そうじ用具に新しい生命を吹き込む

 

職場にあるシュロのほうきたち
だいぶ年季が入り、毛先が曲がって使いづらくなったほうき。
ここ数週間、だんだんと使われなくなっていき、役目を終えそうな雰囲気がありました。

とうとう、破棄して新しいものに替えようか、という話が出ました。

買い換えを思案していた頃、備品管理を行っている部署の先輩にちょうどお話しをする機会がありました。

「毛先を切ったら、まだまだ使えるわよ~」

と優しく教えてもらい、

「そうか!!!!!!」とハッとするものがありました。

早速教えてもらった通りに
仕事の合間をぬって、外のデッキでハサミを入れていきます。
ちょき、ちょき、ちょき、ちょき・・・。

シュロは固くて、なかなか作業は進みません。

それでも切っているうちに、
なんだか心があたたかくなっていく感覚がしました。

毎週一緒にそうじをする職場の方々への感謝

まだ使えるのに破棄しようとして申し訳ない気持ち、

ほうきに絡みついているホコリや髪の毛さえも、ほうきが私たちの手の代わりとなって働いてくれているんだ、とありがたく感じてくるのでした。

決してまっすぐではないし、短くなってもいい、
そんな思いで整えてみること2日間。

できたー!!

使いやすくなって、まだまだ使えるようになりました。

道具をていねいにメンテナンスし、新しい生命を吹き込む。

シュロの切った毛先の束は、薪ストーブのたき付けで再利用。

大量生産、大量消費の時代ですが、

1人の先輩の言葉をきっかけに、

捨てること無く、むだもでず、新しく買うこともなく、
大切に使うことができました。

そしていちばん喜んでいるのは、
この「気づき」をもらったわたし自身の心なのでした。

(SNIクラフト倶楽部 松尾純子)