非常時用の保存食作りを始めた。野菜などを天日に干して保存食にする。その際に使う干しかごを手作りした。材料はソテツの葉と竹。いつか使えると思って取っておいた頂き物のソテツの葉の出番となり、竹は実家の裏山のものだ。
まずは、鉈をトントンと振り下ろし、竹を縦に割っていく。スコンと割れた時は、とても心地がよい。この竹を格子状に組み、端を麻紐で一つひとつ結んでいく。時間はかかったが、基礎の枠組みができあがった。
外周に使った細い竹は手でしならせて、少しずつ丸みをつけた。ものづくりの良さは、手などの感覚を通じて、ものの性質を体感できることだ。丈夫でありながら、しなやかな竹。その感触にふれるときに感動し、竹というものを創り出した、いのちの世界の豊かさを思う。
格子状に組んだ竹にソテツの葉を挟み込んで完成した。短い葉が残ったので、それらを生かせるように、間に竹を渡す工夫もした。いのちを生かすこと。わずかなものも無駄にしないこと。クラフト製作から本当の豊かさを学んだ。
(Y・F / SNIクラフト倶楽部)