素材を生かしたリメイクで、新しく生まれ変わる

 今回はリメイクのアイデアを2つご紹介します。1つは端切れのリースです。マスクを手づくりした際に出た阿波しじらの端切れを生かす方法はないかと考えていた時に、端切れをリボンのように結んでリースを作ってみようとひらめきました。リースの芯は、畑から採ってきたツルウメモドキで、昨年のクリスマスリースで使ったものを再利用しました。玄関のドアに飾ると、端切れがよみがえったことに嬉しさを感じました。

マスクを作った際に出た阿波しじらの端切れ
色鮮やかなリースとなってよみがえった

 もう1つは、竹のタブレットスタンドです。竹の貯金箱にヒビが入り、再利用できないかと考えた時、フェイスブックで見た竹のスマホ置きからアイデアを得て、タブレットスタンドを作ろうと思い立ちました。私はのこぎりが使えないので、主人の友人に竹を切ってもらいました。サンドペーパーで磨いた後、2つの竹を両面テープや接着剤で貼り付けて、絵を描くと、愛らしいスタンドになりました。アイデア次第でものを生かせることに、ワクワクしています。

使い心地が最高の、竹のタブレットスタンド。スマホや本のスタンドとしても使うことができる

(津田寿美 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.137(2021年8月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.61」

※この記事は2021年に執筆したものです

色鮮やかな椿の花染め

 3月の最終日、友人と富士山の麓までドライブしました。家から車で1時間ほどの道のりです。天気も良く最高でした。道中や行った先の公園のあちこちに、見事な椿の花が落ちていて、「そうだ、この椿で草木染めをしてみよう!」と思いつき、友人と夢中で拾い集めました。気がつくと袋がいっぱいになりました。

拾い集めた美しい色の椿の花

帰ってから早速、きれいな花びらを選んで、さらしを染めてみると、濃いピンクに染まりました。その後、ミョウバンとクエン酸の2種類の媒染液に浸けてから水洗いをして干しました。何年も着て少し黄ばんでいた白いブラウスも染めてみました。綿100%の袖は濃いピンク色に染まりましたが、アクリルが入っている身頃の部分は薄いピンクになりました。

早速、椿の花びらでさらしを染めると濃いピンク色に
椿の花びらで着古したブラウスを染めると、鮮やかになってよみがえった

 さらしは玉ねぎの皮でも染め、鮮やかな黄色になりました。さらに家に飾っていた椿やバラでも染めると、淡い紫色になりました。これらのさらしを使って手づくりしたマスクを、生長の家の先輩の皆様たちに、感謝の気持ちを込めてプレゼントしようと計画しています。

手づくりしたマスク

(津田寿美 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.136(2021年7月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.60」

※この記事は2021年に執筆したものです

手づくりの楽しさにめざめる

 私がSNIクラフト倶楽部に入ったきっかけは、縫い物上手な生長の家の友人が入部していて、「私も入ろう!」と思ったからでした。しかし、入部したものの作品のアイデアはなく、そもそも手づくりは得意ではありませんでした。それでもクラフト倶楽部のフェイスブックグループに何か投稿したいと思い、前の年に手縫いで作ったスカートを投稿しました。

軽くて涼しく、はき心地は最高。幅を出すために縫い付けたワンピースの端切れが、アクセントになっている

 このスカートは母からもらった阿波しじらの浴衣をリメイクしたもので、はきやすく、しかも夏は涼しくて最高です。投稿には思いがけずたくさんの「いいね!」とコメントをいただきました。その後、新型コロナウイルスの感染が広がりマスク不足になった際に、マスクの手づくりを始めました。ネットで作り方を覚え、近所の皆さんに配ると、とても喜ばれました。

阿波しじらの浴衣をリメイクし、手縫いで作ったスカート
手づくりマスク

 以前の私は、何でもポイポイ捨て、“作るより買う”という性格でした。でも今は、集中して作っている時にアイデアが溢れてくる感覚が好きです! 苦手な私でもできました。みなさんも、手づくりを始めてみませんか?

(津田寿美 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.135(2021年6月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.59」

※この記事は2021年に執筆したものです

イメージしたものを形にするワクワク感がたまらない

 私は仕事柄、パソコンでの作業が多いのですが、かといって完全にペーパーレスというわけではなく、書類も使います。なので書類を使いながらパソコンで作業する際にちょうどいい、ノートパソコン用のラックはないかと探していました。が、ネットでも店舗でも、なかなか自分のイメージするものは見つかりません。ならば自分でつくってしまおうと思いました。
 オフィスのロッカーにしまえて、気軽に持ち運べるコンパクトなものが理想でした。さっそくパソコンのサイズを測り、USBメモリーなども挿せて使えるように寸法を決め、集成材と折りたたみのための蝶番を揃えました。

パソコンスタンドとしても使用できる
蝶番を付けて、コンパクトに折り畳めるようにした

 出来上がったラックは観音開きのようにサッと広げて、書類を置きながらパソコン作業を効率よく進めることができます。このような使い方だけを考えて作ったのですが、偶然にもパソコンスタンドとしても使えることが分かりました。自分でイメージしたものを形にする過程にワクワクし、他にはないオリジナルのものを使う喜びを感じています。

