2年前、「自然の恵みフェスタ」に何か出品しようと思ってひらめいたのが、壊れた衝立ての再生です。理科教材店で買ったままだった試験管もあり、衝立てをばらした角材と試験管を組み合わせて、一輪挿しを作ることにしました。
角材にドリルで穴を開け、キューブ状に切ったものに試験管を挿すのですが、試験管とドリル刃の直径が合わず、ドリル刃を4回も買い直し、棒ヤスリでも削りました。キューブ部分も正確に切れず、台形になったり、ドリル穴も垂直にならず、ピサの斜塔のようなものも……。飾りのモチーフは、絵心のある妻の作です。
柿渋で塗装し、「puu(フィンランド語で木の意)」というブランド名をつけて、完成した5個を出品すると、嬉しいことに完売しました。ものを再生させることは、新品を買うより楽しくて創造的な体験です。
(田中晴夫・SNIクラフト倶楽部)
白鳩』誌No.93(2017年12月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.17」
※この記事は2017年に執筆したものです