチックのゴミ。どこから来たのだろうと、流木と同じく様々なことを考える。そして、世界をつなぐこの海が、いつまでも美しく豊かであってほしいと強く願う。

自由な発想で作った流木のオブジェ
流木の作品。左上から時計回りに、星のモチーフ、マクラメタペストリー、フォトディスプレイ、キーフック、娘さんが作った織物

自宅から車で15分ほどの宮崎市内の砂浜に流れ着いた流木


(S・S / SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.108(2019年3月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.32」