自作のパソコン用ラックを使って作業をする。キーボードは外付けを使用。左端にカーブした切れ込みを入れ、書類を立てられるように工夫した

(尾身和洋 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.134(2021年5月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.58」

※この記事は2021年に執筆したものです

紙ヒコーキで気分転換

 前回は段ボールの凧をご紹介しましたが、外出自粛が続く中、今度は大人も楽しめるものをつくろうと思いました。
「在宅勤務中は適度に休憩を取ることが、効率よく働くコツ」と紹介している記事を読んだので、家の中で気分転換になる“遊び“はないかと考えたところ、小さい頃よく遊んだ紙飛行機を思い出し、インターネットで調べてみました。

インターネットで調べて作った紙飛行機。2メートルほどのだ円を描いて、手元に戻ってくる。回っていく方向側の主翼の後端を、反対側より2倍に折っている

 興味を惹かれたのは、手元に帰ってくる紙飛行機です。何10メートルも飛んで戻ってくるものや、数メートルで帰ってくるものもあります。また、形も様々でした。私が動画サイトで見つけたものは、先端が尖っていましたが、家の中では危ないので、先端は折り返し、さらに小さい円で飛ぶように手を加えてみました。

後端を三角の形に折り
折ったところを、写真のように広げることで、クルッと帰ってくるようになる

 材料は、折り紙でなくても、コピー用紙などの再利用で充分です。飛ばすとその場に帰ってくるゆったり感がなんとも心地良く、数回飛ばすといい気分転換になります。動画サイトにはいろいろな作り方が出ています。とても簡単なので、つくってみませんか。

(尾身和洋 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.133(2021年4月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.57」

※この記事は2021年に執筆したものです

手づくりで父娘のコミュニケーション

 新型コロナウイルスの影響により、在宅勤務が始まった昨年春頃のこと。ふと気がつくと、身近な材料で作れて、楽しめるクラフトはないか考えるようになっていました。
 その頃は、高校生の次女が休校で友達にも会えず、学校から送られてくる宿題をこなすために机に向かう日々を送り、元気がなさそうでした。ある日、外を見ると結構風が吹いていて、「そうだ! 娘と凧揚げをしよう」と思いつき、凧を手づくりしました。段ボールで骨組みを作って新聞紙を張り、新聞紙の尾を付け、凧糸を結べば完成です。早速、娘に声をかけると、意外と素直に付き合ってくれました。

段ボールで作った骨組みは、縦横39cm、幅2cm。3対7の比率でクロスさせる。クロスしている部分は段ボールを重ねて補強。新聞紙は破れないように四辺を織り込んである

 目線をあげる程度の高さですが、手作りの凧が揚がると娘はとても楽しそうでした。風のない時は、吹いている場所を探しながら歩くとちょっとした散歩にもなり、全く風のない時は2人で走って「自分の方が速い!」と競争しながら揚げました(笑)。試行錯誤しながら工夫を凝らした凧となりましたが、そのユニークな手作り感がかえって親子の距離を縮めてくれました。

手づくりした段ボール凧を揚げる

(尾身和洋 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.132(2021年3月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.56」

※この記事は2021年に執筆したものです

幸せな気分になれる草木染め

 草木染め。ちょっと難しそうで、やり出すまでは腰が重い。でも始めてみると夢中になる。そして必ず幸せになれる。そんな感じがします。
 落ち葉、花びらなど、自然にある沢山のものが染料となるので、外へ出かけて夢中になって探すことがあります。でも最近は、玉ねぎの皮や黒豆の煮汁を使って、キッチンで料理をしながら気軽に染めることも大好きです。媒染を何にするかによって、染め上がる色が違ってきます。(ただし食品と混ざると危険なので、キッチンで銅を媒染にするのはお勧めできません)

玉ねぎの皮を煮出した染液に、染めたい生地を入れる。その後、火を消してしばらく置き、色落ちがなくなるまで水洗いをする
柔らかい色に染まったTさんの草木染め。染料は左から、玉ねぎの皮、黒豆(いずれもミョウバン媒染)、紅葉(鉄媒染)

「色ムラができてしまった」「この色の具合はどうかな」と染めたばかりのときは不安に感じることもありますが、干して仕上がりを見ると、調和した色に仕上がるものです。草木染めのものが身近にあると心が落ち着く感じがします。
 本格的に草木染めをするのは大変と思われる方には、玉ねぎで染めるのをおすすめします。薬局で売っているミョウバンと乾燥させた玉ねぎの皮だけで綺麗な黄色に染まりますよ。挑戦してみてはいかがでしょうか。

玉ねぎの皮とミョウバンで鮮やかな黄色に染まった布を、日光に当てて乾かす

(S・T SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.127(2020年10月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.51」

※この記事は2020年に執筆したものです

壊れた傘で手づくりしよう!

 雨の日、お店の入り口に用意してある雨傘用のビニール袋。地球環境のために脱プラスチックが叫ばれている今、店内にいるほんの少しの時間のためにだけ使われ、捨てられていくのがとても嫌でした。娘の傘で、骨は折れても、生地は傷んでいないのが数本あり、柄が可愛くて捨てずにいました。この生地を使って“マイ傘袋”をつくりました。これがあれば、お店で雨傘用ビニール袋を使わずに済みます。
 骨から外し、解体した傘の布を2枚使います。傘は、だいたい8枚はぎが多いので、1本の傘から4つの傘袋がつくれます。袋を2つに折り曲げれば、折り畳み傘も入れることも出来ます。

【作り方1】生地を外し、縫い目をほどく。2枚のはぎを中表にして、写真の線の部分を縫う
【作り方2】縫って、広げた図。縫い幅は約15cmにする。半分に折った時に傘が入る幅が必要
【作り方3】縦に半分に折って、線の部分を縫う。余分な生地はカットし、裏返したら完成
巻き止め用の紐はそのまま再利用

 別の傘の生地を使って、愛犬のレインコートもつくりました。特にわが家の犬は足が短いコーギーで、雨の日の散歩はお腹がドロドロになるため、レインコートが重宝します。元々持っていた犬用のレインコートから型紙を採りました。試着のときは、新しいレインコートに興奮して大変でした(笑)。捨てずに工夫し、楽しくプラスチックの削減が出来ています。

(津島昌子 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.125(2020年8月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.49」

※この記事は2020年に執筆したものです

草木染めの愉しみ②

 紅葉した桜の葉で染めることができると知って、早速煮出してみました。すると赤ワインのような濃い色が出ました。私たちがイメージする桜色は花びらの色ですが、桜色に染めるには花びらではなく葉や枝を使います。桜は、枝にも幹にも葉っぱにも、木全体が桜色を持っていることが分かり驚きました。
 さらに、桜は様々な色に化けます。色を鮮やかにし色落ちを防ぐための媒染を行わないと淡い桜色になり、アルミや鉄、銅などの媒染によって、ピンクにもオレンジにも茶色にも変化します。全く同じ条件で染めても、上手くいく時とそうでない時があり、難しいけど面白い。

紅葉した桜落ち葉を煮出す。落とし蓋のように、枝も一緒に。少しの落ち葉で、たくさんの染液ができる
煮出した染液は鮮やかなワイン色になった。「とても魅力的な色で、様々なものを染めてみたくなります」

 また草木染めの楽しさを知ると、白いものを無性に染めたくなります。文具店で和紙を手にした時、「何かで代用できないか?」としばし考えを巡らすと、「障子紙の余りがある!」と閃きました。染めてみたら、とても上手くいきました。不要なものを活かせた時、すごく気持ちいいものです。染めた障子紙を使って、ランチョンマットやポチ袋などを作りました。

水で薄めた染液に、障子紙をしばらく浸す。「障子紙は意外に丈夫で、この後、手で絞っても破れることはありませんでした」
桜の落ち葉で染めた障子紙で作ったポチ袋(右)。左は巨峰の皮で染めたもの。ねずみは自作の消しゴムはんこを押した

(津島昌子・SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.124(2020年7月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.48」

※この記事は2020年に執筆したものです

草木染めの愉しみ①

 昨年の秋、白いサラシを染めてみたくなり、草木染めに挑戦しました。図書館で本を借りると、身の周りの色々なもので染められると分かり、たまねぎの皮や笹の葉、巨峰の皮、びわの葉、ごぼうのアク抜きで出た茶色い汁でも染めてみました。草木染めの楽しさを知ると、自転車に乗っていても、すすきやどんぐり、葛の葉など、目に飛び込んでくるものすべてが染めの材料に見えて、自然がぐっと近くなりました。

淡い色合いが美しい、津島さんお手製の草木染め。左から、巨峰、ローズヒップ、葛、笹の葉、ごぼう、たまねぎで染めた
たまねぎの二番煎じの染液で染めたサラシを使って、蜜蝋ラップを作った

 私が感じた草木染めの魅力は、一筋縄ではいかない意外性です。植物の色素を鮮やかに発色させ、色落ちを防ぐための媒染という工程によって出る色は変化するので、染め上がるまで仕上がりは分かりません。同じ材料を使っても染める度に微妙に違う色を見せてくれるのです。
 面白いのは、緑の葉で染めても緑色にはならいことで、緑色を出すには一度黄色に染めてから藍色で染めると知り、緑という色の奥深さを知りました。何種類も色が揃ってくるととても美しく、古の十二単衣はこんなふうに染められたのかなと、平安時代に思いを馳せました。

笹の葉を煮出して草木染めてみると、緑色ではなく、若竹色に染まった

(津島昌子 SNIクラフト倶楽部)

『白鳩』誌No.123(2020年6月号)「つくる、祈る、日々の生活 No.47」

※この記事は2020年に執筆したものです